大規模修繕に伴う屋根・屋上防水工事の必要性と防水工事の種類

屋根・屋上防水工事の必要性と事の種類を解説

大規模修繕に伴う屋根・屋上防水工事の必要性と防水工事の種類

マンションなどの建物は月日の経過で生じる劣化や損傷は避けられません。
中でも屋根や屋上は紫外線や雨風の影響を常に受け続けているため、劣化しやすいエリアといえます。

そこで、マンション大規模修繕では屋根や屋上の修繕は欠かせない工事の一つなのです。
マンションの場合、屋根というようも「屋上」になりますが、現状では「防水」が施されており、大規模修繕では防水の修繕工事を行います。

ここからは、マンション大規模修繕で屋根・屋上防水工事を行う必要性や、その防水工事の種類と工事な流れなどをご紹介いたします。

1.大規模修繕の工事範囲と屋根・屋上防水工事の必要性

大規模修繕の工事範囲と屋根・屋上防水工事の必要性

マンションでは管理組合や理事会によって長期修繕計画が立てられ、一般的に「12年周期」で大規模修繕が行われています。
その中にマンションの屋根や屋上の防水工事も工事範囲に含まれますが、マンションは屋根というよりも屋上になるので、ここからの説明は「屋上」で話を進めていきます。

その大規模修繕を行う目的は、劣化や損傷を補修・修繕することで資産価値の維持・向上を図るとともに、現在の住居水準に合わせてグレードアップさせる改良・改修を行うことでより快適な居住環境にしていくことにあります。

1-1.マンション大規模修繕の定義と工事範囲

先程から工事範囲と説明していますが、まずはマンション大規模修繕の定義と一般的な工事範囲をご紹介しておきます。

1-1-1.大規模修繕の定義

マンション大規模修繕の定義は、建築基準法第2条で以下のように定められています。

“この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
十四 大規模の修繕 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいう。
十五 大規模の模様替 建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の模様替をいう。 “

(参照:電子政府の総合窓口 e-Gov|建築基準法)
http://elaws.e-gov.go.jp

この定義の中にある”主要構造部”は、「壁、柱、床、梁(はり)、屋根又は階段」を指し、その1種類以上に対して半分以上(過半)修繕あるいは模様替する工事が「大規模の修繕、模様替」になります。

屋根も定義に含まれていますが、一般的なマンション大規模修繕工事での屋上防水工事は部分的な表面上の補修および修繕を行うため建築基準法の定義とはニュアンスが異なります。

1-1-2.マンション大規模修繕の一般的な工事範囲

大規模修繕の定義では「壁、柱、床、梁(はり)、屋根又は階段」の1種以上に行う半分以上の修繕・模様替になりますが、実際の一般的なマンションの大規模修繕の工事範囲は以下のようになります。

マンション大規模修繕の工事範囲

・外壁:下地補修工事、タイル補修・貼り替え工事、塗装工事
・屋上:防水工事(アイファルトシングル屋根:重ね葺き(カバー工法))
・共用部廊下、階段、バルコニー:防水工事
・鉄部(扉や手摺など):塗装工事
・設備:電気設備、給排水設備などの補修工事

このように、一般的にマンション大規模修繕では屋上の防水工事も工事範囲に含まれますが、各エリアそれぞれ劣化状況で工事の有無は異なります。また、屋上部に「アスファルトシングル屋根」を採用しているマンションでは、劣化状況に応じて「重ね葺き(カバー工法)」が行われます。

先程、建築基準法の定義とはニュアンスが異なると説明しましたが、一般的なマンション大規模修繕は上記工事を同時進行で行うため大規模修繕と呼ばれているだけなのです。

1-2.大規模修繕における「屋上防水工事」の必要性とは?

