マンション大規模修繕の費用目安とできるだけ安く抑えるポイント

費用目安とできるだけ安く抑えるポイントを解説

マンション大規模修繕の費用目安とできるだけ安く抑えるポイント

マンションは月日が経つことでの経年劣化は避けられず、その劣化を補修するために大規模修繕が行われます。
そこで一番気になるのが、もちろん大規模修繕に関わる「費用」ではないでしょうか。

「大規模修繕にはどれくらいの費用が必要なのか?」
など経験のないマンションの管理組合では、どれくらいの修繕積立金が必要になるのか、もし足らないときはどうすればいいのか心配になるものです。

そこで、ここからはマンション大規模修繕工事に関わる費用に関して、目安やできるだけ安く抑えるポイント、さらに万一修繕積立金が足らないときの対策法などご紹介いたします。

このページの目次

1.マンション大規模修繕費用の「国土交通省」推奨目安と相場

マンション大規模修繕費用の「国土交通省」推奨目安と相場

マンション大規模修繕では、屋上や外壁、廊下や階段などの共用部を中心に補修工事を行いますが、大規模修繕の経験がないマンションの管理組合ではどれくらいの費用が必要になるのか心配になるものです。

この項では、大規模修繕の費用目安と相場、概算費用を把握する方法や万一修繕積立金が不足したときの対応策についてご紹介していきます。

まず、国土交通省が推奨している基準を踏まえて、費用相場や市場相場をご紹介します。

1-1.大規模修繕の1戸あたりの費用目安と市場相場

大規模修繕費用の目安として、どれくらいの金額負担が必要なのか?予算を心配している方もいるのではないでしょうか?

基本的に、マンションの規模や劣化状況などによって金額は異なりますが、国土交通省から大規模修繕の一戸当たりの費用目安として「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」の中で明らかにされています。

その内容を見ると、一戸あたり75万円~100万円が30.6%と最も多く、次いで一戸あたり100万円~125万円が24.7%、一戸あたり50万円~75万円が13.8%という調査結果で出ています。
(参照:国土交通省|マンション大規模修繕工事に関する実態調査)
http://www.mlit.go.jp/common/001234283.pdf

そこで、マンションの規模別に工事費用を算出してみましょう。
マンションの規模は一般的に以下のように区分されます。

マンションの規模の種類

・小規模マンション:50戸程度まで
・中規模マンション:50戸~100戸程度
・大規模マンション:100戸以上

ここでは、小規模マンション30戸、中規模マンション60戸、大規模マンション100戸で算出いたします。

小規模マンション30戸では
一戸あたり目安大規模修繕費用
75万円~100万円2,250万円~3,000万円
100万円~125万円3,000万円~3,750万円
50万円~75万円1,500万円~2,250万円
中規模マンション60戸では
一戸あたり目安大規模修繕費用
75万円~100万円4,500万円~6,000万円
100万円~125万円6,000万円~7,500万円
50万円~75万円3,000万円~4,500万円
大規模マンション100戸では
一戸あたり目安大規模修繕費用
75万円~100万円7,500万円~10,000万円
100万円~125万円10,000万円~12,500万円
50万円~75万円5,000万円~7,500万円

以上のように、単純に世帯数に一戸当たりの目安を掛けるとおおよその相場が算出できます。
平均では一戸あたり75万円~100万円が最も多い調査結果もでているので、単純にお住まいのマンションの戸数を掛ければ大雑把な費用が見えてきます。

1-2.まずは建物診断を行い、概算費用を把握する

先程ご紹介した国土交通省の調査結果ではあまりにも費用が大雑把すぎるので、大規模修繕の概算費用を算出するための事前調査として、建物の劣化診断を実施し劣化状況を把握することが重要になります。

建物診断を実施することで、大規模修繕の時期、調査結果にもとづく修繕仕様書案の立案、想定される修繕工事の概算費用が算出できます。

また、調査結果を基にして同一条件で複数の施工会社に見積もりを依頼できるので、施工会社の選定でも活用できるメリットがあります。

建物診断は以下の協会・機関で実施しているので、マンション大規模修繕では建物診断を受けることが大切です。

建物診断が受けられる協会・機関

・一般社団法人 マンション管理業協会
・一般社団法人 建物診断協会
・一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会
・公益財団法人 マンション管理センター

