大規模修繕工事でよくあるトラブルとその対策法を解説
マンションで行う大規模修繕には何かとトラブルはつきもの。
大規模修繕は居住者が通常の生活をしている中での工事になるため、新築工事にはないトラブルが起こってしまいます。
大規模修繕を決定してから工事が完了するので、どんなトラブルがあり、どのように対策すればいいのか、ある程度知っておくことが大切です。
そこでここからは、マンション大規模修繕の「施工前」「施工中」「施工後」に分けて、よくあるトラブルとその対策をご説明いたします。
それに合わせて、よくあるマンション住人とのトラブルQ&Aもご紹介します。
このページの目次
1.マンション大規模修繕の施工前トラブルと対策法
マンションの大規模修繕を決定するまでには、山あり谷ありで想定していなかったようなトラブルが発生する可能性があります。
この項では、大規模修繕の「施工前」に発生するトラブルを2例ご紹介します。
1-1.修繕積立金が不足するトラブル
マンションの大規模修繕では多額の費用が必要。そこで、一般的な分譲マンションでは長期修繕計画が立てられ、居住者から修繕積立金を納めてもらいっています。
しかし、マンションによっては本来あってはならない修繕積立金が不足するトラブルが発生しているのです。
近年では修繕積立金不足の分譲マンションは多いといいます。
考えられる積立金が不足する原因は大きく、長期修繕計画の不備、修繕積立金が集まらないといった長期修繕計画での計画が適切でない場合に不足というトラブルが発生しています。
そこで、万一修繕積立金の不足というトラブルが発生したときは、以下のいずれかの対策を行う必要があります。
・不足分を居住者から一時金として徴収する
・大規模修繕の工事内容を見直して必要最低限に抑える
・管理組合が住宅金融支援機構から融資を受ける
その際、融資を受ける以外の一時金を徴収したり工事内容を見直したりするには、まずは居住者に納得してもらうことが前提になります。住民説明会を開催するなど、経緯をしっかり住人に説明しなければなりません。
このような修繕積立金の不足というトラブルを防止するためには、長期修繕計画を定期的に見直して、適正額の修繕積立金を納めてもらうことが重要になります。
1-2.修繕委員会を結成するときのトラブル
大規模修繕工事の実施にあたって、一般的なマンションでは「修繕委員会」を結成します。
修繕委員会は、分譲マンションの区分所有者で構成する大規模修繕工事を進めるための専門委員会になりますが、その結成にあたって、委員の人数が少なすぎる、もしくは多過ぎるときにトラブルが発生する可能性があります。
修繕委員会の結成にあたって、委員を募集しても集まらない分譲マンションがほとんどです。
そこで、2~3人しか応募がなかった場合、その人数で大規模修繕工事の計画を進めなければなりませんが、計画が滞ってしまう危険があります。
基本的に委員になる方はそれぞれ仕事をしているので、2~3人の少人数で計画を進めるのは無理があります。そうすれば、おのずと管理会社やコンサルタントに丸投げする形になってしまい、結果として工事費用が嵩んでしまう可能性があるのです。
逆に修繕委員の人数が多過ぎても、別のトラブルが発生する危険があります。
どんなことにも当てはまりますが、人数が多過ぎると意見がまとまらないケースが多々あります。基本的に、年齢や性別で考え方や価値観が異なるため、人数が多過ぎると意見がまとまらずに計画が滞ってしまう可能性があります。
一般的に、修繕委員会を構成する委員の人数に決まりはありませんが、5人~10人程度の人数で、公平性を保つために幅広い年代から委員を選出するのがベストとされています。お住まいの分譲マンションによって状況は変わってきますが、修繕委員会の結成にあたっては、できるだけ5人~10人を目安に幅広い年代から選出するようにしましょう。
1-3.コンサルタントの談合によるトラブル(狙われる修繕積立金)
大規模修繕を計画する際、専門のコンサルタント(設計事務所など)に依頼するマンションでは、談合によるトラブルには要注意です。 談合とは、コンサルタント会社が施工会社と癒着して、工事費用を意図的に吊り上げバックマージンを不正に得る行為です。
