電気設備は少しの工事でも配線図を作成してもらいましょう!
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.30】
マンション大規模修繕は主に建物の修繕を行いますが、劣化状況によって電気設備の改修も行われます。
その電気設備で、配線が関係する工事を行うときは小さい工事でも施工会社に「配線図」を作成してもらいましょう。
それは、工事が完了したあと照明器具に何らかの不具合が発生したとき、配線図を作成していないとどの配線に問題があるのか分からなくなってしまうからです。
ということで今回は、大規模修繕で電気設備の配線に関わるトラブル事例と配線図を作成する重要性についてお話していきます。
このページの目次
1.大規模修繕の電気配線トラブルと配線図を作成する重要性
大規模修繕工事は、住環境と資産価値の維持・向上のために行われるマンションの一大イベントです。
主に外部の外壁や屋上、内部の床、壁、天井など建物に生じた劣化や損傷の修繕を行いますが、電気や給水管、ガスといった設備関係も劣化状況に合わせて改修を行います。
その設備工事の中でも身近な電気設備で「配線」が関係する工事を行うときは、どんな小さな工事でも施工会社に「配線図」の作成を依頼しましょう。
配線図がない状態で行き当たりばったりで工事をしてしまうと、工事が終わったあと照明器具などに不具合が発生したとき、どの配線に問題があるのか分からず、一から配線が必要になるなど手間と時間がかかってしまいます。
ここからは、実際に発生した配線に関係するトラブル事例をご紹介して、配線図を作成する重要性についてお話していきます。
1-1.電気設備の配線に関わるトラブル
某マンションで行われた大規模修繕で発生した電気配線のトラブル事例です。
そのマンションでは大規模修繕が終わったあと非常階段の天井灯にトラブルが続いていたとのこと。
その対策として、マンション側で被覆用のチューブを入手し、ブレーカーを落として天井灯の再取付けを行っていたところ、作業をお願いしている作業員の方から「感電する」と訴えてきました。ブレーカーを落として天井灯が消えているのを確認後に作業しているのに、電気配線に触れると感電してしまうというものでした。
感電する原因を調査してもらったところ、今回の大規模修繕で夜間照明用のタイマーを設置するときに配線に不備があることが判明。照明用の配線が行きと帰りで違うブレーカーに結線されているのが原因になっていました。
そこで、どの配線に問題があるのか配線図を確認しようとしたとき、配線図を作成していないことが判明したのです。
施工会社の現場責任者に問い合せてみると、タイマーが動作するように電気工事業者が試行錯誤して配線を調整したとのことでした。
結局、どこに問題があるのか分からず、正しい配線図を作成してから配線をやり直すことになったというトラブル事例です。
電気配線は複雑なので、配線図を基に配線を行うことで適切な施工ができます。
しかし、配線図もなく行き当たりばったりで配線を調整してしまうと、最終的にどのように配線されたのか分からなくなってしまいます。
1-1-1.施工説明書通り施工してもらい、施工説明書を基にチェックする
電気工事の配線に限らず、熟練した作業員の方は自分の経験を元に作業をしてしまう傾向があります。
しかし、今回紹介した事例の通り、行き当たりばったりで工事を施工してしまうと、不具合が発生したときどこに原因があるのか分からなくなる可能性があります。
特に電気配線は複雑なので、どんな小さな工事でも配線図を作成しておくことが重要になります。
配線図があれば、不具合が発生したときどの配線に問題があるのか発見しやすくなるので、大規模修繕で電気配線に関わる工事を行うときは、配線図の作成依頼は忘れずに行いましょう。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
- 優良コンサルタントや施工会社を無料紹介している
- 専門相談員による無料相談ができる
- 大規模修繕工事についての情報を集約している
大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.まとめ
マンション大規模修繕は建物の修繕のほかにも電気設備などの改修も行われます。
そこで、電気配線に関係する工事を行うときには、施工会社に配線図の作成を依頼しましょう。
電気配線は複雑なので、改修するとき配線図を用意せずに行き当たりばったりで施工してしまうと、何か不具合が発生したとき原因が分からなくなってしまいます。
どの工事にも当てはまりますが、事前の準備はしっかり行うことが大切です。