「理事長」の役割とは?工事全体を総括するまとめ役!
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.39】
多くのマンションでは管理組合の中で理事会が組織され、その代表者として「理事長」が選任されます。
そこで、大規模修繕のとき理事長はどんな役割を果たすのか?
大規模修繕はおよそ12~15年に一度実施されるマンション最大のイベントです。
基本は長期修繕計画の中で計画され、時期が近くなれば大規模修繕の業務を専門に行う「修繕委員会」が立ち上げられ計画を進めていきます。
そのとき理事会の理事長が大規模修繕のときどんな役割を果たすのか?ということについて今回はお話していきます。
このページの目次
1.理事長の仕事とは?大規模修繕のときどんな役割を果たすのか?
分譲マンションを購入すると、部屋の専有部分の所有権を得ることになるので、すべての人が「区分所有者」になります。
その区分所有者の中で組織されるのが「管理組合」になり、マンション購入者はすべて管理組合員になります。
さらに、管理組合員の中から代表してマンション維持管理を進める「理事会」が結成され、その代表を務めるのが「理事長」です。理事長は管理者として位置づけられマンションの責任者になります。
1-1.マンション管理組合の「理事長」の仕事とは?
一般的なマンションは日常の保守・管理を管理会社に一任していますが、あくまで保守・管理を委託しているのに過ぎません。
そこで、マンション管理組合員の意見をまとめて反映されるために組織されるのが理事会であり、その中から選任された理事長が最も権限を持つことになります。
理事長は、マンション運営全般に関わる問題に対して、月1回程度の間隔で「理事会」を招集して理事の間で協議したうえで決議を下すほか、大規模修繕など重要な協議が必要なときは「臨時総会」を招集して決議を下すといった最高責任者としての仕事が主になります。その他にも、居住者である管理組合員の相談窓口になるほか、管理会社との交渉役としての役割もあります。
1-2.大規模修繕工事での「理事長」の役割は?
マンション大規模修繕は、一般的に長期修繕計画の中で12年~15年周期で計画されます。
大規模修繕は様々な準備が必要になるため、2年前から最低でも1年前から準備を進めなければなりません。
まずは理事会および理事長が中心になって、大規模修繕を計画通りに進めるための体制作りから始める必要があります。
理事会が計画を進めても問題ありませんが、一般的なマンションでは大規模修繕専門の「修繕委員会」を立ち上げ、管理組合員の中から5〜10人選任して準備から完成まで職務に当たらせます。
その際、修繕委員会だけでは建築に関する知識が乏しいため、パートナーとしてコンサルタント会社に監理を依頼するマンションは多いですが、このコンサルティング会社との契約も理事会で協議したうえで理事長が決議を下すようになります。
それから、実際の大規模修繕に関わる業務は修繕委員会とコンサルタント会社の担当者が進める形になります。
そこで、修繕委員会で選定した施工会社や発注方式などについては最終的な判断は理事会および理事長に委ねられるため、大規模修繕では理事長の決断力が問われることになります。
マンションで実施される大規模修繕は、生活環境やマンションの資産価値の維持・向上のためには必要不可欠な工事です。そのことを入居している区分所有者すべてに納得した形で協力してもらう必要があります。
しかし、すべての方が理解してくれる訳ではなく、中には理解してくれない区分所有者もいるので、そのような人たちに大規模修繕の重要性を理解してもらうことも理事会および理事長の役割といえます。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
- 優良コンサルタントや施工会社を無料紹介している
- 専門相談員による無料相談ができる
- 大規模修繕工事についての情報を集約している
大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.まとめ
マンション購入者はすべて管理組合員になり、その組合員の中から代表してマンション維持管理を進める「理事会」が結成され、その代表を務めるのが「理事長」です。
理事長はマンション内で最も権限を持つことになり、大規模修繕では決断力が求められます。
理事長自らが職務にあたることはありませんが、最終的な決議を下すことになるので、決断力とともにリーダーシップが問われます。
大規模修繕は生活環境やマンションの資産価値の維持・向上を図るための必要不可欠な工事なので、すべての管理組合員に工事を行う重要性を理解してもらうことも理事長の大きな役割になります。