足場に張る仮設シートの種類とシートを張るメリット
【元大規模修繕業界担当者が教える知って得する豆知識-Column.17】
マンションの大規模修繕は建物に生じた劣化や損傷、不具合を修繕する工事を行いますが、外壁の改修工事も実施されます。 その外壁改修を行うために「枠組足場」と呼ばれる足場を建物周囲に設置します。
そして、外壁改修を行うときの塗料やタイルの破片などの飛散を防止するために「仮設シート」を足場全体に覆いますが、今回はこの「仮設シート」についてのお話です。
ここからは、大規模修繕工事で使われる仮設シートの種類や仮設シートで足場を覆うメリットなどご紹介していきます。
このページの目次
1.大規模修繕の足場に張る仮設シートの種類と張るメリット
マンション大規模修繕は一般的に12年周期で実施されます。
居住者の快適な生活や資産価値の維持・向上のために実施され、主に建物に生じた劣化や損傷、不具合の修繕・改修工事を行っていきます。
その大規模修繕の工事範囲の中に「外壁」が含まれるときは、建物周囲に「枠組足場」と呼ばれる足場を設置します。
外壁改修では高圧洗浄、タイルの貼り替え、下地コンクリートの補修、塗装工事が行われますが、塗料の飛散、タイルやコンクリートの破片・粉塵が発生するため、足場全体を仮設シートで覆います。
その仮設シートにも色々な種類はありますが、大規模修繕で使われる仮設シートは「メッシュシート」です。
なぜメッシュシートなのか?といえば、メッシュシートは名前の通りメッシュ生地で作られているため、風通しがよく透過性が高いからです。
通常の建設現場では白やグレーのメッシュシートが使われます。しかし、白やグレーのメッシュトートは透過性があまり良くないので、大規模修繕では居住者の方に工事期間中ずっと圧迫感を与えてしまいます。
そこで現在の大規模修繕では「黒メッシュシート」と呼ばれるメッシュシートが使われるようになっているのです。
黒の方が透過性は低いように感じますが、その逆で白やグレーのメッシュシートよりも透過性が高く、内部から見たときでもシートが目立たないので、居住者の方が圧迫感を感じなくなる効果があります。
1-1.足場に黒メッシュシートを張るメリットとは?
大規模修繕のとき足場に黒メッシュシートを張るメリットは、先程から説明している中でも紹介していますが、以下のポイントが挙げられます。
足場に黒メッシュシートを張るメリット
・塗料、タイルやコンクリートの破片、粉塵の飛散防止
・通気性があるので各居室への風通しを妨げない
・透過性が高く内部から外の見通しがいいので、居住者に対する圧迫感が軽減できる
・外からも見やすくなるので防犯対策にもなる
大規模修繕工事の期間中は騒音や振動、臭いなどが発生し、そこに仮設シートで圧迫感まで加われば居住者に多大なストレスを与えてしまいます。そこで、足場に黒メッシュシートを張ることで閉塞的な圧迫感が軽減できるので、居住者の負担を減らすことができるのです。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
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大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.まとめ
マンション大規模修繕では外壁改修を行う関係上、建物周囲に足場を設置します。
その足場の設置に合わせて、作業中の塗料やコンクリート片などを外部に飛散しないようにするために仮設シートを足場全面に張っていきます。
大規模修繕の仮設シートは一般的にメッシュシートが使われ、最近では黒メッシュシートが使われるようになっています。
これから大規模修繕を予定しているマンションは施工業者に使用する仮設シートを確認して、できるだけ黒メッシュシートを張ってもらうようにしましょう。