1-3.修繕積立金の目安費用

大規模修繕の予算を賄うために、居住者が積み立てているのが「修繕積立金」です。
一般的にマンションの長期修繕計画の中で金額を設定しますが、適切な修繕積立金がいくらなのか?と、疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。予算を確保するために金額を高くしてしまうと、居住者の負担が大きくなってしまいます。

そこで、修繕積立金に関しても、国土交通省から修繕積立金の適正額の目安として「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を公開しています。その内容を抜粋してご紹介します。

修繕積立金の目安額

・計算式:修繕積立金の額の目安=AX(+B)

上記の計算式で修繕積立金を算出しますが、詳細は以下の通りになります。

A:専有床面積当たりの修繕積立金の額

階数/建築延床面積平均値事例の3分の2が包含される幅
15階未満5,000m2未満218円/m2・月165円~250円/m2・月
5,000~10,000m2202円/m2・月140円~265円/m2・月
10,000m2以上178円/m2・月135円~220円/m2・月
20階以上206円/m2・月170円~245円/m2・月

X:購入予定のマンションの専有床面積(m2

・B:機械式駐車場がある場合の加算額
B= 機械式駐車場の1台あたりの修繕工事費(下表)× 台数 × 購入予定の住戸の負担割合

【機械式駐車場1台あたりの修繕工事費】

機械式駐車場の機種機械式駐車場の修繕工事費 (1台当たり月額)
2段(ピット1段)昇降式7,085円/台・月
3段(ピット2段)昇降式6,040円/台・月
3段(ピット1段)昇降横行式8,540 円/台・月
4段(ピット2段)昇降横行式14,165円/台・月

(参照:国土交通省|マンションの修繕積立金に関するガイドライン)
http://www.mlit.go.jp/common/001080837.pdf

以上の計算式を使って、お住まいのマンションに当てはめて計算すれば、1ヶ月当たりの修繕積立金の目安額が算出できます。

1-4.住人が費用負担をする修繕積立金の確認と見直し

修繕積立金の目安費用として、国土交通省の適正額の計算方法をご紹介しましたが、現在の修繕積立金の金額が適正額よりも少ないと、大規模修繕工事の際に不足することが懸念されます。

そこで、マンション管理組合は、長期修繕計画の策定および見直しに際して、コンサルタントなどの専門家のサポートを仰ぎながら、適正額よりも少ないときは修繕積立金の値上げを含めた検討が必要になります。

基本的にマンションで実施される大規模修繕は、回を重ねるごとに大規模修繕工事の費用は高くなるので、長期修繕計画の資金計画の見直しは的確に行うようにしましょう。

1-5. 万一修繕積立金や費用が不足したときの対応策

マンション大規模修繕を実施するとき、事前に建物診断・劣化診断を行ったうえで、ある程度の費用を算出しますが、万一修繕積立金が不足していたらどうすればいいのか?

近年、大規模修繕に伴って修繕積立金が不足する分譲マンションは多いといいます。そこで、もし当該マンションで修繕積立金が不足した場合、大きく以下のような対応策が考えられます。

1-4-1. 対策案1:管理会社に支払う管理コスト(管理委託費)の削減 

修繕積立金の不足を補うための対応として、まず管理コストの削減が効果的です。
日常的な管理を管理会社に委託しているマンションでは、管理会社に毎月「管理委託費」を支払っています。

その管理委託費について、マンションの管理業務が多岐に渡るため、管理委託費は細かく計算されますが、一般的に管理会社へ支払う管理委託費の相場は「一戸あたり13,000円~15,000円」と言われています。

そこで、この管理委託費を削減することで、大規模修繕の予算不足を解消できる可能性があります。

1-4-2. 対策案2:自治体などが実施している助成金制度に目を配る 

マンションで実施する大規模修繕工事は、地方自治体または公共団体が助成金を実施していることがあります。
様々な分野で助成金制度はありますが、マンションで実施する大規模修繕工事でも助成金制度があり、適用条件を満たしていれば応募することができます。

助成金制度は、国や地方自治体、公共団体などの機関が実施しているので、大規模修繕の計画を進めるときは各方面の助成金制度に目を配っておきましょう。

1-4-3. 対策案3:居住者から一時金を徴収する

修繕積立金の不足が発生したとき、一時金として徴収できる範囲であれば、居住者から一時金を徴収する方法もあります。。
その一時金に徴収にあたっては、管理組合の総会決議が必要になるのはもちろんですが、居住者の負担が大きくなれば反対は避けられません。