2017年10月にはNHKのクローズアップ現代の中で、「追跡!マンション修繕工事の闇 狙われるあなたの積立金」として、設計コンサルタントによる大規模修繕の不正が紹介されています。
このような談合トラブルを防止するためには、コンサルタント会社に丸投げしないことが重要になります。
施工会社からの見積書に関して、基本的には複数の施工会社から出されるかと思いますので、すべて確認し比較検討する必要があります。
コンサルタント会社に依頼するときは丸投げせず、特に費用面にまつわる資料は一通り確認していくことが重要でしょう。
また、こういった談合などのトラブル事例は、数多くのマンションで問題となっています。他にもどんなケースがあるのか下記ページにまとめましたので、是非あわせてご確認ください。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
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大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.マンション大規模修繕の施工中トラブルと対策法
紆余曲折があって大規模修繕工事が着工できても、さらに施工中はトラブルがつきもの。ここからは施工中に想定される8つのトラブルをご紹介いたします。
2-1.施工中のマンション居住者からのクレーム
大規模修繕を着工する際、トラブル防止のため事前に施工会社が工事説明会を実施して、施工手順や注意点の周知を行います。しかし、どんなに説明していても居住者からのクレームなどのトラブルはどうしても発生してしまいます。
施工中は、どうしても騒音や振動、臭い、ホコリは発生します。
そこで、「騒音や振動が我慢できない」、「臭いで気分が悪くなる」、「ホコリで洗濯物が干せない」などのクレームはつきもの。さらに、人によって音や臭いの感じ方が異なるため、ちょっとの騒音や臭いでもクレームを言ってくる人がいるのが現状です。
このような居住者からのクレームを極力減らすためには、騒音・振動、臭い、ホコリが発生する工事を施工するときに、その都度お知らせしておくことが重要になります。
例えば、
「◯月◯日 10:00~15:00 3階廊下の塗装工事
上記時間帯は臭いが発生します。」
というように、事前に工事内容と注意点を周知しておくと、住民側は窓を閉めるなどの対策がしやすくなります。
このような対策は基本的に施工会社が行うので、管理組合から施工会社に周知の徹底をお願いしておきましょう。
2-2.施工中の近隣住宅からのクレーム
クレームは居住者だけでなく、近隣の住宅からのクレームも大規模修繕工事にはつきものです。
通常、施工会社が事前にマンション周辺の住宅に1軒ずつ施工挨拶は行います。
しかし、上記でお話しした内容とほとんど同じですが、音がうるさい、振動で眠れない、ホコリで洗濯が干せない、車に傷が入った、水の出が悪くなったなどのクレームがあります。
このような近隣からのクレームを極力減らすためには、近隣住民とのコミュニケーションをしっかり取ることが重要です。
例えば、騒音や振動が発生する工事を施工するときは、
「10時~14時まで音がする作業をするのでご協力お願いします。」
といったお知らせを事前に行っておくことが大切です。
2-3.バルコニーの私物による施工不能
各部屋のバルコニーが工事範囲に含まれている場合、バルコニーに置いてある空調機の室外機以外の私物はすべて、片付けなければなりません。そこで、私物を片付けていないときにトラブルが発生するのです。
バルコニーを個人の専有部分と考えている方もいますが「個人使用が認められた共用部」という特殊な扱いになるので、基本的に直ぐに移動できるもの以外は置いてはいけないと決められています。
工事にあたっては、事前に施工業者から「いつまでに私物を片付けてください」という周知があるので、決められた期日内に私物を片付ける必要があります。しかし、一部の居住者が片付けを行っていなければ、施工業者の施工が困難になってしまい、結果的に工程に遅れが生じてしまうのです。
バルコニーは「個人使用が認められた共用部」だということをしっかり認識して、バルコニーには大きな物はできるだけ置かないようにしておくことが大切です。
