マンション管理士の役割とは?管理組合の強い味方!
【元大規模修繕担当者が最新ニュースを独自の見解で分析!-NO.12】
2019/7/18(木) のニュースマガジン「オトナライフ」の記事の中に「【マンション】管理会社が管理組合の味方でないときの強い味方「マンション管理士」とは?」という記事を見かけました。その記事ではマンション管理士の業務内容が紹介されており、大規模修繕計画などの作成を行ってくれることも説明されているので皆さまにも有益な情報として共有いたします。
通常、マンションの管理は管理組合が中心となって行いますが、満足な管理が行えないマンションは多いといいます。
そんなとき、管理組合の強い味方になってくれるのが「マンション管理士」。知識がなければ作成が難しい長期修繕計画および大規模修繕計画などの作成を的確にサポートしてくれるのです。
そこでこの記事では、マンション管理士の主な業務内容と大規模修繕での役割などご紹介いたします。マンションの管理面でお悩みの管理組合および理事会役員の方は是非参考にご覧ください。
このページの目次
1.マンション管理士とは?マンション管理のスペシャリスト
「マンション管理士」はマンションの維持・管理に関するコンサルティングを行うマンション管理のスペシャリストです。
2001年の「マンション管理適正化法」の施行に合わせて作られた国家資格で、一般的にマンション管理組合からの依頼を受けて業務にあたります。
通常、分譲マンションを購入すれば区分所有者になり、その区分所有者の中で管理組合が組織されマンションの管理を行います。また、管理組合の中で理事が選任され、長期修繕計画や管理規約の作成および見直し、居住者からのクレーム対応などの業務にあたります。
しかし、管理組合や理事になる方のほとんどは元々マンション購入者でそれぞれ別の仕事を持っています。
そのため、マンションの管理面まで手が回らないことも多くなるため、一般的な分譲マンションでは日常の維持・管理を「管理会社」に依頼しています。
管理会社と契約すれば管理員が派遣され日常の保守や維持管理業務を行ってくれますが、言いなりになってしまうケースが多いといいます。また、管理会社はあくまで日常の維持管理業務を専門にしているので、長期修繕計画などの作成および見直し、居住者からのクレーム対応といった業務まではサポートしてくれません。
そこで、マンションの強い味方になってくれるのが「マンション管理士」です。
依頼すればマンション管理のスペシャリストとして、マンションの維持・管理に伴う業務全般に対して的確にサポートしてくれます。
1-1.マンション管理士の主な業務内容
マンション管理士は依頼を受けるマンション側の意向に合わせて業務にあたり、管理組合からの相談に対して的確にサポートしてくれます。そこで、実際にどのような業務を行うのか?について、マンション管理士は主に以下のような業務のサポートをしてくれます。
マンション管理士の主な業務内容
・マンション管理組合の総会や理事会の運営サポート
・管理費、修繕積立金の会計監査
・管理会社の選定および変更(管理委託費や業務内容の見直し)
・マンション管理規約の作成および見直し
・長期修繕計画および大規模修繕計画の作成および見直し
・大規模修繕工事に伴うコンサルティング会社、施工会社の選定
・マンション内で発生するトラブルの解決
・防犯や防災対策への指導 など
主にこのような業務にあたり、マンションの健全な維持管理業務を適切にサポートしてくれるのです。
1-2. マンション管理士に依頼する費用(参考:重松マンション管理士事務所)
ここまでマンション管理士の業務内容などご紹介しましたが「マンション管理士を依頼するときどれくらいの費用が必要なのか?」と、肝心な費用面が心配になるものです。
そこでこの項では、東京・千葉・神奈川など首都圏で、日本最大級のマンション管理士事務所としてサービスを提供している「重松マンション管理士事務所」の主要サービスおよび料金表をご紹介します。
サービス項目 | サービス内容 | 基本料金 | |
---|---|---|---|
マンション管理相談 | メールによる相談 | 無料 | |
面談による相談 | 2時間以内 15,000円 (追加1時間:6,000円) | ||
総合・長期支援サービス | 簡易アドバイザー契約 | 25,000円/月 | |
顧問契約(長期支援契約) | 50,000円/月 | ||
自主管理マンション支援パック | 要確認 | ||
分野別支援サービス | 管理規約 | 完成済み管理規約等の 監修・コメント | 1件50,000円 |
管理規約の改正作業 | 50,000円~/月 | ||
大規模修繕工事 | 修繕委員会の顧問業務 | 50,000円~/月 | |
トータルコーディネート業務 | 1,000,000円~ | ||
管理費削減・見直し | 委託業務費、管理費等の 見直し業務 | 500,000円~ | |
管理会社変更 | 管理会社の変更業務 | 500,000円~ | |
変更後のフォローを含めた1年間 の顧問契約 | 50,000円/月 | ||
管理費滞納 | 管理費滞納問題に関する各種助 言・指導など | 30,000円~ 管理者業務:別途見積もり | |
簡易HP作成・ 維持管理 | ドメイン取得、サーバー契約など | 初回制作費:100,000円 年間維持費:30,000円/年 | |
代行サービス | 理事長業務全般 | 200,000円/月 |
(参照:重松マンション管理士事務所)
以上、参考として重松マンション管理士事務所のサービス内容と料金表をご紹介しましたが、マンション管理士事務所によって料金形態は当然異なります。依頼したいときは、ヒアリングを行ったのち見積もりを依頼するとともに、疑問に対しては明確な回答を得るようにしましょう。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
- 優良コンサルタントや施工会社を無料紹介している
- 専門相談員による無料相談ができる
- 大規模修繕工事についての情報を集約している
大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.大規模修繕でのマンション管理士の役割とは?
