マンション大規模修繕の2回目は1回目よりも規模が大きくなる!

マンション大規模修繕の2回目は1回目よりも規模が大きくなる!

マンション大規模修繕は1回目よりも2回目の方が大変!

どんな建物も月日の経過に伴う経年劣化は避けられず、築年数に応じて修繕が必要になりますが、多くの分譲・賃貸マンションで実施するのが「大規模修繕工事」です。

その大規模修繕工事は1回実施すれば良いというワケではありません。1回目以降も2回目・3回目と回を重ねていかなければなりませんが、2回目の大規模修繕工事は1回目よりも規模が大きくなります。

これから2回目の大規模修繕を計画するマンションでは、1回目との違いを認識して計画を進める必要があります。
そこでこの記事では、2回目の大規模修繕工事を実施するときのポイントをご紹介します。これから大規模修繕を計画されるマンションの関係者の方は是非参考にご覧ください。

このページの目次

1. マンション大規模修繕は1回目よりも2回目の方が大変!

2回目のマンション大規模修繕の工事範囲および費用相場

マンションなどの建物は、月日の経過に伴う経年劣化は避けられません。
そこで、マンション居住者の生活水準の向上や、資産価値の維持向上を図るために実施するのが大規模修繕工事であり、1回目・2回目・3回目と築年数に応じて回を重ねていきます。

一般的なマンション大規模修繕は主に、外壁や屋上・共用廊下・階段といった共用部分が工事範囲になり、個人の専有部分は工事範囲に含まれません。

1-1.マンション大規模修繕は「12年周期」!2回目は築20年以上経過

マンション大規模修繕では共用部分に発生する、劣化や不具合の修繕工事を中心に実施しますが、実施する周期として一般的に「12年周期」といわれています。絶対に12年周期で実施しなければならないワケではありませんが、多くのマンションでは12年前後の10年~15年周期で大規模修繕が行われています。

そこで、12年周期で大規模修繕工事を計画しているマンションでの周期サイクルは、以下の通りになります。

マンション大規模修繕の12年周期サイクル

・1回目の大規模修繕:築12年目
・2回目の大規模修繕:築24年目
・3回目の大規模修繕:築36年目

このようなサイクルで大規模修繕を行う場合、2回目の大規模修繕を実施するときは単純に、マンションが建設されてから24年が経過していることになります。

1-2. 2回目のマンション大規模修繕は工事内容が1回目よりも増える

2回目の大規模修繕は説明した通り、マンションが建設されてから20年以上が経過していることから、1回目の大規模修繕よりも規模が大きくなる特徴があります。当然、3回目になれば更に規模は大きくなります。

それは、1回目の大規模修繕工事の時点で、劣化や不具合が発生していなかった箇所も、築20年以上経過した2回目の大規模修繕を実施する頃には、劣化や不具合が発生してくるからです。

そこで、1回目よりも劣化や不具合が発生している箇所が増えれば、必然的に2回目は、1回目よりも修繕工事が必要な箇所が増加するため、結果として大規模修繕工事全体の規模が大きくなるのです。当然、規模が大きくなれば工事に関わる費用も1回目よりも2回目の方が高くなり、3回目の大規模修繕では更に工事費用は高くなります。

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2. 2回目のマンション大規模修繕の工事範囲および費用相場

2回目のマンション大規模修繕を実施するときのポイント

2回目の大規模修繕は1回目よりも規模が大きくなりますが、実際に2回目の大規模修繕を実施するときの工事範囲や費用相場が、分からない方が多いのではないでしょうか?

そこでこの項では、2回目のマンション大規模修繕工事での、一般的な工事範囲と費用相場をご紹介いたします。

2-1. 2回目の大規模修繕で行う一般的な工事範囲

マンション大規模修繕は、共用部分に発生する劣化や不具合の修繕工事を行いますが、一般的な工事範囲は以下の通りになります。

マンション大規模修繕の一般的な工事範囲

・外壁:下地コンクリート補修工事・タイル補修および貼り替え工事・塗装工事など
・屋上:防水工事
・共用部廊下・階段・ベランダ・バルコニー:床面防水工事および壁面・軒天塗装工事
・鉄部:錆(さび)部や塗装剥離部の塗装工事
・設備関係:電気・給排水・消防などの設備関係の補修および更新工事
・外構:外構施設(舗装・フェンスなど)の補修工事

以上が主な工事範囲になり、12年周期で大規模修繕を実施するマンションの場合、1回目の大規模修繕では全体的な補修程度で済む箇所がほとんどですが、2回目の大規模修繕工事では取替え、および修繕が必要な箇所が増えてきます。

マンション部位別の修繕目安は「マンション大規模修繕の時期とは?目安や周期サイクルを簡単解説」こちらで詳しく説明していますが、2回目の大規模修繕工事では主に、以下の箇所の取替えや修繕が必要になると考えられます。

2回目の大規模修繕工事で取替えおよび修繕が必要な箇所

・屋上防水(屋上・塔屋・ルーフバルコニー)の撤去・新設
・傾斜屋根の撤去・葺き替え
・金物類(集合郵便受け・掲示板・宅配ロッカーなど)の取替え
・エレベーターのリニューアル
・設備関係(給排水設備など)の修繕