一時金の金額が大きくなれば大きくなるほど承認を得るのが難しくなり、どうしても承認が得られないときは工事の延期を含めて検討する必要があります。

このようなことにならないためにも、前項でご紹介した適正額よりも修繕積立金の額が低いときは、長期修繕計画の見直しのときに値上げをするなど、しっかりした資金計画を立てておくことが重要になります。

1-4-4. ローン・クレジット会社・リース会社などからの借り入れ

予算不足の最終手段として、住宅金融支援機構や金融機関、ローン会社、リース会社などから借り入れる方法も考える必要があります。

借り入に際しては、管理組合の総会決議は当然必要になりますが、上記の一時金の徴収よりも承認は得られやすいといえます。
しかし、借り入れるということは返済しなければなりませんが、金利もかかってくるため、返済にあたっては修繕積立金の値上げを検討する必要があります。

そこで、融資を受けるとき最もおすすめなのが、住宅金融支援機構が実施している「マンション共用部分リフォーム融資」です。
「150万円(耐震改修を伴う場合は500万円)× 住宅戸数」という融資を受けることができますが、応募できる条件が細かく設定されているので、詳しくは「マンション共用部分リフォーム融資(https://www.jhf.go.jp/loan/yushi/info/mansionreform/index.html)」こちらで確認して下さい。

返済期間は1年以上10年未満になり、融資金利は年0.55%になっています。

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2.マンション大規模修繕をする際に理解しておく事

マンション大規模修繕をする際に理解しておく事

そもそもマンション大規模修繕を実施する目的やメリット、頻度など具体的に理解していない方もいるのではないでしょうか?
大規模修繕は、前項でご紹介した通り「一戸あたり75万円~100万円」という費用をかけて行う工事であり、実施する目的やメリット、実施頻度は理解して計画を進める必要があります。

そこで、この項ではマンション大規模修繕をする際に、理解しておく事について分かりやすくご紹介いたします。

2-1. マンションで実施する大規模修繕工事とは?

マンションなどの建物は経年劣化が避けられず、長く快適に生活するために劣化部分を修繕するほか、生活水準の向上のためにバリューアップする工事が大規模修繕になります。

大規模修繕工事は、基本的に建物全体の共用部分に発生した劣化や不具合の修繕工事になり、専有部分は工事の対象外になります。その工事範囲は外壁、屋上、共用廊下・階段、バルコニー、建具類、鉄部、設備関係、外構設備など多岐に渡ります。

2-2. マンションで大規模修繕工事を実施する目的

マンション大規模修繕は、以下の2つの工事を行うことが一番の目的になります。

マンション大規模修繕工事を実施する目的

・資産価値を維持するために行う修繕工事
・建物及び設備の性能向上を図るために行う模様替(改修)工事

具体的に説明すれば、マンション内で劣化や不具合が発生していれば、生活するうえで問題ない状態に回復させつつ、資産価値を維持する必要があり、その一連の工事が修繕工事になります。また、マンション内の各部の性能や機能をグレードアップして生活水準の向上を図るために行う工事が模様替(改修)工事になります。

2-3.マンションで大規模修繕工事を実施するメリット

マンションで大規模修繕を実施するメリットは、上記の目的にある通り、マンションの資産価値が維持できるとともに生活水準が向上できることです。

マンションなどの建物は、太陽の紫外線や雨風、自然災害などの影響によって、月日が経過するにつれて劣化や不具合が発生していきます。そこで、劣化や不具合のメンテナンスを行わずに放置していれば、劣化の進行が早くなるため、外観の景観はもちろん生活環境まで悪くなり、結果的にマンション自体の資産価値を下げてしまう可能性があります。

2-4.マンション大規模修繕を行う頻度 は「12年周期」が一般的

マンション大規模修繕を実施する頻度の目安として、一般的に「12年周期」と言われています。
12年で必ず実施しなければならない訳ではありませんが、一般的な分譲マンションを平均すると、12年~15年周期で大規模修繕が行われています。

なぜ12年周期なのか?については、以下の2つの理由が挙げられます。

マンション大規模修繕を12年周期で実施する理由

・築10年以上のマンションは「全面打診調査」を実施するように定められている
・部材(タイル、防水材、塗装など)の保証期間が過ぎる

マンション大規模修繕を行う頻度については「大規模修繕の時期とは?目安や周期サイクルを簡単解説」https://large-scale-repair.com/list/season/」こちらで詳しく説明しているので合わせてご覧ください。