マンションでは建物の経年劣化に合わせて、一般的に12年~15年周期で大規模修繕工事を実施しています。
そこで、「マンション管理士はどのような役割があるのか?」について、まずは大規模修繕工事を実施するときの簡単な流れを見ていきましょう。
通常、管理組合が中心となって作成する長期修繕計画の中で計画されるとともに、資金源となる修繕積立金の徴収額も設定されます。この長期修繕計画は概ね5年ごとの見直しが推奨され、大規模修繕計画や修繕積立金などの見直しが行われます。
そして、大規模修繕計画の早くて2年、遅くても1年前から準備を始めるとともに、工事パートナーとなるコンサルティング会社の選定を行います。そして、工事着工の3~4ヶ月前に建物診断と居住者アンケートを実施して修繕計画の作成を進めていきます。
修繕計画および工事別の数量がある程度決まったら、施工会社に見積もり依頼をしたのち比較検討して施工会社を選定します。
2-1.大規模修繕工事でのマンション管理士の役割
上記のような流れで大規模修繕は進められますが、マンション管理士は、大規模修繕に関わる全ての手順のサポートを行う役割を果たします。
前項でご紹介した重松マンション管理士事務所では、修繕委員会の顧問とトータルサポートを行うサービスを提供していますが、トータルサポートを依頼する場合はそれなりの費用が必要になるので、まずは見積もりを依頼するようにします。
そこでトータル的なサポートを依頼すれば、マンション管理士は具体的に以下の役割を果たしてくれます。
大規模修繕でのマンション管理士の役割
- 修繕委員会の立上げおよび運営サポート
- ・設計監理コンサルタント(設計事務所など)の選定サポート
- ・予算計画および工事内容の精査
- ・施工業者の選定サポート
- ・各種検査(段階別検査・完成検査など)への立会い
- ・工事完成引き渡し書類の内容確認 など
このように、大規模修繕工事の準備段階から完成時の手続きまで、マンション管理のプロがしっかりサポートしてくれます。
2-2. 大規模修繕工事のコンサルタントをマンション管理士に依頼するメリット
大規模修繕のサポートをマンション管理士に依頼する一番のメリットは、マンション管理のプロフェッショナルであるマンション管理士が、大規模修繕全般の手続きに対して、的確にサポートしてくれる点です。
マンション大規模修繕の実施にあたっては、準備段階からある程度の建築的な知識が求められます。さらに、決めなければならない項目も多いため、マンション管理組合や理事会では対応できず、スムーズに工事が着工できない可能性もあります。
そこで、マンション管理士にコンサルタントを依頼すれば、長期修繕計画および大規模修繕計画の作成・および見直し・大規模修繕工事に伴うコンサルティング会社・施工会社の選定では、見積もり内容の確認までしてもらえます。
また、修繕積立金の会計監査も行ってくれるので、工事費用が不足する事態も回避してくれるのです。
2-3. 失敗しないマンション管理士の選び方
では「マンション管理士はどうやって選べばいいのか?」と、これから初めて依頼するというマンションは迷ってしまいます。
前項でご紹介した「重松マンション管理士事務所」のようなマンション管理士事務所は、全国で数多くサービスを提供しているので、いざ選ぼうとしても選ぶポイントが分からなければ選びようがありません。
選び方に特別な決まりはありませんが、マンション管理士を選ぶ際は、以下のポイントを重視する必要があります。
マンション管理士を選ぶうえで重視するポイント
- ・大規模修繕工事のサポート実績
- ・マンション運営についての専門的な知識
- ・担当者のコミュニケーション能力
- ・工事完了後のアフターフォロー
- ・報酬の透明性と妥当性
マンション管理士を選ぶうえで最も重要なのは、過去の大規模修繕におけるサポート実績です。同等程度のマンションのサポート実績が豊富であれば豊富であるほど、安心感と信頼感が得られます。
次いで、マンション運営の専門的な知識を持っているのはもちろん、担当者のコミュニケーション力および対応力も重要なポイントの一つです。
また、マンション管理士事務所としてのアフターフォロー体制や、料金体系についても透明性があるとともに、妥当な金額かどうかも選ぶうえでは欠かせない要素になります。
まずは、問い合せを行ったのち見積もりを依頼するとともに、どんなサービスをどのように提供しているのか?しっかりヒアリングを行うようにしましょう。
3.まとめ
マンションの管理組合や理事会の役員の方はマンションの維持管理にお悩みではないでしょうか。
そんなときにマンション側の強い味方になってくれるのがマンション管理士です。
マンション管理士はご紹介した通り、マンション管理のスペシャリストとして維持管理業務に対して的確にサポートしてくれます。
また、一般的に12年~15年周期で実施される大規模修繕工事においても手続き全般に対して、スムーズに工事が進められるようにサポートしてくれます。
現在、もし管理会社の言いなりになって困っているマンション管理組合の方は、マンション管理士への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。