大規模修繕に伴う電気設備の機器交換目安とその他改修工事

電気設備の機器交換目安とその他改修工事を解説

大規模修繕に伴う電気設備の機器交換目安とその他改修工事

マンション大規模修繕は、主に建物に生じた劣化や損傷の修繕工事を行いますが、設備関係も必要に応じて機器の取り換えなどの改修を行います。

建物の設備の中で、最も利用する設備の一つが「電気設備」です。
ご家庭や共用部の蛍光灯が消えたときはその都度交換します。

しかし、そのほかにも共用部の引込開閉器盤や共有分電盤、主開閉器や制御盤などの電気設備機器についても、設置年数に応じて修繕もしくは交換する必要があるのです。

ここからは、マンション大規模修繕に伴う電気設備機器の交換目安や電気設備をアップグレードするLED照明や電力幹線の改修工事についてご紹介いたします。

1.大規模修繕の電気設備工事に伴う電気機器の交換目安

大規模修繕の電気設備工事に伴う電気機器の交換目安

まず、マンションの電気設備の仕組みを説明しておくと、マンションは規模によって電気の流れが異なります。

まず、各家庭と共用部の契約電力が50Kw未満の小規模マンションは、電柱の変圧器で低圧電力に変圧され、エレベーターなどに利用する電力用幹線と照明などに利用する電灯用幹線の2系統に分かれ、電灯用引込線を通じて引込開閉器盤を経由して共用部と各家庭にそれぞれ電気が送られます。

次に契約電力が50Kw以上の中規模以上のマンションは、電柱からの高圧電力を「キュービクル(高圧受電設備)」に引き込んで低圧電力に変圧します。それから小規模マンションと同じように引込開閉器盤を経由してそれぞれ電気が送られる仕組みになっています。

そこで、ここからはマンションの主な電気機器の耐用年数および交換目安をご紹介いたします。

1-1.「キュービクル(高圧受電設備)」の耐用年数および交換目安

キュービクル(高圧受電設備)とは、50Kw以上の高圧電力で契約しているマンションなどの施設で設置される電気設備のことです。受電設備(開閉器、断路器、変圧器、制御装置)が金属製の箱に収められていることから「Cubicle:個室・小部屋」と呼ばれています。

先程も簡単に説明しましたが、電力会社から供給される高電圧(6,600V)を、建物内で利用可能な動力 200V、電灯100Vに変圧する役割を果たし、マンションでは主に屋外に設置されています。

そのキュービクルの耐用年数は設置場所(屋内・屋外)や整備状況で異なりますが、法的には「建物附属設備」の「電気設備」「その他のもの」に該当し、15年と定められています。

しかし実際には、金属収納箱の塗装や補修、清掃などのメンテナンスをしっかり行っていれば、屋外設置のキュービクルでも耐用年数は20年~30年程度が目安。もちろん、メンテナンスを疎かにしていると耐用年数は短くなっていきます。

ただし、開閉器、断路器、変圧器、制御装置といった内部受電設備は15年程度が耐用年数の目安になるので、個別にメンテナンスや交換が必要になります。

大規模修繕工事の際は、金属製収納箱の塗装や内部の清掃などを実施し、12年周期で大規模修繕を実施するときは、2回目の24年目にキュービクルの交換を視野に入れた計画が必要になります。

1-2.「引込開閉器盤」の耐用年数および交換目安

引込開閉器盤は、小規模マンションでは電柱に設置されている柱上変圧器、中規模以上のマンションは上記のキュービクルで使用電圧(電灯 100V・動力 200V)に変圧された電力を建物に引き込む最初の場所。マンションなどの集合住宅で各部屋に電力を供給するための共用分電盤になります。

開閉器とは、電気の電路(通り道)を名前の通り「開いたり閉じたりする機器」を指し、電気の引込口付近に設置してあるものを引込開閉器と呼ばれています。マンションでは屋内配線へ屋外配線を引き込む場所に設置され、一般的に建物外壁や引込用電柱を建てて引込開閉器盤を固定しているケースが多いです。

この引込開閉器盤の耐用年数は20年~25年が目安になります。
引込開閉器盤は屋外に設置されているケースが多いので、大規模修繕工事の際は上記のキュービクルと同様に盤の補修や塗装を行い、2回目の大規模修繕のときに交換を視野に入れて計画する必要があります。

1-3.「屋内・屋外共有灯」の耐用年数および交換目安

上記の2つの電気設備機器は、マンションに電気を引き込むための機器でしたが、マンションでは屋内および屋外に共有灯が設置されています。

屋内は共用部のエントランス、廊下灯や階段灯、外部では外灯が設置されていますが、照明器具を含む電気設備の法定耐用年数は15年と決められています。しかし、照明器具は外観に問題はなくても内部は劣化していきます。

ホコリの付着や錆(さび)が発生していると照度が落ちるだけでなく、照明器具自体も劣化が進行してしまいます。
そのため、定期的なメンテナンスとともに1回目もしくは2回目の大規模修繕工事の際は、後でご紹介するLED照明への取替などを視野に入れた計画が必要になります。

以上、マンションの電気設備機器の耐用年数や交換目安をご紹介しましたが、いずれの設備も定期的なメンテナンスが重要です。基本的にしっかりメンテナンスしていれば15年以上は使える設備ですが、2回目もしくは3回目の大規模修繕工事の際に交換を前提に計画を進めるようにしましよう。