2-5.マンション大規模修繕の計画を立てるポイント

マンション大規模修繕の計画を立てるときは、修繕積立金を考慮しながら作成を進めることが大きなポイントになります。
その修繕計画の作成では、コンサルタントにアドバイスを得ながら作成するようにします。

大規模修繕を実施するにあたって、事前に建物診断・劣化診断を実施して、劣化や不具合の状況を把握しますが、コンサルタントが把握した劣化や不具合を精査して工事の優先順位を判断してくれます。それにより、一度の工事で無駄なく修繕工事ができるようになるほか、先送りできる工事の判断もできるので、工事費用を抑えることも可能になります。

2-6. マンション大規模修繕工事の見積もりを取るときのポイント

マンション大規模修繕の施工は施工業者に依頼しますが、大きく以下の3種類の選定方法があります。

施工業者の3種類の選定方法

・競争入札方式
・見積もり合わせ方式
・特命随時契約方式

このように3種類の選定方法はありますが、競争入札は公共事業には適していますが、マンションなどの建設には向かず、特命契約は工事価格が高くなる傾向があります。そのため、マンション大規模修繕では一般的に「見積合わせ方式」が採用されます。

こちらも、コンサルタントのサポートを得ながら公募を行ったのち、応募があった施工業者を5~10社に絞り込んで見積もりを依頼します。そして、見積の徴収とともに施工会社とのヒアリングを行い、工事に取り組む会社としての考え方や姿勢を見ていきます。

そこで、ヒアリング結果と見積内容から最終的にとりまとめを行い1社に絞り込みでいきますが、安いだけでなく安心して依頼できる施工業者を選ぶことが一番重要になります。

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3.マンション大規模修繕の工事別費用内訳

マンション大規模修繕の工事別費用内訳

前項では、マンション大規模修繕全体の工事費用の目安や相場をご紹介しましたが、この項では工事別にどのような費用が必要なのかご紹介いたします。

3-1.直接仮設(仮設足場)・共通仮設工事の目安費用・相場

直接仮設工事は、外部に設置する足場を筆頭に、浸入防止柵や資材運搬費、安全対策費(ガードマン)も直接仮設に含まれます。

同じ仮設でも共通仮設工事は、仮設事務所、仮設トイレ、作業員詰所、資材倉庫などの共通設備や、工事に関わる電気・水道代金も共通仮設費に含まれます。

直接仮設(仮設足場)・共通仮設工事の費用目安に関しては、設置する足場の種類や設置する共通設備で異なりますが、マンション大規模修繕の工事費全体の約2割を仮設工事が占めると言われています。

具体的には、全体の工事費が「1戸当たり75万円~100万円」であれば「一戸あたり15万円~20万円」が仮設工事に必要になるということになります。

3-2.下地補修工事の目安費用・相場

下地補修工事は、外壁を中心にコンクリート・モルタルに発生しているひび割れやモルタル浮き、鉄筋腐食部を補修する工事になります。

問題がある箇所を補修することで建物の耐久性を高めるとともに、その後に施工する塗装工事、タイル補修工事の仕上がりに影響する重要な工事です。

コンクリート・モルタルの下地補修に関わる費用に関しては、ひび割れと爆裂補修で以下の費用が目安になります。

・Uカットシール工法:1,500~2,500円/m2
・爆裂補修:1,000~2,500円/箇所

3-3.外壁改修工事の目安費用・相場

大規模修繕では「外壁」が最も重要な工事です。外壁タイルを中心に補修工事が行われ、タイルの浮き部分やひび割れ、欠損部を補修していきます。

タイルの浮き部では一般的にアンカーピンニング工法で行われ、浮きが発生しているタイル部分に穴をあけ、内部にエポキシ樹脂などの接着剤を注入したあとアンカーピンを挿入することで、浮き部全体をアンカーピンと接着剤で固定していきます。

ひび割れ・欠損部では部分的に貼り替え工事を行い、対象箇所を撤去したあと接着剤で既存のタイルに合わせたタイルを貼り付けていきます。その他の外壁に関しては下地処理を行ったのち、塗装の塗り替え工事を行います。

