大規模修繕はお盆やお正月の時期以外に実施した方がいいのか?

大規模修繕はお盆やお正月の時期以外に実施した方がいいのか?

【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.23】

マンションの大規模修繕は1年の中でどの時期に実施すればいいのか考えているでしょうか。
特に1年の中でも「お盆」や「お正月」の時期に工事をするのは避けたいとお考えの方は多いかと思います。

実際、マンション大規模修繕の実施時期について、業界では「春工事(2月~6月)」、「秋工事(8月~12月)」が望ましいとされています。

確かにお盆やお正月の時期に大規模修繕を実施するときリストは伴いますが、現在の社会情勢や地球環境を考えると、必ずしもお盆や正月の時期を避けた方がいいという訳ではないのです。そのため、現在のマンション大規模修繕は実施時期をこだわる必要がなく、むしろ時期にこだわりがない方が有利になるケースもあります。

ということで今回は、マンションで大規模修繕の実施時期について、お盆やお正月の時期に実施するときのリスクと、時期をこだわらなくても良い理由をご紹介します。

1.大規模修繕をお盆・正月の時期に実施するリスクとは?

一般的なマンションでは、月日の経過とともに生じた建物の劣化や損傷、不具合を修繕するための大規模修繕工事を12~15年周期で実施します。

その実施時期について、「1年の中でもお盆やお正月の時期は避けたい!」と誰でも考えることだと思います。
そのため、マンション大規模修繕の業界では、冒頭でご紹介した「春工事(2月~6月)」、「秋工事(8月~12月)」が推奨されています。

そこで、なぜお盆やお正月の時期が敬遠されるのか?それは以下のようなリスクがあるからです。

その前に簡単な工事内容を説明しておくと、マンション大規模修繕工事の工事範囲は外部の外壁・屋上・外構施設、内部の床・壁・天井など建物全体になります。

その中で外壁タイルなどの改修を行うため、建物周囲に「枠組足場」と呼ばれる足場を組んで、その足場全体を「メッシュシート」と呼ばれる飛散防止養生シートで覆います。メッシュシートは風通しがよく透過性に優れているものの、窓からは足場やシートが見える状態になります。

大規模修繕をお盆や正月に実施するリスク

・足場からの第三者の侵入
お盆や正月の時期は帰省などで不在になる家庭が増えるので、足場から悪意のある第三者が侵入する恐れがある。

・エアコンが使えない期間がある
外壁塗装やバールコニー工事のとき、塗料や防水材の臭いが部屋に充満するので、窓を閉め切ったうえでエアコンも使えない期間があります。お盆は真夏、正月は真冬の時期になるので、エアコンが使えないと生活に支障をきたす恐れがある。

また、このような居住者側のリスクとは別に、施工会社側も塗装に使用する塗料が暑い・寒い時期では適切に定着しないという理由もあります。

お盆、正月という特別な時期で留守宅が増えるほか、暑い・寒い時期でもあるため、足場からの第三者の侵入や少しの間でもエアコンが使えなくなるのはマンション側にとっては大きなリスクになります。

そのため、一般的に「春工事」と「秋工事」に大規模修繕を実施しすべきだと言われているのです。

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2.大規模修繕を実施する時期はこだわらなくていい!

ここまで大規模修繕をお盆や正月の時期に実施するリスクを説明してきましたが、現在の社会情勢と環境を考えると必ずしもご紹介したようなリスクがあるとは言えず、実施時期はこだわらなくてもいいのです。

前項でご紹介したリスクを基に考えてみましょう。

2-1.現在はお盆や正月に大規模修繕を実施してもリスクはほとんどない!

現在の社会情勢として、お盆やお正月の長期休暇は分散化が進んでいます。
長期休暇の期間中に休む方がいる一方で、長期休暇が終わってから休みに入る方も増えています。

その他にも少子高齢化が進む中でマンションの居住者も高齢化が進んでいます。
全国のマンション居住者は約1,400万人になりますが、その中で60歳以上のシニア層が全体の約40%を占めているのです。そのシニア層の方たちはお盆やお正月に帰省することはなく、逆に子供たちが帰省してくることの方が多くなります。

このようなことから、お盆や正月の時期に大規模修繕を実施して足場を設置したとしても、第三者が侵入ケースはほとんどないと考えられます。

もちろん、お盆や正月に留守宅が増えるのは事実なので、施工会社ではガードマンの巡回や監視カメラ・警報システムの設置し第三者の侵入を防ぐための対策を行います。

お盆や正月の期間中は施工会社でも工事休止期間があります。
特に正月の三が日に工事休止期間を設ける施工会社は多いですが、工事休止期間に入る前には吸い殻などを放置させないように掃除を徹底してもらいましょう。

2-1-1.エアコンが使えない期間は対策を考える必要あり!

冬場はともかく夏場にエアコンが使えないのは生活に支障きたすほか、最近の夏は35℃を超える猛暑日が多く熱中症になるリスクがあるため何かしらの対策を考える必要があります。

その対策として、施工会社に対して比較的気温が低い午前中に作業を実施してもらうよう要請するほか、予定がある方は外出するなどの対策が効果的です。

しかし、現在の地球環境も温暖化が進み、夏場でなくても暑い日があるほか真冬でなくても冬日があるなど、エアコンが必要なケースは1年を通して考えられます。つまり、1年の中でどの時期に大規模修繕を実施してもエアコンが必要なケースがあるということです。

また、塗装に使用する塗料が暑い・寒い時期では適切に定着しないという問題も、建築技術の進歩により様々な環境に耐えられるような塗料が開発されているので、1年を通してどの時期が駄目だという概念はなくなっています。

このように、お盆や正月に大規模修繕を実施する際の居住者側に懸念されるリスクについて、エアコンは猛暑日の対策が必要になりますが、それ以外の要素に関しては必ずしも「春工事」と「秋工事」にこだわる必要性はないと感じます。

2-1-2.どの時期に大規模修繕を実施すればいいのか?

では、どの時期に大規模修繕を実施すればいいのか?については、特別この時期がベストというものはありません。

「春工事」や「秋工事」に大規模修繕を実施すれば問題が発生するリスクは少なくなりますが、この時期以外に実施すれば工事費用が安く抑えられる可能性があります

現在の建築業界は深刻な作業員不足が問題になっています。 そこで、大規模修繕が「春工事」や「秋工事」の時期に工事が集中してしまうと、作業員が不足することから必然的に施工単価が高くなります。逆に春工事や秋工事以外の時期は作業員に余裕がでてくるため、施工単価が安くなる傾向があるのです。

というように、マンションの周辺環境や居住者のニーズを考慮したうえで、最適な実施時期を検討することが大切です。

3.まとめ

マンション大規模修繕をお盆や正月の時期に実施するのは何かと敬遠されがちですが、それほどこだわる必要はないといえるでしょう。確かにお盆や正月の時期に工事を実施すればリスクは伴いますが、1年を通していつ大規模修繕を実施しても同じようなリスクは発生します。

現在の社会情勢や地球温暖化などの地球環境の変化によって、1年の中でこの時期がベストという時期はないと感じます。 もちろん「春工事(2月~6月)」、「秋工事(8月~12月)」に大規模修繕を実施すれば問題が発生するリスクは減りますが、施工単価が高くなる傾向があります。

あとは、マンション内でしっかり協議したうえでベストな時期に大規模修繕を実施しましょう。

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