工事写真を定点観測で残す!不具合トラブルの予防対策!
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.20】
マンション大規模修繕にはトラブルはつきものですが、厄介なのが完成したあと発生する不具合です。
工事が終わった直後は当然見た目がキレイなので不具合などないように誰でも感じるでしょう。
しかし、完成後しばらく経ってから不具合や施工不良が発見されるケースがあるのです。
そこで、完成後に発生する不具合によるトラブルを防止するためにマンション側で行いたい対策が、工事中の写真を定点観測で残しておくというものです。完成後に不具合が発生したとき工事中の記録写真を残していれば、不具合が発生した原因をさかのぼって調べることができます。
ここからは、大規模修繕の完成後の不具合によるトラブルを予防するための工事記録写真を定点観測で残す方法をご紹介します。
このページの目次
1. 工事写真を定点観測で残す方法!写真は決定的な記録
2. まとめ
1.工事写真を定点観測で残す方法!写真は決定的な記録
大規模修繕は一般的に12~15年周期で実施されるマンション最大のイベントです。
実施する目的は、居住者の快適な生活の実現や資産価値の維持・向上のためであり、工事範囲は以下のようにマンション全体におよびます。
マンション大規模修繕の工事範囲
・外壁:タイル補修・貼替工事、塗装工事
・屋上:防水工事
・共用部分の廊下、階段、各家庭のバルコニー:防水工事
・鉄部:サビや塗装剥離部の塗装工事
・設備:電気設備、給排水設備、ガス設備など
・外構施設:駐車場、駐輪場など
マンションによって工事範囲はもちろん違いますが、一般的にこのような工事が行われ、完成した直後は見た目もキレイで機能的にも問題はありません。しかし、完成してしばらくしてから何かしらの不具合が発生することがあるのです。
そこで、不具合が発生したときの原因究明で効果的なのが、工事中の写真を定点観測で記録として残しておくことです。
文章ではなく写真として残っていれば決定的な記録になります。
1-1.工事写真を定点観測で残す方法!
大規模修繕はおよそ12年に1度実施される工事ですが、マンション側でできる唯一のトラブル予防策が工事写真を定点観測で記録に残すことです。
しかし、ただ工事写真を撮影するといっても、建築知識がない方は何をどのように撮影すればいいのか分からないと思います。
そこで、工事写真を定点観測で撮影するときは以下のポイントに注意しましょう。
工事写真を定点観測で撮影するポイント
➀定点観測なので常に同じアングルで撮影する
➁工事部分の写真を撮影する前に部屋番号を撮影しておく
➂1日のうち時間をわけて数回撮影する
➃同じアングル同じ時間で2枚撮影しておく
➀と②は一般的な撮影ポイントです。➂については、工事を行うとき一般的に1つの工程に対して約1時間程度で完了するものが大半なので、時間を分けて数回写真を撮影することでより原因が究明しやすくなります。➃に関しては「写真の写り方でたまたま見えた」と疑われることもあるので、同じ写真を2枚撮影しておくことで信憑性が増します。
ただし、このような工事写真を定点観測できるのは内部の工事に限られます。
外壁は足場上で工事が行われますが、作業員以外は基本的に足場に登れません。屋上に関しても危険が伴うので作業員以外の立ち入りは禁止されます。
また、施工会社側では1つの工程に対して、工事前、工事中、工事後の記録写真を当然撮影していきます。工事中に関しては、黒板に日時とどんな工事をしているか記入して記録写真を撮影しています。
そして、完成後は工事記録写真としてマンション側にすべて引き渡されます。
つまり、ご紹介したマンション側で行う工事写真による定点観測はあくまで予備的な予防対策として行うものとして認識しておきましょう。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
- 優良コンサルタントや施工会社を無料紹介している
- 専門相談員による無料相談ができる
- 大規模修繕工事についての情報を集約している
大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.まとめ
マンション大規模修繕にトラブルはつきものですが、工事が完了したあとも不具合の発生などのトラブルが発生しています。
そこで、マンション側でできる唯一の予防対策が、工事写真を定点観測で記録に残すというものです。
定点観測なので、同一アングルで写真を撮影するのはもちろん、時間を分けて数回撮影することがポイントになります。
このような記録写真を撮影していれば、何らかのトラブルが発生したとき原因究明がしやすくなります。
ただし、最後に説明した通りあくまで予備的な予防対策として行うものなので、無理のないようにできる範囲で行いましょう。