マンション大規模修繕工事の中で、外壁改修に関わる費用は高額になります。

工事費全体の約2割は外壁改修で必要になると言われています。単純に、全体の工事費が3,000万円なら、外壁改修に600万円必要になることになります。

3-4.防水工事の目安費用・相場

屋上や共用廊下、階段、各部屋のベランダなどの防水補修工事を行います。
特に屋上は紫外線や雨風によって防水層が劣化しているので、大規模修繕では必ず行う工事の一つです。

大規模修繕では「ウレタン塗膜防水」が広く用いられていますがマンションによって工法は異なります。ただし、バルコニーや共用廊下、階段では「防滑性塩ビシート」が主流になっています

ここでは、屋上防水工事の費用目安をご紹介しますが、採用する工法によって異なり、以下の費用が目安になります。

・ウレタン防水工法:3,500~5,500円
・アスファルト防水:8,000円~
・シート防水工法:3,000~6,500円
・FRP防水工法:5,500~9,000円

3-5.シーリング工事の目安費用・相場

シーリング工事とは、サッシや玄関の扉廻りなどのコンクリートとの取り合い部分などにゴム状のシーリング材を充填する工事を指します。

シーリングを施工する目的は見た目もありますが一番は防水性能を向上するためです。シーリングを取り合い部分に施工していないと漏水する可能性が高くなります。

シーリング工事の費用目安は、打ち増し工事と打ち替え工事で以下が目安になります。

・シーリング打ち増し工事:600~900円/m
・シーリング交換(打ち替え)工事:800~1,200円/m

3-6.鉄部塗装工事の目安費用・相場

鉄部とはそのまま、マンション内で鉄が使用されている箇所を中心に、主に「錆(さび)」が発生している箇所に塗装工事を行う工事が鉄部塗装工事になります。

錆が発生している箇所では最初に錆部分のケレン(錆落とし)を行い、そのあと錆止め材と上塗り材の順で塗装していきます。

鉄部塗装の費用目安は、ケレン(錆落とし)から錆止め材と上塗り材の塗布で、施工箇所によって異なりますが、3,000~15,000円/箇所が目安になります。

3-7.その他工事(現場経費・諸経費)の目安費用・相場

その他に、電気、給排水設備やエレベーターなどの設備補修が必要なときは、工事範囲ごとに費用が発生していきます。

また、施工会社の現場責任者の人件費やその他の近隣対応などに必要な諸経費も必要になります。

以上、マンション大規模修繕の一般的な工事別に工事内容をご紹介しましたが、施工業者の見積もりにはご紹介した項目ごとに見積もり額が記載されています。しかし、素人では見積もりが適切なのかの判断ができないので、コンサルタント会社などの専門家に確認してもらうことが大切です。

現場経費および諸経費の費用目安に関しては、直接工事費の10~15%程度が目安になります。
単純に、直接工事費が1,000万円なら100万円~150万円が現場経費・諸経費として必要になります。

3-8.特に修繕費用がかかる工事は?

ここまで、マンション大規模修繕で実施する工事の内容や費用目安をご紹介しましたが、その中で特に修繕費用がかかる工事が何なのか?気になる方もいるでしょう。

マンション大規模修繕を含めた全ての工事に当てはまりますが、特に費用がかかるのが「仮設工事」です。
「3-1.直接仮設(仮設足場)・共通仮設工事」でも説明しましたが、工事費全体の2割程度は仮設工事が占めるといわれています。

その仮設工事の中でも、仮設足場の設置に最も費用を要しますが、建物の規模が大きくなれば大きくなるほど足場の設置費は高くなります。最近では、タワーマンションと呼ばれる超高層マンションも多くなりましたが、タワーマンションは特別な足場の設置が必要になるため、一般的なマンション大規模修繕よりも高額な仮設工事費がかかってしまいます。

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4.マンション大規模修繕費用をできるだけ安く抑える方法

マンション大規模修繕費用をできるだけ安く抑える方法

マンション大規模修繕の費用は決して安い金額ではありません。

一戸あたり75万円~100万円と考えれば、50戸の中規模マンションでは3,750万円~5,000万円もの費用が必要になります。そこで、できるだけ費用を抑えられるに越したことはありません。

ここでは、大規模修繕の工事費用をできるだけ安く抑える方法を3つご紹介いたします。

4-1.複数業者から相見積もりを取る

大規模修繕に限らずどんな工事でも、できるだけ安い施工業者を探すためには相見積もりを取るのが鉄則です。
相見積もりは多過ぎても意味がないので、5社~10社に絞って相見積もりを比較してみましょう。

