代替駐車場に関わるトラブル!移動車両を選ぶポイント
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.4】
マンション大規模修繕は、一般的に12年周期で行われるマンションの一大イベントです。
工事を依頼する施工会社の選定が終われば、あとは施工会社に一任する形になりますが、マンション敷地内に駐車している車両を移動しなければならないケースがあります。
それは、機械式駐車場を利用しているマンションは関係ないですが、平置きのアスファルト舗装の駐車場を利用するマンションでは、大規模修繕工事の期間中、一部の車両の移動が必要になるケースがあるのです。移動台数はもちろんマンションによって異なります。
ということで今回は、大規模修繕で車両の移動が必要な理由と、移動する車両を選ぶときトラブルにならないように公平に選ぶポイントなどご紹介していきます。
このページの目次
1. 大規模修繕で車の移動が必要な理由
2. 移動先の駐車場と駐車料金について
3. 移動する車両をトラブルなく選ぶポイント
4. まとめ
1.大規模修繕で車の移動が必要な理由
マンション大規模修繕を依頼する施工会社を選定すれば、工事自体は施工会社に一任する形になります。
まずは施工会社で着工準備を進めていきますが、その中で仮設計画を作成します。
仮設計画とは、足場や仮設事務所、資材置き場、仮設トイレ、手洗い場など、工事で必要になる設備をマンションの平面図に配置していくことです。
そこで、1階に平置きのアイファルト舗装の駐車場があるマンションでは、上記の仮設設備と重なるスペースに駐車されている車の移動が必要になるのです。特に、足場を設置するスペースと駐車場が重なっているときは、必ず移動しなければなりません。
マンション大規模修繕の着工前には必ず施工会社が主催する工事説明会が開かれます。
その際、仮設計画図とともに移動が必要な駐車スペースの説明が行われるとともに、移動先の駐車場が決まっていれば合わせて説明があると思います。
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2.移動先の駐車場と駐車料金について
移動先の駐車場について、マンション敷地内に空いているスペースがあればそのスペースに移動するだけで済みますが、そのようなスペースに余裕があるマンションはないと思われます。
そのため、代替駐車場は一般的にマンション周辺の月極駐車場を探すことになります。
2-1.移動先の駐車場は施工会社に探してもらうのがベスト!
その代替駐車場をマンション管理組合で探すこともできますが、施工会社に一任した方が無難でしょう。
その大きな理由は単純に大変だからです。
まず、マンションから近い月極駐車場を探すことから始まり、近くに駐車場が見つかっても空いていなければ話になりません。
経験上、都市部になるほど駐車場の空きはなく、郊外の方が空きは多い特徴があります。
しかし、空きがある駐車場でも1台~3台程度なので、移動する車の台数によっては別々の駐車場になるケースがあります。
つまり、1ヶ所駐車場を探せばいいという訳ではなく、複数の駐車場を探して契約する必要があるということです。
そして、対象の月極駐車場を管理する不動産会社に契約を申し込みますが、その契約も大変です。
基本的に駐車場は1年契約が基本なので、工事期間が例えば3ヶ月なら、3ヶ月だけ短期で借りられないか交渉しなければなりません。
このような短期契約に関しては、通常の駐車料金よりも1割程度高い駐車料金を提示してくる不動産会社が多いのも特徴です。
このように、一言で代替駐車場を探すといっても手間と時間、交渉力が必要になるので、代替駐車場に関しては施工業者に一任した方が良いでしょう。
2-2.代替駐車場の駐車料金は最終的にマンション側が支払う!
代替駐車場の駐車料金は誰が支払うの?と、疑問をお持ちの方もいると思いますが、最終的にはマンション側で支払うことになります。
施工会社からの見積もりを確認すれば分かりますが、代替駐車場代として項目があるはずです。
代替駐車場の契約を施工会社にお願いした場合、月々の駐車料金の支払いは施工会社が代行して行いますが、大規模修繕の工事費の中に含まれるので、最終的にはマンション側で支払う形になるのです。
3.移動する車両をトラブルなく選ぶポイント
代替駐車場を探すのと同時にマンションから移動する車を選ばなければなりませんが、このときにトラブルが頻繁に発生します。
大規模修繕工事に伴って移動が必要な車は、足場の設置部分などに重なる駐車スペースに駐車している車になります。
つまり、すべての車両を移動するわけではないので、公平性を保つ必要があるということです。
マンションによっては公平を期すために、抽選で移動する車を選んでいるケースはありますが返ってトラブルを招く危険があります。
例えば、移動しなくてもいい車の所有者が抽選で移動が決まったとき拒否されるなど、移動する車が決まらないことが考えられます。
そこで、移動する車を選ぶ最善の方法は、足場などの仮設設備に重なるスペースに駐車している方に移動をお願いすることです。もちろん、移動する代替駐車場に納得してもらう必要はありますが、この方法が最もトラブルなく車を移動してもらえるのではないでしょうか。
移動する車の台数も1台2台ではないので、施工会社はもちろんマンションの管理組合や修繕委員会もスムーズに工事が進むように協力することが大切です。
4.まとめ
マンション大規模修繕で面倒な手続きの一つが車の移動です。
大規模修繕に伴って敷地内に足場や仮設事務所などの仮設設備を設置しなければなりませんが、設置予定の箇所と重なるスペースの駐車場の車の移動が必要になります。
代替駐車場は施工会社に一任すれば契約まで行ってくれますが、マンション側も移動する車の選定から移動がスムーズに行えるように協力していくことが大切です。