作業掲示板は誰が見ても分かるようにしてもらいましょう!
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.32】
大規模修繕工事はマンション敷地内すべてが工事範囲になり、日によって作業内容が異なります。
そこで、施工会社で設置するのが「作業掲示板」です。
スペースに余裕があればエントランスホール内に設置されますが、通常は外部の目立つ場所に設置されます。
この作業掲示板にはその日の作業内容や居住者に対するお知らせなどを掲示します。
しかし、設置してあるけど「作業掲示板が見にくくて分かり辛い!」というマンションもあるのではないでしょうか?
掲示板なので、誰が見ても分かるように役に立つ情報を掲示してもらわなければ設置する意味がなくなってしまいます。
ということで今回は、見やすくて役立つ作業掲示板にするポイントをご紹介していきます。
このページの目次
1.大規模修繕の「作業掲示板」を見やすくて分かりやすくするポイント
マンションで大規模修繕を実施するとき、施工会社は居住者を対象にした「工事説明会」を着工前に開催します。
その説明会の中で、工事の進め方や注意点などの説明はありますが、それ以降は何もありません。
そこで、工事の進捗状況や居住者の方への連絡事項をお知らせする目的で設置されるのが「作業掲示板」です。
「工事用掲示板」、「連絡用掲示板」など呼び方は様々ですが、マンション大規模修繕では必ず設置されます。
設置場所は、通常はエントランスホールに設置しますが、スペースに余裕がないときは敷地内の雨が当たらない目立つスペースに設置します。
その掲示板の作り方は施工会社によって違いますが、中には「見にくくて分かり辛い」掲示板を設置されるケースが多々あるのです。このような見にくい掲示板が設置されているときは、施工会社に改善を要求して「見やすくて誰が見ても分かる」掲示板にしてもらう必要があります。
一般的な作業掲示板には、「本日の作業」、「明日の作業」、「週間工程表」、「居住者へのお知らせ」といった内容が明記もしくは掲示されます。
しかし、作業内容を知らせるだけの掲示板が設置されても、専門的な知識がない方が見ても何のことだか分からないほか、誰も見ようとしないでしょう。つまり、作業掲示板には居住者が知りたい情報が何なのか理解したうえで、有益な情報を見やすく掲示してもらう必要があるのです。
居住者の方が一番知りたい情報は「洗濯物がベランダに干せるのか?」ではないでしょうか。そこで、「洗濯物情報」として別枠で作成しておくことで、居住者の方も注意して見てくれるようになります。
このことを踏まえて、作業掲示板を見やすくて分かりやすくするポイントを紹介していきます。
1-1.作業掲示板を見やすくて分かりやすくするポイント
作業掲示板は、設置できる場所によって使う材料は様々ですが、一般的にホワイトボードが使われます。
そのホワイトボードを作業掲示板として利用する場合、ただ「本日の作業」「明日の作業」「週間工程表」などを貼っておけばいいという訳ではなく、お知らせする情報は明確に区分して、誰が見ても分かるように掲示してもらうのが一番のポイントになります。
主に以下のような情報を、2個程度のホワイトボードに明確に分けて、見出しをつけて掲示してもらいます。
- ・工事情報:今日の作業・明日の作業・週間工程表・工事の進捗状況
- ・工事のお知らせ:「停電作業」や「騒音・振動・臭いが発生する作業」など
- ・洗濯物情報:「洗濯物が干せる日・干せない日」をフロア別に表示
- ・仕上がり色見本:別に机を用意して、外壁などの塗装に使う塗料や、タイルの色見本を置いておく
- ・居住者アンケート:投稿箱を用意して、居住者が困っていることなど書いてもらい、投稿してもらう
- ・緊急連絡先:施工業者の緊急連絡先のほか、最寄りの警察署・消防署・病院などの電話番号
これだけの情報が掲示されていれば、居住者も現時点でどんな工事が行われているのか、理解してもらえるようになります。 また、上記の情報の中でも「洗濯物情報」は正確に伝えてもらう必要があります。
大規模修繕の工事期間中は、ベランダに洗濯物が干せない日が多くあり、小さなお子様がいる家庭などに負担をかけてしまいます。そこで、作業掲示板の洗濯物情報として、マンションの平面図を使って一週間単位で、エリアごとに洗濯物が干せる日と干せない日を正確に明記してもらいます。
以上のように、作業掲示板はスペースの関係で掲示できる情報が少なくなることはありますが、見やすくする一番のポイントは、情報を明確に分けてもらうことです。たまに色々な情報が混ざったような作業掲示板を見かけますが、そんなときは施工業者に情報を明確に分けてもらうほか、管理組合を通して掲示して欲しい情報を提案するようにしましょう。
1-2. モニターを利用した大規模修繕専用の「インターネット掲示板」の活用もおすすめ
ここまでアナログ的なホワイトボードを活用した作業掲示板の説明をしてきましたが、最近の大規模修繕では「電子掲示板」を使って、工事に関する情報を発信しているケースが多くなっています。
電子掲示板はイメージ通り、専用テレビモニターに情報を表示する掲示板になり、上記でご紹介した様々な情報をモニター上に表示することができます。
大規模修繕工事を見える化する情報端末「PRETTO」(販売:ワーコン)は、タッチパネルでより詳細な情報が発信できるようになり、居住者も工事の進行状況や洗濯物情報が、気軽に確認できるようになっている優れものです。
またインターネットを活用して、大規模修繕工事用のインターネット掲示板を開設するケースも増えており、居住者は専用パスワードを入力することで、工事に関する情報や洗濯物情報などがいつでも気軽に確認できるようになります。
このように、作業掲示板も時代の流れとともにアナログからデジタルに変化しており、工事に関する最新の情報が簡単かつ分かりやすく把握できるようになっているのです。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
- 優良コンサルタントや施工会社を無料紹介している
- 専門相談員による無料相談ができる
- 大規模修繕工事についての情報を集約している
大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.まとめ
マンションの大規模修繕では施工会社が「作業掲示板」を設置しますが、見にくいときは改善を要求しましょう。
大規模修繕は、居住者の方が普段の生活をしている中で行われる工事なので、作業掲示板が情報の発信源として重要な役割を果たします。また最近では、電子掲示板が使われるケースが多くなっており、最新の情報が発信できるようになっています。
電子掲示板を活用すれば、様々な情報がいち早く発信できるようになりますが、ホワイトボードを使った作業掲示板でも、発信する情報を明確に分けてもらい、見やすい作業掲示板を作ってもらいましょう。