そこで、なぜ屋上の防水工事が必要なのか疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。
一般的な住宅は、瓦やアルミなど材質に違いはあっても傾斜があるので雨水が溜まることはなく、時間によって紫外線があたる角度が違います。

一方のマンションやビルの屋上の大半は”平面”であり、紫外線や雨風の影響を常に受け続けている状態です。また、アスファルトシングル屋根が使われている場合も同じように紫外線などの影響を受け続けています。

そのため、月日の経過とともに徐々に防水材や屋根材の劣化が進み、防水性能が弱くなれば雨漏りの原因になるとともに、雨水が浸水すれば建物を支えている鉄筋コンクリートにも影響して耐久性が低下する危険があります。

また、マンションの場合、余程の理由がない限り屋上に上がることはなく、基本的に野ざらし状態になっているのが現状です。 そこで、大規模修繕に合わせて屋上の防水材や屋根材の劣化状況を調査して、劣化や損傷が進んでいれば雨漏り防止のために防水工事を行う必要があるのです。

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2.大規模修繕に伴うアスファルトシングル屋根の「重ね葺き」とは?

大規模修繕に伴うアスファルトシングル屋根の「重ね葺き」とは?

アスファルトシングルとは、ガラス繊維材にアスファルトをコーティングしたのち、スレート砂や彩色焼成砂を圧着して製造された屋根材です。アスファルトトシングルは元々アメリカで開発された屋根材で、アメリカでは80%以上の住宅で使われています。

マンションでは、色調も様々な種類があるので屋上屋根の部分でアスファルトトシングルがよく使われています。

そのアスファルトシングル屋根材も紫外線などによる経年劣化は避けられず、メーカーによる耐用年数はおおよそ20年とされています。そこで、12周期で大規模修繕を計画しているマンションは、2回目にアスファルトシングル屋根の修繕を計画しておく必要があります。

その際、アスファルトシングル屋根の修繕で一般的に行われる工法が「重ね葺き」です。

業界では「カバー工法」と呼ばれ、既存の屋根材を撤去せずに、既存屋根の上から新たな屋根材を被せる工法になります。
構造上、屋根が二重になるので耐熱・耐久性に優れているほか、撤去の手間が不要になるので、工程やコスト的にもメリットがあります。

施工手順は施工会社で異なりますが、一般的なアスファルトシングル屋根の重ね葺き(カバー工法)は以下のような流れで行われます。

アスファルトシングル屋根 重ね葺き(カバー工法)の流れ

➀既存屋根の下地調整
➁シーラー(密着性を高める接着剤のようなもの)の塗布
➂防水シートの貼り付け
➃アスファルトシングル屋根材に接着剤塗布
➄屋根材への釘止め(勾配の低い方から順番に重なるように貼り付ける)

これで施工は完了です。

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3.大規模修繕に伴う屋上防水工事の種類と工事の流れ

大規模修繕に伴う屋上防水工事の種類と工事の流れ

マンション屋上には「防水」が施されていますが、マンションの立地環境などによって防水の種類が異なります。
一般的なマンションやビルの防水工事は大きく以下の4種類の工法が採用されています

屋上防水工事の工法

・ウレタン防水
・アスファルト防水
・シート防水
・FRP防水

もちろん、それぞれ特徴に違いがあり、建物によって使われている工法は異なります。 ここからは、4種類の防水工法について、特徴や費用単価の相場とあわせてそれぞれの工事の流れをご紹介いたします。

3-1.「ウレタン防水」の特徴と工事の流れ

ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を複数回塗布して防水層を形成する工法です。

ウレタン防水には、直接床面にウレタン防水を施工する「密着工法」と、床面とウレタン防水に間に通気マットを敷く「通気緩衝工法」という2つの工法があります。屋上防水は「通気緩衝方法」で施工を行いますが、面積の狭い廊下やバルコニーなどは主に「密着工法」で施工を行います。

このウレタン防水の耐用年数は10年~12年で、1m2あたりの施工単価は以下の通りになりますが、業者によって違いがあるので見積もりの確認は必須です。

ウレタン防水の施工単価(1m2

密着工法:3,500円~
通気緩衝工法:5,400円~

3-1-1.ウレタン防水「通気緩衝工法」の工事の流れ

防水材の内部に水分が入ると、水蒸気が発生して防水層が膨れる原因になります。その膨れを防止するために、内部の水蒸気を通気緩衝シートの中に逃がして脱気筒に送るのが「通気緩衝工法」です。