2-4.外壁補修時の足場からの空き巣被害
大規模修繕では外壁補修を行う関係上、基本的に足場を組んで作業を行います。
その足場を使った空き巣被害に遭うトラブルが稀に発生しています。
施工会社では通常、足場の1階部分には施錠を行い、最近では防犯カメラや防犯ブザーを取り付けている会社もあり、被害を防ぐための対策を行っています。しかし、中には作業員になりすまして空き巣に入るケースがあるのです。
足場からの空き巣被害を防ぐためには、施工会社の作業員には腕章などを付けてもらうほか、足場の1階部分には防犯カメラなどの防犯機器を設置してもことが重要です。
2-5.外壁補修時のプライバシー侵害(室内を見られる)
ほとんどの大規模修繕では、足場は必ず設置します。
その足場を使って作業員は外壁の補修工事を行っていくため、必然的に室内が見える状態になります。
こちらも施工会社の説明会で、工事の時間帯はカーテンを閉めるようお願いはされますが、すべての家庭がカーテンを閉めてくれるとは限りません。そのような家庭からプライバシー侵害としてクレームが発生するのです。
このようなクレームを防ぐためには、カーテンを閉めるように再度お願いするほか、作業員にも視線を室内に向けないなどの指導徹底が必要になります。
2-6.外壁補修時の店舗看板の脱着トラブル
1階で店舗が経営されているマンションは多いですが、大規模修繕に伴って店舗看板の脱着に関するトラブルが発生しています。
動かせるタイプの看板なら問題は一切ありませんが、壁面に取り付けてある店舗の看板は、外壁補修の際は邪魔になるので取り外しておく必要があります。そこで、その脱着費用や代替え看板に関してのトラブルが発生しているのです。
基本的に外壁は共用部分になるので、看板を取り付けた店舗側で脱着費用は支払う必要があります。
代替えの看板に関しては、管理組合を通して設置した足場の目立つ箇所に簡易的な看板を設置してもらう方法があります。
2-7.施工会社の倒産(修繕工事が継続できなくなる)
マンションの大規模修繕では建築会社が施工を行いますが、施工している建築会社が倒産するトラブルが稀に発生します。
万一施工している建築会社が倒産したときは、資材や作業員の手配ができなくなり修繕工事が継続できなくなります。
会社が倒産した場合、破産管財人が破産手続きを行っていきますが、完成間近でない限り工事継続は難しく、請負契約も解除されます。そうなれば、前渡金と工事の出来高の清算を行い、工事の進捗によっては過払い金を返金してもらい、新たに施工会社を探していくことになります。
このような事態は稀ですが、トラブルを予防するためには施工会社の選定は重要になります。
施工実績や経営状態が分かるような書類を出してもらうなど、施工会社の選定は入念に行うようにしましょう。
2-8.代替え駐車場での車両トラブル
大規模修繕工事の施工にあたって、平置きのアスファルト舗装の駐車場を利用する分譲マンションでは、駐車している車両を移動しなければならないケースがあります。
施工業者が設置する足場などの仮設設備と重なるスペースに駐車している車両の移動が必要になりますが、移動したあとにトラブルが発生する可能性があります。代替駐車場は一般的に施工業者が用意しますが、移動したあと心ない人がイタズラして、車に傷が入るトラブルが発生したという話をよく聞きます。
どの駐車場に駐車しても起こり得るケースですが、代替駐車場については、監視カメラなどの保安設備が整っているかなど、できるだけ安全な駐車場を探してもらう必要があります。
2-9.マンション大規模修繕の瑕疵(かし)保険(万一のための備え)
瑕疵(かし)保険は、大規模修繕の際にトラブルが発生したときのための保険になります。
保険加入の条件として、工事の際に保険会社の現地検査を受ける必要があり、施工会社に問い合せして予算に余裕があれば加入しておくことをおすすめします。
瑕疵保険の種類
・住宅あんしん保証
・住宅瑕疵担保責任保険協会
・㈶マンション管理業協会
・住宅保証機構
瑕疵加入しておくと、完成後に傷や施工不良などが発覚したときに、修繕費用の約80%が支払われます。対象は修繕工事の施工箇所のうち構造、防水、給排水・電気設備などの部分になっています。
保険期間は加入する保険で違いはありますが、5年間が一般的です。