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2.大規模修繕の電気設備工事「LED照明取替」

大規模修繕の電気設備工事「LED照明取替」

マンションは前項でもご紹介した屋内共用部のエントランスの照明や廊下灯・階段灯、外部の外灯といった共有灯を設置しています。そこで、現状で蛍光灯や白熱灯を設置しているマンションでは照明をLED化するケースが多いといいます。

ここからは、蛍光灯や白熱灯といった照明器具を取り替える目安となぜLDE照明に取り替えるのか、消費電力や電気代を比較して取り替えるメリットをご紹介いたします。

2-1.照明器具取替目安とLEDに取り替えるメリット

蛍光灯や白熱灯などの照明器具の耐用年数は15年と定められています。
そこで、2回目の大規模修繕工事の際、現状の器具の取替はもちろん可能ですが、LED照明への取替がおすすめです。

LEDのメリットは何といっても長寿命で消費電力が少ないことと、さらに電気代が節約できることです。
白熱電球や電球型蛍光灯とLED電球を比較してみると以下のようになります。

消費電力

・白熱電球と比べるとLEDは約1/5程度
・電球型蛍光灯とは同等

寿命

・白熱電球:1,000~2,000時間程度
・電球型蛍光灯:13,000時間程度
・LED電球:4万時間程度

電気代(1年間使用した場合)

・白熱電球:4,257円 ・電球型蛍光灯:867円
・LED電球:615円

※白熱電球の消費電力を54W、電球型蛍光灯の消費電力を11W、LED電球の消費電力を7.8Wとして計算。
1日8時間使用したとして、1Kwhあたり27円で計算しています。

(参照:エネチェンジ|LED照明(電球・蛍光灯)のメリット・デメリットって?)
https://enechange.jp/articles/led-lighting-2#i-3

消費電力、寿命、電気代いずれもLED電球が優れているものの、一番のデメリットは価格が高いことです。
しかし、現在は大手電機メーカーの照明器具もLED化が進み、価格は当初よりも安くなっているほか、マンション内外の照明をLED化することで電気代の削減に繋がります。

また、LED照明は白熱電球や電球型蛍光灯よりも紫外線・赤外線の放射が少ないので、壁や天井の色褪せ防止にも効果があるのです。

このようなことから、2回目もしくは3回目の大規模修繕工事の際は共有灯のLED化を検討してみてはいかがでしょうか。

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3.大規模修繕の電気設備工事「電力幹線の改修」

大規模修繕の電気設備工事「電力幹線の改修」

現在、IHクッキングヒーターを導入するご家庭が増えていますが、築年数の古いマンションでは電気容量が不足するため設置できないケースがあります。通常、マンションの電気容量は40A(アンペア)ですが、IHクッキングヒーターや電気式床暖房を導入したい場合は60A程度必要になります。

しかし、マンションの電力設備は各家庭の電気容量の上限で決まり、それぞれの家庭の電気容量の上限までは電力会社に申し込めば上げられますがそれ以上は上げることはできません。

そこで、電力幹線の改修工事を行うことで、各家庭の電気容量が上げられるようになり、IHクッキングヒーターや電気式床暖房といった電気機器が利用できるようになるのです。

3-1.電力幹線改修工事の方法と注意点

電力幹線改修工事の方法は以下のように大きく2種類あります。

電力幹線の改修工事

➀既存の電力幹線ケーブルを撤去して新しい電力幹線ケーブルに交換
➁既存の電力幹線ケーブルを再利用

①の電力幹線ケーブルの交換は、工事コストはかかるものの安全性・信頼性の高い電力幹線の構築ができます。一方➁の既存の電力幹線ケーブルを再利用する場合は既存ケーブルの劣化状況によりますが、工事コストが抑えられ、工期が短いといったメリットがあります。

その際、いずれも方法でもマンション全体の電気容量が上がるので、「主開閉器盤」を交換しなければなりません。
また、各家庭の分電盤も安全性を高めるための漏電遮断器の設置や、回路増設に対応した分電盤への変更が必要なケースがあります。

ただし、この電力幹線改修工事の注意点として、マンション全体に停電が数回発生します。
その点は施工業者から事前に工事の時間帯の周知があるほか、生活への影響が少ない平日の9時~17時の範囲内で工事が行われます。

このように、電力幹線の改修工事は手間や工事費はかかりますが、電気容量が上がることでオール電化が実現でき、マンションの資産価値を高めることもできます。現状、電気容量が足りないというマンションは、大規模修繕工事に合わせて電力幹線の改修工事も計画してみてはいかがでしょうか。

4.まとめ

マンション大規模修繕工事は、建物の劣化や損傷したところを修繕するだけでなく、設備関係の修繕も行います。
中でも日頃から利用している電気設備に関しては、建物に電気を引き込むための設備や屋内・屋内の照明器具の修繕もしくは交換が必要になります。

電気設備機器に関しては15年程度が耐用年数になるので、2回目以降の大規模修繕で交換を視野に入れた計画が必要になります。

その際、照明器具のLED化や電気容量が不足しているマンションでは電力幹線の改修を行うことで、マンション自体の資産価値の向上に繋がるので、2回目以降の大規模修繕で計画してみてはいかがでしょうか。

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