2回目の大規模修繕では、1回目と同じように建物全体の補修を行うとともに、上記の取替えおよび修繕工事が増えてくると考えられます。

2-2. 2回目の大規模修繕の費用相場

マンション大規模修繕に関わる費用は、マンションの規模や劣化状況などによって異なりますが、1回目の大規模修繕工事の費用相場は一般的に「一戸あたり75万円~100万円」といわれています。

問題の2回目の大規模修繕工事の費用相場については、上記で説明した通り1回目よりも工事範囲が増えるため、一般的に目安として2割程度高くなり「一戸あたり90万円~120万円」といわれています。

そこで、分かりやすい例として小規模マンション30戸、中規模マンション60戸、大規模マンション100戸で、1回目と2回目の工事費用を算出すると以下のようになります。

小規模マンション30戸の場合

回数一戸あたり目安大規模修繕費用
1回目75万円~100万円2,250万円~3,000万円
2回目90万円~120万円2,700万円~3,600万円

中規模マンション60戸の場合

回数一戸あたり目安大規模修繕費用
1回目75万円~100万円4,500万円~6,000万円
2回目90万円~120万円5,400万円~7,200万円

大規模マンション100戸の場合

回数一戸あたり目安大規模修繕費用
1回目75万円~100万円7,500万円~10,000万円
2回目90万円~120万円9,000万円~12,000万円

以上はあくまで目安になるので、実際に施工業者からの見積もりがなければ正確な数字は把握できませんが、1回目の大規模修繕より2回目の方が工事費は高くなることはしっかり認識しておきましょう。

3. 2回目のマンション大規模修繕を実施するときのポイント

まとめ

ここまで2回目の大規模修繕工事は、1回目よりも工事範囲や工事費用が増えると説明しましたが、この項では2回目の大規模修繕工事を計画するとき、どんなポイントに注意していればいいのかご説明いたします。

基本的なポイントは1回目とほとんど変わりませんが、工事範囲が増えることを考慮した計画が重要になります。

3-1. 長期修繕計画は2回目の大規模修繕を見据えた適切な予算計画および見直しが重要

分譲マンションでは、一般的に「長期修繕計画」の中で定期的な修繕工事とともに、大規模修繕工事が計画されますが、2回目の大規模修繕を見据えて、適切に予算計画を立てておくことが重要になります。

具体的には、2回目の大規模修繕は1回目よりも工事費用が高くなることを考慮して、1回目の大規模修繕ではできるだけ予算を抑え、2回目の大規模修繕に備えて、修繕積立金が残せるような計画を立てておくことが重要だといえます。

また、1回目の大規模修繕を実施すれば、何に注意すればいいのか把握できるようになるので、その教訓を活かして長期修繕計画の見直しを図るようにしましょう。

3-2. 工事の必要性と優先順位を見極める

2回目の大規模修繕は1回目よりも工事内容が増えるため、すべての工事を実施しようとすれば修繕積立金が不足する可能性があります。

そこで重要になるのが、工事の必要性の見極めです。
大規模修繕の実施にあたっては、事前に建物劣化診断を実施するので、コンサルタントの助言を仰ぎながら工事の必要性や優先順位を決めて、先送りできる工事がないかの見極めが重要になります。

その際、修繕が必要な箇所まで先送りしてしまうと、建物自体の劣化が進行してしまう危険があるので、工事の必要性や優先順位はしっかり見極めましょう。

3-3. デザイン性を上げて資産価値の向上を図る

2回目の大規模修繕工事を実施する時点で、マンションが建設されてから20年以上経過していることから、新築マンションと比較すると当然、デザイン性は古く感じてしまいます。

20年以上経過すれば、マンション自体のデザイン性は新築マンションと比較できませんが、外壁タイルの色やデザインを変えたり、壁面の塗装色を変えたりなど、デザイン性を考慮した修繕計画も含める必要があります。

大規模修繕工事の実施で、建物の耐久性とともにデザイン性も上がれば、資産価値の向上に繋がり、結果としてマンション自体の寿命を延ばすことができます。

3-4. マンション居住者のニーズを考慮して共用部分のグレードアップを図る

築20年を経過したマンションでの2回目の大規模修繕工事では、劣化や不具合の修繕だけでなく、マンション居住者のニーズを考慮したグレードアップ工事も重要になります。

2回目以降のマンション大規模修繕では、劣化や不具合の修繕とともに、その時点での居住者ニーズを考慮してマンション性能をグレードアップする「バリアフリー化」も検討する必要があります。

高齢化社会となった現代において、共用部分をグレードアップするバリアフリー化が求められます。
実施することで居住者が快適に生活できるようになるのはもちろん、訪問者に対して優しいマンションとして認識されれば、資産価値の向上に繋がっていく可能性があります。

4. まとめ

今回は2回目の大規模修繕工事についてご紹介しましたが、1回目の大規模修繕工事よりも工事内容や工事費用は増えます。

1回目の大規模修繕工事のタイミングで劣化が発生していなかった箇所も、築20年以上経過した2回目の大規模修繕を実施するタイミングでは、劣化や不具合が表れていきます。そのため、工事費用も1回目よりも2回目の方が増えてしまうのです。

そこで、2回目の大規模修繕の計画にあたっては、工事の必要性や優先順位の見極めが重要になるとともに、デザイン制や生活水準が向上するような工事を含めた計画が必要になります。

ただし、ここまでご紹介した内容はあくまで一般例なので、まずはお住まいのマンションの劣化状況や居住者のニーズはしっかり確認するようにしましょう。

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