建物診断を受けると、調査結果を基に同一条件で複数施工会社から相見積もりを依頼できます。
その際、「◯◯工事 一式」というような一式で記載されているような見積もりを提出している業者は要注意です。

実際に詳細な内訳が明記されているのか確認し、工事単価が同じでも経費が高いケースがあるので、可能な限り詳細部分まで確認していくことが重要です。

5社~10社から相見積もりを出してもらえば、おそらく2割程度の差は出てきます。

4-2.コンサルタント会社に丸投げしない

マンション大規模修繕を計画するとき、設計事務所などにコンサルタントを一括して依頼するケースでは「談合」は要注意です。
談合とは、コンサルタント会社が施工会社と癒着して工事費用を意図的に吊り上げ、見返りにバックマージンを不正に得る行為です。

コンサルタント会社に一括して任せれば、調査診断から修繕工事の設計まで一貫して任せられるので、管理組合の手間を軽減できるメリットがあります。しかし、コンサルタント会社に一任すれば第三者のチェックが入らないため、費用が割高になる可能性があり、談合が行われるケースが増えているのです。

このように事態にならないためには、設計・工事監理と施工を分離する方式「設計監理方式」で契約することが重要になります。

4-3.施工方法を見直してもらう(無足場工法)

マンション大規模修繕で、外壁が工事範囲に含まれるときは足場を設置します。
しかし、この足場の設置および設置期間の保守にお金がかかり、前項でも説明した通り、工事費全体の10%~20%は足場の設置費用になるのです。

そこで、足場を設置しない「無足場工法」が採用できないのか施工会社に検討してもらいましょう。
無足場工法には「ロープ」「ゴンドラ」を使った2種類の方法があり、足場を設置するよりも格段に費用が抑えられます。

ただし、無足場工法ができる業者が少なく、建物の形状によってはできないケースもあります。
それでも足場を設置するよりも全体の工事費用が抑えられるので、無足場工法ができる施工会社を探すのも大規模修繕の工事費用を抑えるための一つの手ではないでしょうか。

5.マンション大規模修繕時の追加費用

マンション大規模修繕時の追加費用

マンション大規模修繕で問題になるのが「追加費用」ですが、当初の工事費用の約5%程度の追加費用が発生するといわれています。

では、どんな工事で追加費用が発生するのか?についてご紹介します。

5-1. 大規模修繕工事は追加費用がつきもの! 

マンションで実施する大規模修繕は、追加費用がつきものと言われていますが、その中で最も追加費用が発生するのが「外壁タイル工事」です。

「外壁タイル」に関して、一般的に全体の概ね3~5%に対して張り替えや修繕が必要と想定されますが、実際には10~15%で工事が必要になるといわれており正確性がありません。

大規模修繕の工事費用は、一般的に完成図面や建物診断・劣化診断による数量をもとに各施工業者が見積書を作成します。 基本は施工業者の見積数量通りに工事が進められ、このような施工数量を「責任数量」と呼んでいます。この責任数量は、完成時に数量がオーバーしても基本的に追加請求はできないようになっています。

本来は「責任数量」が基本になりますが、例外として挙げられるのが「外壁タイル」です。 外壁タイルの数量は、建物全面に足場を設置しない限り正確な数字が把握できないため、見積もり段階では想定内の数量が採用されます。

そして、工事が着工して足場が設置された段階で外壁タイルの全体的な調査が行われ、実際の数量を確定させる「実数清算方式」が採用されています。そのため、想定数量よりも確定数量が増えれば、おのずと追加費用が発生するのです。

そこで、外壁タイル工事に関しては、追加費用を想定して「予備費」を設けておくことをおすすめします。 大規模修繕工事の資金計画の中に予備費を設けておけば、追加費用が発生したときでも柔軟に対応できるようになります。

5-2.長期修繕計画の見直しに関わる費用 

長期修繕計画は、マンション管理組合が中心になって作成する長期的な修繕計画になり、10年~30年程度の期間を対象として、経年劣化や不具合の修繕をどの時期にどの程度の費用で実施するかを計画するために作成されます。

この長期修繕計画に関して、国土交通省が発表している「マンション標準管理規約」では、およそ5年ごとに見直すように推奨しています。絶対見直さなければならない訳ではありませんが、最初に作成して5年が経過すればマンションの状態も変化してくるため、修繕計画や修繕積立金を見直すことで、予算不足などのトラブルが回避できるようになります。

