「店舗」とのトラブルを防ぐためには話し合いが重要!
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.40】
1階部分が店舗、いわゆるテナントになっているマンションでは、大規模修繕工事のとき何かと面倒だと言われています。 特に賃貸物件に関しては、共用部分の工事に対してマンション側と店舗側で折り合いがつかずトラブルになるケースが多く、困っているマンションは意外に多いのです。
分譲マンションや賃貸マンションでの大規模修繕は、建物の安全性や資産価値の維持・向上のためには必要不可欠な工事なので、その点を入居している店舗側に理解してもらわなければなりません。
ということで今回は、マンション大規模修繕に伴う「店舗」とのトラブルについてお話していきます。
このページの目次
1.大規模修繕のとき店舗とのトラブルを防ぐには話し合いが重要!
分譲や賃貸のマンションでは、一般的な12年~15年周期で大規模修繕工事を行っています。
分譲マンションでは長期修繕計画の中で計画され、毎月居住者が納付する修繕積立金を積み立てて、その費用で定期的な修繕と大規模修繕が実施されます。一方の賃貸マンションは、入居者の居室以外の共用部分の維持管理はオーナーの義務として行わなければなりません。
そこで、1階部分のテナントに店舗が入居しているマンションでは、大規模修繕に伴って何かとトラブルが発生するケースがあります。大規模修繕工事は主に共用部分の工事を行いますが、外壁や外構施設(植栽、塀、側溝など)のようなマンションと店舗に共通する部分に関して双方の思惑が一致しないことがあるのです。
1-1.店舗とのトラブルを防ぐには話し合いが重要
分譲マンションは修繕計画が作成され、計画に沿って大規模修繕工事が進められるため、修繕積立金の不足などのトラブルは発生していますが、工事の是非に関するトラブルはほとんどありません。
問題は賃貸マンションにあり、特にセキュリティ面に関して強化したいマンション側に対して、不特定多数の人に来店してほしい店舗側では根本的に利害関係が異なるので、意見が一致しないケースが多いといいます。
また、店舗の看板の脱着に関するトラブルも多く、移動できるタイプの看板なら問題は一切ありませんが、壁面に設置している看板は大規模修繕に伴う外壁改修の邪魔になるので、一時撤去してもらう必要があります。
外壁はマンションの共用部分になるので、看板を設置した店舗側で脱着費用を負担しなければなりませんが、この脱着費用や代替え看板に絡んだトラブルが発生するケースが比較的多いのです。
賃貸マンションは、先程も説明した通りオーナーは建物の機能や居住者の安全を確保するための修繕が法令で義務付けられているので、定期的な修繕とともに12~15年周期で大規模修繕工事を実施します。
そこで、このようなオーナーが行う建物の修繕のような保全活動を入居者は拒むことはできません。
どんな建物でも10年以上の月日が経過すれば各所に劣化や損傷、不具合など老朽化してくるものです。オーナーは老朽化によって入居者に危険がおよばないように修繕が義務付けられているので、入居者もその点は理解したうえで協力する必要があります。
もちろん、店舗側の言い分も決して間違っている訳ではないので、まずはオーナーおよび管理会社の担当者と店舗側の責任者が話し合いの場を設けて、大規模修繕を実施する趣旨をしっかり説明すれば理解してもらえるはずです。
その際、工事に関する覚書など交わしておくと、後々のトラブル防止になります。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
- 優良コンサルタントや施工会社を無料紹介している
- 専門相談員による無料相談ができる
- 大規模修繕工事についての情報を集約している
大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.まとめ
1階部分がテナントになっているマンションは多いですが、共用部分の修繕に関して何かとトラブルが発生することがあります。
マンションで実施する大規模修繕は、建物の安全性や資産価値の維持・向上のためには必要不可欠な工事です。
特に賃貸物件のオーナーは建物の機能や居住者の安全を確保するための修繕が法令で義務付けられているので、その旨を入居している店舗にしっかり説明して納得してもらう必要があります。