修繕積立金が不足している・値上げされるかどうかを見分ける3つのポイント

修繕積立金不足・値上げの見分ける3つのポイント

【元大規模修繕担当者が最新ニュースを独自の見解で分析!-NO.7】

2019/6/30(日) の東洋経済ONLINEの記事の中に「「修繕積立金」不足の裏にある根本的な問題点」という記事を見かけました。その内容は、中古マンションで修繕積立金が不足する原因などが紹介されており、まさに大規模修繕工事に直接関係する問題なので今回は皆さまにも重要な情報として共有します。

多くの分譲マンションで問題なっているので「修繕積立金の不足」です。
その理由の一旦は「滞納」にあり、国土交通省の調査では24.6%、約4分の1の分譲マンションで修繕積立金の滞納が発生しているという結果もでています。

そこでこの記事では大規模修繕支援センターとして、中古マンションを購入するとき修繕積立金が不足している、または値上げされるかどうかを見分ける3つポイントをまとめてみました。これから中古マンションの購入をお考えの方は購入したときのことを想定しながらご覧ください。

1.修繕積立金とは?修繕積立金が不足する原因

分譲マンションの居住者の方は「修繕積立金」と「管理費」を毎月支払うようになります。

「管理費」は日常の保守や維持管理に使われるお金です。
一方の「修繕積立金」は、居住者の快適な生活や資産価値の維持・向上のために、定期的な修繕とともに一般的に「12年周期」で実施される大規模修繕工事の工事費用として使われるお金です。

その修繕積立金の額は「長期修繕計画」の資金計画の中で設定されますが、多くの分譲マンションで問題になっているのが修繕積立金の不足です。

「毎月計画通り積み立てているはずなのに、なぜ修繕積立金が不足するのか?」と、誰でも疑問を感じるでしょう。
多くのマンションで修繕積立金が不足する一番の原因となっているのが「販売促進を目的に修繕積立金を低く設定する」ことです。そして、大規模修繕工事の時期が近くなったときに「予算が足りない!」となってしまいます。

本来は長期修繕計画の資金計画の中で、大規模修繕工事の工事費などを考慮して適切額の修繕積立金を設定しなければなりません。それを何も考えずに安く設定してしまえば不足するのは当然です。

そこで、修繕積立金の適正額はどれくらいなのか?分からない方もいると思います。
その詳しい説明はこちらで詳しく紹介しているので是非ご覧ください。

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2.修繕積立金が不足している・値上げされるかどうか見分ける3つのポイント

中古マンションを購入するとき、修繕積立金が不足している・値上げが予想されるマンションかの見分けが重要です。
そこで、その見分けるポイントとして以下の3項目が挙げられます。

中古マンションの修繕積立金が不足しているかどうかを見分けるポイント

  • マンション共用部分の「外壁」
  • マンション共用部分の「エントランス廻り」
  • 「総会などの議事録」と「長期修繕計画」の閲覧

何のことだか分からないと思いますので、それぞれ簡単にご説明していきます。

2-1.マンション共用部分の「外壁」のチェック

修繕積立金が不足しているかどうか、まずはマンションの見た目からチェックしていきます。

マンションは共用部分と専有部分に分かれますが、共用部分の最たるものが「外壁」です。
最近のマンションの外壁は「タイル貼り」が主流になっており、一見してタイルが剥がれや浮きがないかチェックします。タイルに剥がれや浮きが発生していれば、内部のコンクリートまで劣化が進行してしまいます。

そこで、外壁タイルの問題点が確認できたら、マンションの管理組合および理事会が問題点を把握しているか、今後補修などを行う予定があるか確認してみましょう。聞けないようなら仲介する不動産会社の担当者を通じて管理組合に問い合せてもらいます。

そのほかの廊下や階段などを見て、劣化や損傷があれば合わせて確認しましょう。
このような共用部分の劣化や損傷を放置していれば建物自体の耐久性が失われるのはもちろん、大規模修繕のときに大掛かりな工事が必要になってしまいます。

その結果、修繕積立金が不足する事態に繋がってしまうので、まずは一目で分かる共用部分の劣化や損傷のチェックが大切なのです。

2-2.マンション共用部分の「エントランス廻り」のチェック

上で説明した共用部分にあたる「エントランス廻り」もしっかりチェックしてみましょう。

特にエントランス廻りの清掃状態、共用ポスト廻りの整理整頓、掲示板の掲示状況などをチェックします。そこで、エントランス廻りが雑然として整理整頓されていなければ、管理員が適切に業務を行っていないと判断できます。

管理員が適切に業務を行っていないマンションでは、ほかの駐車場や駐輪場、ゴミ捨て場なども維持管理されていない可能性が高く、劣化や損傷が進んでいることが想定されます。その結果、大規模修繕の工事範囲を広めてしまうことになり、工事費も必然的に高くなってしまうのです。

2-3.「総会などの議事録」と「長期修繕計画」の閲覧

上の2つのポイントは見た目のチェックでしたが、最後に書類上のチェックを行います。

分譲マンションを購入すると専有部分の所有権を得ることになるので、購入者は「区分所有者」になります。
そして、その区分所有者の中で組織されるのが「管理組合」になり、活動は「年1回開催される定期総会」と「理事会」がメインになります。

そこで、中古マンションを購入する際、まず総会などの議事録の閲覧を求めましょう。
管理組合の活動報告と今後の予定が書かれてあるので、管理組合の活動状況が簡単に把握できます。また、修繕積立金の滞納者への対応状況なども確認する必要があります。

次に、マンションで作成している「長期修繕計画」の閲覧も求めます。
長期修繕計画は、管理組合および理事会が中心になって作成する長期的な修繕計画です。マンション内で発生する劣化や損傷に対して修繕をどの時期にどの程度の費用で実施するかなどが計画されます。その中で修繕積立金の積立額も設定されます。

マンションの長期修繕計画は国土交通省で5年に1回程度の見直しが推奨されており、修繕積立金を含めた長期修繕計画の見直しを行っていない中古マンションは修繕積立金が不足する可能性があります。

3.まとめ

東洋経済ONLINEの修繕積立金不足の根本的な問題点という記事をもとに見解をまとめてみました。

現在、多くの分譲マンションで問題になっているのが大規模修繕で使われる修繕積立金の不足です。
不足する一番の原因は「分譲当初に修繕積立金を販売目的で安く設定しているため」であり、大規模修繕の時期が近くなると一時金が徴収される危険があります。

今回は元記事でも紹介されていた「修繕積立金が不足しているマンションを見分けるポイント」として、中古マンションを購入するときは「外観」や「エントランス」などの見た目と「書類上のチェック」を行い、あまりにも管理がずさんな中古マンションはいかに購入額が安いからといっても購入しない方が良いでしょう。

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