マンション屋上で行うウレタン防水「通気緩衝工法」の工事の流れをご紹介いたします。

➀下地の洗浄及び補修
最初に汚れを高圧洗浄で落としていきます。
洗浄後、下地のひび割れなどの補修や目地部分にコーキング処理をして全体を平滑していきます。

➁プライマーの塗布
下地処理が完了したら、下地との密着性を高めるためにプライマー(接着剤のようなもの)を塗布していきます。

➂通気緩衝シートの貼り付け
専用ボイドを使って、シワや空気が入らないように通気緩衝シートを全体に貼り付けていきます。

➃ウレタン樹脂の塗布(中塗り)
ローラーやコテを使ってウレタン樹脂を全体に塗布していきます。

➄ウレタン樹脂の塗布(上塗り)
先に塗ったウレタン樹脂が乾いて硬化したら、再度ウレタン樹脂を塗布していきます。
2回塗りすることで規定の塗膜厚に形成できます。

➅トップコートの塗布
ウレタン塗膜防水材は紫外線に弱い性質を持っています。
最後にウレタン樹脂が硬化したら防水を紫外線から保護するためにトップコート材を塗布していきます。

これで完了です。

ウレタン防水は他の防水工法と比べて費用が安く、施工も比較的簡単なので、多くのマンションやビルで採用されている防水工法になります。

3-2.「アスファルト防水」の特徴と工事の流れ

アスファルト防水は、ルーフィングと呼ばれる防水シートを貼り重ねていく防水工法です。
アスファルト防水にも、詳しい説明は省きますが「熱工法」、「トーチ工法」、「常温工法」という3種類の工法があり、防水工法の中で一番古くから使用され、高い信頼度があり耐用年数が長いのが特徴です。

アスファルト防水の耐用年数は10年~15年程度で、1m2あたりの施工単価は8,000円~/1m2になっていますが、もちろん業者によって単価は異なるので見積もりの確認は必須です。

3-2-1.アスファルト防水「トーチ工法」の工事の流れ

アスファルト防水のトーチ工法とは、ルーフィングをトーチバーナーで炙りながら熱融着していく工法です。

➀既存の防水層を撤去~清掃・下地調整
既存の防水層を撤去したあと高圧洗浄などで清掃を行います。 洗浄後は下地のひび割れや凸凹などの下地調整をしていきます。

➁プライマーの塗布
下地調整が完了したら、下地との密着性を高めるためにプライマー(専用の接着剤のようなもの)を塗布していきます。

➂防水シートの貼り付け
トーチ工法は防水層の裏面をバーナーで溶かしながら施工していきます。
トーチバーナーでシート裏面および下地を均一に炙り密着させながら押し広げて圧着していきます。

➃シートの重なり部と端部の処理
シートが重なる部分は、水の浸水を防止するために幅10cm程度重ねて圧着させます。
端部に関しても雨水の浸水を防ぐためにシーリング材を使って完全にシーリングしていきます。

➄仕上げ塗料の塗布
シートの貼り付けが終わったら、最後にシートを保護するための仕上げ塗料を塗布していきます。
これで完了です。

アスファルト防水は耐久性が優れているので、屋上に人が上がれるようなマンションではアスファルト防水が採用されています。

3-3.「シート防水」の特徴と工事の流れ

シート防水は、防水シートを下地に接着剤などで貼り付けていく防水工法です。 シート防水には、塩ビシート(塩化ビニル樹脂で作られたシート)とゴムシートの2種類のシートがありますが、塩ビシートの方がゴムシートよりは耐久性があると言われています。

シート防水の耐用年数は10年~15年で、1m2あたりの単価は4,000円~/1m2程度になりますが、施工業者の見積もりの確認は必須です。

3-3-1.シート防水(塩ビシート)の工事の流れ

施工方法には「密着工法」「機械式固定法」という2つの方法があり、ここでは「密着工法」の工事の流れをご紹介します。

➀下地清掃及び調整
下地を高圧洗浄機などで洗浄を行います。
洗浄後、下地のひび割れや凸凹などの補修を行います。

➁プライマーの塗布
下地処理が完了したら、下地との接着力を高めるためプライマー(接着剤のようなもの)を浸透させながら全体に均一に塗布します。

➂接着剤の塗布
プライマー塗布後は、防水シート専用の接着材を下地面とシート裏面に均一に塗布ししから適正時間乾かせます。

➃防水シートの貼り付け
防水シートにシワや空気が入らないように丁寧に貼り付けていき、ローラーなどで使ってしっかり転圧していきます。

➄シートの接合部と端末部の処理
雨水の浸水を防止するために、接合部は10cm程度重ねて貼り合わせて転圧し、端末部は押さえ金物などで固定しシーリング材でシーリングを行います。

