人間関係トラブル!修繕委員会と理事会の関係を保つコツ
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.13】
一般的なマンションでは「長期修繕計画」の中でおおむね12年周期で大規模修繕が計画されます。
そこで、大規模修繕の時期が近くなると立ち上げられるのが「修繕委員会」です。
また、マンションでは管理組合の中で理事会が結成されますが、この理事会と修繕委員会の間で人間関係のトラブルが発生することがあります。
同じマンションの住人同士なので喧嘩にまで発展する訳ではないものの、意見の相違による揉め事が起こることがあるのです。
そこで今回は、マンション大規模修繕で立ち上げられる修繕委員会と管理組合の理事会との間での人間関係トラブルをなくすためのポイントをご紹介していきます。
このページの目次
1.大規模修繕の修繕委員会とは?立ち上げるメリット
大規模修繕は建物に生じた経年劣化や損傷を修繕する工事です。
先程も説明した通り一般的に12年周期で計画され、その時期が近くなると立ち上げられるのが「修繕委員会」です。
修繕委員会とは、主にマンションの居住者で組織される大規模修繕工事を計画通りに進めるための専門の委員会になります。
一般的に5~10人程度の委員で構成されます。構成する委員も公平を期すために幅広い年代から選出するのが理想ですが、委員の決め方に決まりはありません。
修繕委員会の立ち上げる一番の目的は大規模修繕を計画通りに進めることに尽きますが、ほかの居住者との連絡調整役も担うので人間関係でトラブルが発生しないようにするなど重要な役割もあります。
1-1.修繕委員会を立ち上げメリット
大規模修繕は12年周期で行われるマンションの一大行事であり、準備から完成まで2年~3年程度の時間を要します。
後で説明しますが、一般的なマンションでは管理組合がありその中で理事会が組織されます。
通常管理組合の理事になる委員の任期は1年~2年程度なので、大規模修繕計画を進める途中で変わってしまう可能性があります。
そこで、修繕委員会が理事会の代わりに大規模修繕のまとめ役として役割を果たすことで、大規模修繕の計画から完成まで継続して工事に携わることができます。
準備から完成の間で委員の方がコロコロ変わっては問題が発生したとき対応できなくなる恐れがあります。つまり、修繕委員会を立ち上げる一番のメリットは大規模修繕を最初から最後まで同じ委員が携われることです。
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2.理事会との人間関係トラブルをなくすポイント
先程から説明している通り、マンションには管理組合があり、その中で理事会が組織されます。
そこで、この理事会と修繕委員会が対立して人間関係のトラブルが発生しているマンションは多いのです。
この人間関係のトラブルを解消するポイントとして、修繕委員会は理事会の「諮問機関」ということを意識しなければなりません。
諮問(しもん)は「有識者などに意見を求めること」を意味しています。行政などでは、学識経験者などが審議・調査を行い、意見を答申する機関が諮問機関になります。
そこで、マンションでの修繕委員会は管理組合理事会の業務の中で、大規模修繕に関する専門的な調査および調整を行いながら、理事会の意思決定をサポートする立場だということを認識する必要があります。
つまり、修繕委員会の運営にあたっては、理事会の役員に修繕委員会の会合に参加してもらうなど、理事会との関係を維持しながら協力して大規模修繕を進めていくことが重要だということです。
3.まとめ
マンション大規模修繕では一般的に修繕委員会が立ち上げられます。
修繕委員会は、主にマンションの居住者で組織される大規模修繕を計画通りに進めるための専門の委員会で、マンション内の連絡調整役としての役割を持っています。また、マンションには管理組合も理事会も組織されますが、修繕委員会と対立して人間関係のトラブルが発生しているマンションは多いといいます。
その人間関係のトラブルを解消するためには、修繕委員会は理事会の諮問機関として、大規模修繕の調整を行いつつ理事会との関係を維持しながら協力して大規模修繕を進める必要があります。
人間関係がギクシャクすると思いもしないトラブルが発生することがあるので、お互いが協力し合うことが大切ではないでしょうか。