手抜き工事が減少するワンストップサービスとは?大規模修繕に活用できる?

ワンストップサービスが手抜き工事を減少!

【元大規模修繕担当者が最新ニュースを独自の見解で分析!-NO.3】

先日、2019/5/28(火) にビジネス向け総合情報サイト幻冬舎ゴールドオンラインの記事で、「不動産投資の利益を最大化する「ワンストップサービス」とは?」という記事を見かけました。
その内容は「発注方式」について同サイト解説員が不動産投資の利益を最大化する「ワンストップサービス」の強みについて解説しているもので、大規模修繕でも活用できるか検証してみようと思います。

また、同記事では建設業界でまん延する「手抜き工事」に関しても触れられていましたが、その手抜き工事はワンストップサービスの活用で減少できると明記されています。大規模修繕でも手抜き工事によるトラブルが比較的多く発生しており、それがワンストップサービスで削減できるのか?

そこでこの記事では大規模修繕支援センターとして、そもそも大規模修繕でワンストップサービスが活用できるのか?また、手抜き工事をワンストップサービスで減少できるのかについて見解をまとめてみました。これから大規模修繕を予定している方向けのテーマですので是非ご覧ください。

1.ワンストップサービスとは?

そもそも「ワンストップサービス」とは、何らかの作業や手続きに関して一度あるいは一ヶ所で完了できるサービスを指す言葉です。
簡単な例えとして、複数の支払いを一括で処理できるサービスなどがワンストップサービスになります。

今回ご紹介している幻冬舎ゴールドオンラインの記事では、『賃貸マンション投資におけるあらゆるプロセスをワンストップ(一括)でサポートできる事業パートナーになる』として、ワンストップサービスが紹介されています。

具体的には、不動産投資では「分業制」になっていることが多く、不動産会社は土地を販売し、設計事務所が設計プランを作成し、それを基に住宅メーカーや建築会社が建物を建設する。そして、完成後は管理会社が管理業務を行い、不動産仲介業者が入居者を探す。
というように、それぞれの会社がそれぞれの役割を果たし利益を得るという流れになっています。

そこで、この一連の流れをワンストップ(一括)で行えば、より多くの人が安心して不動産投資に取り組み、期待通りの成果を得られるということが書かれています。

従来の分業体制の場合、一連の流れでトラブルが発生したとき、責任の所在や情報の共有、意思の疎通などで混乱が生じる恐れがあります。それがワンストップサービスなら窓口は一本化されるとともに、中間コストも削減できるメリットがあるとされています。

1-1.ワンストップサービスで手抜き工事がなくなる?

建設業界における手抜き工事とは、何かしらの建設工事において施工会社が意図的に手を抜いた工事を行うことを指します。
その結果、必要とされる強度や機能が不足した建築物になることが想定されます。

なぜ手拭き工事が発生するのか?
それは、例えば自社に施工部門を持たない不動産会社がマンションなどの建設を発注する場合、基本的な設計や施工など建築に関するノウハウをもちろん持っていません。建築に関するノウハウがなければ、設計や施工を工夫してコストを抑えるという発想も当然でてきません。

その不動産会社がマンション建設を建設会社に発注するとき、適正価格を知らないので発注単価を一方的に引き下げて発注しようとします。そして、一方的に引き下げられた工事価格で建設会社が請け負ってしまった場合、その建設会社はできるだけ原価を抑えなければ利益を確保することができません。

その結果、品質よりも価格で優先してしまい、意図的に手を抜いた工事を行ってしまうのです。ほかにも理由は様々ですが、一般的にこのような流れで手拭き工事が発生しています。

そこで、ワンストップサービスを活用すれば、設計プラン~工事の発注~施工が一本化されるので、適正価格で工事が発注できるようになるほか、施工中の品質管理も合わせ行えるようになるので、意図的な手抜き工事をなくすことができます。

このようなワンストップサービスはマンション大規模修繕でも活用できるのか?については事項にて。

大規模修繕支援センターって何をやってるところ?

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2.ワンストップサービスは大規模修繕に活用できるのか?

大規模修繕はおおよそ12年周期で実施されるマンションの一大イベントです。

新築工事とは当然発注の流れが異なり、大規模修繕工事の発注者はマンションの管理組合になります。
そこで、大規模修繕でワンストップサービスが活用できるのか?という疑問について、まず説明しておくとワンストップサービスと似たような発注方式が利用できるということです。

マンション大規模修繕工事では一般的に、大きく以下の3つのタイプの発注方式が採用されています。

マンション大規模修繕の発注方式

・責任施工方式
特定の施工会社に建物診断から設計・仕様書の作成、施工管理まで大規模修繕の準備から完成まで、施工会社に一任する発注方式です。

・設計監理方式
設計・仕様書の作成、建物診断、監理を行うコンサルタント会社と工事の施工を行う施工会社を別々に契約する発注方式です。

・マネジメント方式(CM方式・RM方式)
CM方式は、発注者であるマンション側の補助者・代行者として、マネジメント会社の専門マネージャーが各種マネジメント業務の全部または一部を行う方式です。

RM方式は日本で「価格開示方式」または「オープンブック方式」と呼ばれ、施工会社に対して工事費用や工事の進捗状況などをマンション側に開示することを「RMr(リノベーション・マネージャー)」が求めてマンション側を支援する方式です。

2-1.ワンストップサービスに近い発注方式は「CM方式」

マンション大規模修繕では、ご紹介した3タイプの発注方式からマンションのニーズに合わせて選択しますが、ワンストップサービスに近い発注方式が「責任施工方式」と「CM方式」になります。

中でも「CM(Construction Management|コンストラクション・マネジメント)方式」が最もワンストップサービスに近いサービスだと感じます。CM方式はアメリカで一般的に利用される発注方式で、日本でも近年多くのマンションで利用されています。

CM方式では、プロの「CMr(コンストラクション・マネージャー)」が技術的な管理をするとともに、発注者であるマンションの立場に立って、設計プランの検討から工事発注方式の検討、工程管理、品質管理、法令遵守などの支援を行ってくれます。

CM方式は、CMrが設計プラン、建物診断、施工を細分化してそれぞれの会社に依頼するので費用の透明化が図れます。 そして、業務を細分化することで費用も細分化されるのでコストが把握しやすくなり、結果として大規模修繕工事全体の費用を抑えられる可能性が高くなるのです。

発注方式や施工業者の探し方についてより詳しく知りたい方は「大規模修繕の施工業者の探し方と選ぶときのポイントを解説https://large-scale-repair.com/list/vendor/)」をご覧ください。

3.まとめ

今回はワンストップサービスについてご紹介しましたが、簡単にまとめると全ての作業や手順を一本化するサービスです。

幻冬舎ゴールドオンラインの記事では、「賃貸マンション投資におけるあらゆるプロセスをワンストップ(一括)でサポートできる事業パートナーになる」としてワンストップサービスが紹介されていましたが、大規模修繕では「CM方式」と呼ばれる発注方式を利用することでワンストップサービスに近いサービスが受けられるようになります。

CM方式を採用したい場合、依頼先に関しては「一般社団法人 日本コンストラクション・マネジメント協会http://cmaj.org/index.php/ja/)」の「CM事業者名簿」に掲載されているので、それぞれ確認をお願いします。
また、同サイトにはCM方式についての様々な情報を掲載されているので、興味がある方はホームページで確認してみましょう。

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