➅仕上げ材の塗布
最後にシートを保護するための仕上げ材を塗布していきます。
これで完了です。

下地に防水シートを接着剤などで貼り付けていくだけなので、施工性がよく工期を短くしたいときに最適な防水工法になります。

3-4.「FRP防水」の特徴と工事の流れ

FRPは「Fiberglass Reinforced Plastics」の略語で、日本語に訳すと「繊維強化プラスチック」になります。
ガラス繊維などの強化材(補強材)で補強されたプラスチックを指し、強度・耐水性・成型性が優れているのが特徴です。

FRP防水の耐用年数は15年~20年程度で、1m2あたりの施工単価は9,000円~/1m2になり、他の防水工法と比べて材料が高いので最も工事費用が高くなります。

3-4-1.FRP防水の工事の流れ

FRP防水では、防水用のポリエステル樹脂とガラスマットを使い、ポリエステル樹脂の上からガラスマットを貼り、その上にポリエステル樹脂を塗布して硬化させたあと、再度ポリエステル樹脂を塗布して防水層を形成する工法になります。

FRP防水の施工手順は以下のようになります。

➀清掃及び下地調整
下地の清掃を行いひび割れなどの補修をしていきます。
また、下地の乾燥状態はFRP防水の仕上がりに大きく影響するので、しっかり乾燥しているか確認を行います。

➁プライマーの塗布
下地調整が完了したら接着力を高めるためにプライマー(接着剤のようなもの)をムラがないように塗布し、しっかり乾かせます。

➂ポリエステル樹脂塗布~ガラスマット貼り付け
プライマーが硬化したら、下地に防水用ポリエステル樹脂を塗布します。
そして、全面にガラスマットを密着させるように押し当てながら貼り付けていきます。

➃ポリエステル樹脂を浸して含ませる
貼り付けたガラスマットの上から、再度ポリエステル樹脂を塗布しガラスマットに浸して含ませていきます。

➄気泡の除去
ガラスマットと貼り付けたあと、気泡が残っていると漏水の原因になります。
それを防止するために、専用の脱泡ローラーを使ってしっかり気泡を除去していきます。

➅表面調整~溶剤拭き
研磨紙やサンダーを使ってFRP防水層の表面を均していきます。
また、防水用ポリエステル樹脂は空気に触れていると硬化しないので、パラフィンという溶剤が表面に浮き出て空気を遮断し硬化する仕組みになっています。そのパラフィンが残っている状態でトップコートを塗ると剥がれの原因になるので、専用の溶剤を使ってパラフィンを拭き取ります。

➆トップコート材の塗布
FRP防水も紫外線に弱い特性を持っています。
最後にFRP防水層を紫外線から保護するためのトップコート材を塗布していきます。

これで完了です。

FRP防水は強度・耐水性・成型性は優れていますが施工単価が高いので、特に防水性能を向上したいマンションには最適な防水工法です。

3-5. ベランダ・バルコニーの防水工事は「ウレタン防水」および「塩ビ防滑シート貼り工法」が主流

マンション大規模修繕では、屋上や屋根のほかにも各部屋のベランダ・バルコニーの床面の、防水工事も行われます。

そのベランダ・バルコニーの防水工事で現在主流になっているのが、排水溝や巾木(壁と床の境目を仕上げる見切り材)部分に「ウレタン防水」を施し、仕上げとしてウレタン防水に10cm程度重ねて防滑塩ビシートを貼っていく「塩ビ防滑シート貼り工法」です。

こちらも簡単に作業の流れをご紹介します。

ウレタン防水工事の流れ

防滑シートを貼る部分から、10cm以上余裕を持ってウレタン防水を施していきます。

  • ①下地調整および清掃
  • ②プライマー(接着剤のような塗料)の塗布
  • ③ウレタン樹脂防水材の塗布
  • ④仕上げのトップコートを塗布

塩ビ防滑シート貼工事の流れ

ウレタン防水が乾燥したら塩ビ防滑シートを貼っていきます。

  • ①下地調整および清掃
  • ②専用接着剤(エポキシ系)の塗布
  • ③塩ビ防滑シートの接着
  • ④ジョイント部(継ぎ目)の溶接
  • ⑤端部のシリコンシール処理及び仕上げ