長期修繕計画の見直しについて、マンションの管理組合が中心になって作成できれば問題ないですが、専門的な知識が必要になるため、一般的にマンション管理士などのコンサルタントに見直しを依頼します。

そこで、気になる見直し費用については、平均10万円前後の費用が必要になり、より精度の高い建物診断・劣化診断を含めた見直しを図る場合は50万円以上の費用が必要になります。

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6.賃貸マンション・アパートやビルの費用・相場まとめ(オーナー様へ)

賃貸マンション・アパートやビルの費用・相場まとめ(オーナー様へ)

ここまでご紹介したマンション大規模修繕の費用は、分譲マンションで工事を実施するときの話しでしたが、この項では賃貸マンション・アパートと、商業ビル・オフィスビルで大規模修繕工事を実施するときの費用相場をご紹介します。

6-1. 賃貸マンション・アパートの大規模修繕にかかる費用相場

賃貸マンション・アパートでは、入居者の居室以外の共用部分の維持管理はオーナーの義務として行わなければなりません。
その維持管理の中で、賃貸マンション・アパートも分譲マンションと同じように、12年~15年周期で大規模修繕工事を実施して、資産価値の維持、および入居者の生活環境の向上を図る必要があります。

その大規模修繕工事の費用として、分譲マンションは修繕積立金を積み立てて賄います。 それが、賃貸マンション・アパートでは建物の維持・管理を行う費用として、入居者は家賃とは別に「管理費」を支払うようになり、別に「共益費」と呼んでいるマンションもありますが、オーナーは納められる管理費(共益費)をもとに大規模修繕を意識した資金計画が求められます。

そこで、賃貸マンション・アパートで実施する大規模修繕の費用に関して、分譲マンションと同じように規模、築年数、劣化状況、工事範囲・工法で費用はまったく異なるため、施工会社に見積もりを出してもらわない限り正確な工事費はわかりません。

ですが、1戸あたりのおおよその費用相場を算出されており、分譲マンションは「一戸当たり75万円~100万円」が平均的な相場になりますが、賃貸マンション・アパートは以下のようになります。

賃貸マンション・アパートで実施する大規模修繕の費用相場

・木造アパート:一戸当たり25万円~
・RC(鉄筋コンクリート)マンション:30万円~90万円

以上がおおよその費用相場になりますが、先程説明した通り、規模や工事範囲で全く費用が異なるので、あくまで目安としてご覧ください。

6-2.商業ビル・オフィスビルの大規模修繕にかかる費用相場

商業ビルやオフィスビルも、マンションやアパートと同じように月日の経過に伴う経年劣化は避けられないので、定期的な補修や修繕が必要になります。

しかし、商業ビルやオフィスビルには、分譲・賃貸マンションのように「12年周期」という定義はなく、劣化状況や使用部材の耐用年数によって、オーナーの判断で修繕やバリューアップ工事を行う必要があります。

そこで、一般的なオフィスビルで実施される修繕イメージとして、各修繕工事の流れと費用目安をご紹介します、

オフィスビルの修繕周期イメージ

・10~15年:外壁、屋上改修など 1,000万円~
・15~20年:空調設備更改など 2,500万円~
・25~30年:エレベーターのリニューアルなど 1,000万円~
・30年~35年:ビルのバリューアップ工事 1,000万円~2,000万円

以上、あくまで目安ですが商業ビルやオフィスビルでは、部材の耐用年数などを考慮しながら、オーナーの判断で改修工事を行います。内装に関しては入居するテナント側で工事が行われるので、オーナーはあくまで共用部分の修繕義務があります。

7.まとめ

マンション大規模修繕には莫大な費用が必要になります。
一戸あたり75万円~100万円が目安になり、マンションの戸数によってある程度の目安は把握できます。

しかし、あくまで目安なので大規模修繕を予定する際は、建物診断を受けて劣化箇所を明確にしてから、複数業者に相見積もりを出してもらうことが、工事費用を安く抑えるためには重要になります。

また、コンサルタントに丸投げするのも談合などのトラブルの基なので、設計・工事監理と施工を分離する方式「設計監理方式」で、施工業者も無足場工法ができる業者を探すなど安く抑えられる工夫をしていきましょう。

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