管理会社4つのタイプの特徴解説!依頼するならどのタイプ?
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.16】
ほとんどのマンションは日常の管理業務を管理会社に依頼しています。そこで、その管理会社も4つのタイプあるのは知っているでしょうか?
詳しくは後で説明しますが、4つのタイプに分けられるだけに、管理業務自体はさほど変わらないもののそれぞれ違った強みや弱い面を持っています。
また、マンションでは一般的に12年周期で大規模修繕を実施していますが、管理会社に大規模修繕の施工を依頼することもできます。そのとき、どのタイプの管理会社が施工会社として適しているのか?気になるポイントですよね。
ということで今回は、4つのタイプの管理会社の説明と大規模修繕を依頼するならどのタイプがいいのかご紹介いたします。
このページの目次
1. 4つのタイプの管理会社とは?それぞれの特徴紹介
2. 大規模修繕を依頼するのはどのタイプがいいのか?
3. まとめ
1.4つのタイプの管理会社とは?それぞれの特徴紹介
普通のマンションは居住者で構成する管理組合が組織されます。
しかし、組合員になる方もそれぞれ仕事や家事が忙しいので、マンションの管理業務ができないことが多々あります。
また、管理業務の中には建築や設備などの専門知識が求められるケースが多いため素人では対応できないこともあります。
このような理由から、多くのマンションは日々の管理業務を管理会社に委託しているのです。
実際、国土交通省が実施した「平成30年度マンション実態調査」では、約7割のマンションが管理業務全般を委託しているという調査結果もでています。
(出典:国土交通省|平成30年度マンション総合調査結果(概要編)) http://www.mlit.go.jp/common/001287412.pdf
その管理会社は、成り立ちなどの違いから以下の4つのタイプに分けられます。
マンション管理会社の4つのタイプ
・デベロッパー系
・ゼネコン系
・独立系
・ビルメンテナンス系
ここからは、4つのタイプそれぞれの成り立ちや特徴を簡単に紹介していきます。
1-1.デベロッパー系の管理会社
デベロッパー系の管理会社は、新築マンションを分譲するデベロッパー(大手不動産会社や開発会社)の管理部門が独立してできた子会社や関連会社になります。
基本的に親会社のデベロッパーが分譲したマンションの管理業務を請け負うため、ブランド力が強く信頼感はありますが、そのブランド力によって管理委託費が高くなる傾向があります。
1-2.ゼネコン系の管理会社
ゼネコン系はそのままマンション建設に携わる建設会社(ゼネコン)の管理部門が独立してできた管理会社です。
親会社のゼネコンが施工したマンションの管理業務を請け負うケースが多く、建設会社の子会社というだけに建築や設備などの専門知識や経験が豊富という強みがあります。
1-3.独立系の管理会社
上記のデベロッパーやゼネコンと系列関係になく、独立して管理業務を行う管理会社です。
中小規模の会社が多く、管理会社を持たないデベロッパーから管理業務を受注しているほか、管理会社のリプレイス(契約見直し)などで事業を拡大しています。そのため、デベロッパー系の管理会社と比較すると管理委託費が安い傾向があります。
1-4.ビルメンテナンス系
ビルメンテナンス系は、こちらもそのまま元々ビルメンテナンス業を行っていた会社が発展してできた管理会社です。
元がビルメンテナンスの会社なので、清掃や設備の保守に関するノウハウや専門のスタッフが揃っていることが大きな特徴です。
マンションなどの住居用建物よりも商業用ビルやオフィスビルの管理業務を多く受注している傾向があります。
以上、4タイプの管理会社の成り立ちと特徴をご紹介しましたが、皆さまがお住まいのマンションの管理会社はどのタイプだったでしょうか?
それぞれのタイプの管理会社が異なる強みを持っているので、一概にこのタイプが良いとは言えませんが、やはり親身になってマンションの維持管理をしてくれる管理会社が一番だといえます。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
- 優良コンサルタントや施工会社を無料紹介している
- 専門相談員による無料相談ができる
- 大規模修繕工事についての情報を集約している
大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.大規模修繕を依頼するのはどのタイプがいいのか?
マンションでは一般的に12年周期で建物に生じた劣化や損傷、不具合を修繕・改修する大規模修繕工事を行います。
その計画を進める中で、管理会社から大規模修繕の施工を提案されるケースがあります。
実際、大規模修繕工事の施工会社の選択肢として管理会社も挙げられますが、管理会社に大規模修繕まで任せて問題ないのか疑問を感じる方も少なくないと思います。
マンションの管理会社であれば建物の状態を把握しているので、大規模修繕の施工を任せても問題ないよう感じますが、技術面や工事費用に不透明な部分が多いので不安があるのは事実です。
そこで、前項でご紹介した4つのタイプの中で大規模修繕を依頼するならどのタイプがいいのか?
何となくお分かりの方もいると思いますが、最も大規模修繕の施工会社として向いているのは「ゼネコン系」の管理会社です。
建設会社の管理部門が独立してできた管理会社なので、建築や設備に関する専門知識を有しているのはもちろん、施工部門のスタッフや下請け業者も豊富に揃っています。そのため、ゼネコン系の管理会社に委託しているマンションは大規模修繕の施工を依頼しても問題ないと思われます。
次いでデベロッパー系とビルメンテナンス系の管理会社になりますが、どちらも建築施工に関してはゼネコン系と比較すると弱い部分があります。
もちろん、無理に大規模修繕工事の施工を管理会社に依頼しなければならないという訳ではありません。
あくまで選択肢の一つとしてほかの施工会社と比較検討する必要があります。
大規模修繕の施工業者の探し方は、「大規模修繕の施工業者の探し方と選ぶときのポイントを解説(https://large-scale-repair.com/list/vendor/)」で詳しく説明しているので是非ご覧ください。
3.まとめ
ほとんどのマンションの管理組合は、日常の保守・管理を管理会社に委託しているのではないでしょうか。
その管理会社にはデベロッパー系、ゼネコン系、独立系、ビルメンテナンス系という4つのタイプに分けられ、お住まいのマンションのもいずれかのタイプの管理会社と委託契約しているはずです。ここでは簡単な成り立ちや特徴をご紹介しましたが、それぞれ異なる強みを持っています。
また、管理会社から大規模修繕の施工の提案されることがありますが、説明した通り「ゼネコン系」の管理会社であれば施工を任せても問題ないと感じます。もちろん、工事費用に関しては複数の施工業者から見積もりを徴収して比較する必要はあります。
今回はマンションの管理会社は4つのタイプに分かれていることだけでも知って頂ければ幸いです。