以上、ベランダ・バルコニーの防水工事を簡単に紹介しましたが「大規模修繕に伴うベランダ・バルコニー施工時の注意点と工事内容」こちらで詳しく説明しているので、ベランダ・バルコニー工事が気になる方は合わせてご覧ください。

4. 大規模修繕の防水工事で注意するポイント

4. 大規模修繕の防水工事で注意するポイント

マンション大規模修繕に伴う防水工事の工法や工事の流れを説明してきましたが、一番注意するポイントはマンションに適した防水材を選ぶことに尽きます。

しかし防水材の選定だけでなく、防水工事の施工完了後によくあるトラブルが雨漏りです。そのため完了時の完成検査の徹底や保障期間の確認が必須になりますが、ここでは防水工事で注意しておきたい完了検査で確認するポイントやアフターフォロー体制についてご紹介します。

4-1. 完了検査で確認したい防水工事のポイント

マンション大規模修繕工事に限らずどんな工事でも、一連の工事が完了したら施工業者や監理者・施主を交えて「竣工(完成)検査」を行います。大規模修繕でも対象の工事範囲はすべて検査を行っていきますが、屋根・屋上・ベランダ・バルコニーの防水工事も当然チェックしていきます。

そこで、防水工事で必ずチェックしておきたいのが「防水層のひび割れ」の有無です。 細かい仕様や防水の施工状況は素人では見極めが難しいですが、防水工事を施工した箇所に、ひび割れがないかしっかり確認する必要があります。

大きなひび割れを見落としていれば、そこから雨水が侵入して雨漏りを引き起こす可能性があるので、特に端部や脱気筒の周囲などにひび割れが発生していないか、しっかり確認を行いましょう。

4-2. 防水工事の保証期間や施工業者のアフターフォロー体制の確認は必須

大規模修繕が完了すれば、施工業者と引き渡し書類の交付を行いますが、防水工事の保証書が含まれているか確認します。 そして、その保証書の中で特に保証期間はしっかり確認する必要があります。

保証期間内に雨漏りが発生したときは、施工業者は瑕疵工事として無償で補修を行いますが、保証期間を過ぎれば、マンション側で補修工事を行わなければなりません。

基本的に、防水工事の保証期間は施工業者や防水材の種類によって異なりますが、一般的な保証期間は以下の通りになります。

防水工事の一般的な保証期間

  • 屋上防水:7年間~10年間
  • ベランダ・バルコニー:3年間~5年間

大規模修繕に伴って防水工事を施工した箇所すべてに対して保証書が交付されるので、まずは保証期間を確認して、不明な点は納得できる回答を得るようにしましょう。

また、屋上から保証期間内に漏水したときは、すぐに施工業者に連絡して補修を依頼しなければなりませんが、アフターフォロー体制の確認も忘れずに行います。漏水した際どこに連絡したらいいのか分からないのでは、保証書を交わした意味がないので、緊急時の連絡先などの確認は確実に行いましょう。

5.まとめ

マンション大規模修繕で欠かせない工事の一つが屋根・屋上・ベランダ・バルコニーの防水工事です。

屋上は、外壁よりも紫外線や雨風の影響を受けているエリアであり、築年数が長いマンションでは防水層の劣化は避けられません。

防水性能が弱くなれば雨漏りが発生して、居住者の生活に支障を与えるだけでなく、水が浸水すれば建物を支えている構造体にも影響して、耐久性が低下する危険があります。

そこで大規模修繕では、屋根・屋上・ベランダ・バルコニーの防水工事が欠かせない工事の一つとなり、ご紹介した4種類の防水工法のいずれかの工法で、防水工事を行う必要があるのです。

その防水工事を施工するにあたって一番注意したいポイントが、マンションに適した防水材を選ぶことに尽きますが、防水工事の施工が完了したあとのチェックと、保証期間の確認も確実に行いましょう。

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