共用部分のトラブル!個人で勝手に工事できない!
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.7】
マンションには「共用部分」と「専有部分」があるのは誰でも知っていると思いますが、その共用部分と専有部分の境目をしっかり理解しているのでしょうか?
マンションで一般的に12年周期に実施する大規模修繕は主に「共用部分」に発生した損傷や不具合の修繕・改修を行います。
そこで、マンションでよくあるトラブルが共用部分に対して個人で勝手にリフォームを行ってしまうというものです。
マンションにお住まいの方でも共用部分と専有部分の境目を正確に答えられる方は意外に少なく、知らずに工事をしてしまうケースがあります。ということで今回は、マンションの共用部分と専有部分の違いと共用部分のトラブルについてお話していきます。
このページの目次
1. マンションの共用部分と専有部分を正しく理解しておこう!
2. 共用部分は大規模修繕以外に個人で勝手に工事できない!
3. まとめ
1.マンションの共用部分と専有部分を正しく理解しておこう!
分譲マンションを購入するとき、「ここまでが専有部分で、ここからは共用部分です。」など教えてくれないので、住んでいる方でも違いが分からないのではないでしょうか。
まず専有部分から説明すると、専有部分は購入したマンションの住戸部分を指します。専有部分は購入者の所有物になり、部屋の扉やクロスは専有部分になります。
次に「共用部分」は、すべての居住者が共用で利用するエリアを指します。
建物の外壁、屋上、エントランスホール、廊下、階段、エレベーター、共同郵便受け、PS(パイプシャフト)、配管などが共用部分になります。
分かりやすく言えば専有部分以外はすべて共用部分になりますが、マンションには専有部分と共用部分の中間的な以下のようなグレーソーンがあるのです。
マンションの専有部分と共用部分のグレーゾーン
・玄関ドア
・バルコニー(ルーフバルコニー)
・戸境壁
・専用庭
・窓ガラス
・サッシの窓枠
・目隠しルーバー
・給水管、電気の配線 など
以上のグレーゾーンは専有部分と共用部分の中間的な存在であり、一般的に「個人使用が認められている共用部」として認識されています。
このように、マンションの専有部分と共用部分といっても判断が難しい部分があるので、分からないときは管理組合に確認する必要があります。
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2.共用部分は大規模修繕以外に個人で勝手に工事できない!
マンションの共用部分と専有部分の違いと、グレーゾーンは理解できたでしょうか?
そこで、共用部分の廊下や階段を個人でリフォームする方はいないと思いますが、グレーゾーンの例えば玄関扉やサッシの窓枠などを勝手に取替るのは基本的にNGです。
玄関扉やサッシの窓枠は専有部分に隣接しているので、各家庭の専有のものとして勘違いされやすいですが、個人で勝手に工事はできません。個人が自由にリフォームできるのはあくまで住戸部分のみとなり、部屋の扉やクロスの変更など簡単なインテリア変更ならできます。
万一共用部分に対して個人が勝手にリフォームした場合、マンションの管理規約によって原状回復が求められる可能性があります。当然、その原状回復費用は工事をした個人で支払うようになるため、無駄な出費が増えてしまいます。
共用部分の劣化や不具合は基本的に12年周期で行われる大規模修繕工事で行われるので、先程ご紹介したグレーゾーンで不具合が発生したときは、まずは管理組合に確認することが重要です。
3.まとめ
マンションには共用部分と専有部分があると同時に、判断が難しい「個人使用が認められている共用部分」が存在します。
専有部分は購入した住戸部分を指し簡単なインテアリ変更程度は行えますが、「個人使用が認められている共用部分」を勝手に工事するのはNGです。
マンションによって内装の設計は異なるので、判断が難しいときは必ず管理組合に確認するようにしましょう。