また、上記で説明した施工会社が倒産して工事が継続できなくなったときは、工事費用全額を請求できるようになっています。
3.マンション大規模修繕の施工後トラブルと対策法
山あり谷ありで大規模修繕が完成して安心したいところですが、完成後にもトラブルが発生するケースはあるのです。
ここでは施工後に想定される2つのトラブルをご紹介します。
3-1.完成後、数年で漏水などのトラブルが発生
大規模修繕工事が完了した後、1年~2年で雨漏りする、コンクリートのひび割れを補修した箇所が再度ひび割れする、といったトラブルが発生しています。
特に雨漏りが発生するケースが多く、ウレタン塗膜防水の標準耐用年数は約10年なので、1年~2年で漏水するようなら、施工会社の施工不良といえます。
一般的に防水工事は工事完了後に施工会社から保証書が提出されます。
そこで、完成後1年~2年という早期に漏水などが発生したときは、施工会社から提出された保証書を確認して、保証期間内であれば施工会社で対応してくれます。
また、前項の最後にご紹介した「瑕疵保険」に加入していれば、修繕費用の約80%が支払われます。施工不良を見抜くのは素人では困難なので、予算に余裕があれば瑕疵保険に加入しておくと安心です。
3-2.施工完了後に追加工事費用の請求
大規模修繕の工事費用は、施工会社の見積もりを管理組合が査定して契約を結びます。
工事費の支払いに関しては、着手金を含めて2回~3回に分けて支払いを行いますが、完了後に追加で工事費用が請求されるケースがあります。
これは見積もりにはない工事を追加で施工したときの費用となります。
ただし、基本は施工会社から追加工事の提案と見積もりを提示してもらい、マンションの管理組合の承認が必要になります。
そこで、施工会社が管理組合の承認をもらわずに勝手に追加工事をした場合は支払う必要はありません。
そのため、施工会社から追加請求があったときは、管理組合の承認を得ている工事内容なのかの確認を行いましょう。
4.大規模修繕を際に改善したいマンションの住人でよくあるトラブルQ&A
ここまで大規模修繕に伴うトラブルをご覧いただきましたが、ここからは通常の生活の中でよくあるトラブルのQ&Aをご紹介いたします。
4-1.Q:駐車場で隣の車が枠線をはみ出して駐車して困っている!
A:機械式駐車場ではこのようなトラブルは発生しませんが、平置きする駐車場でよくあるトラブルです。
このような駐車トラブルは管理組合または管理会社に相談して、貼り紙などで注意喚起してもらいます。それでも改善されないときは、管理組合・管理会社を通して対象の車の所有者に直接注意してもらいましょう。
4-2.Q:ペットの鳴き声と臭いで困っている!
A:ペット飼育がOKのマンションでよくあるトラブルです。
ペットに関わるトラブルは難しい問題ですが、動物が苦手な人にも配慮したルール作りを管理組合または管理会社に依頼しましょう。
4-3.Q:ゴミの分別を守らない人がいるので困っている!
A:ゴミの出し方もマンションで多いトラブルの一つです。
ゴミの出し方の問題もペットと同じように、ゴミの出し方のルールを守るように注意喚起するほか、エントランスの掲示板などでも注意事項として常に掲示しておきましょう。
4-4.Q:共用廊下に自転車やベビーカーが置きっ放しなので困っている!
A:マンション内の共用廊下に子供の自転車やベビーカー、古新聞や雑誌をまとめたものを放置している方は意外に多く、トラブルの一因にもなります。共用廊下は”共用”で利用するものであり、火災や地震などの避難経路として邪魔なものは置かないのが基本です。
こちらも管理組合・管理会社から注意監視してもらい、改善されないときは管理組合を通じて対象のご家庭に片付けるよう注意してもらいましょう。
4-5.Q:鳩やカラスの糞被害で困っている!
A:鳩やカラスの糞被害は主にバルコニーで発生しますが、一般的にバルコニーの清掃などの日常管理は、各部屋の居住者が行うことになっています。
そのため、防鳥対策も各自で行う必要があり、多くの分譲マンションでは個人でそれぞれ防鳥ネットを張るなどの対策を講じています。ただし、防鳥対策は分譲マンションによって異なるため、一度お住まいのマンションの管理規約を確認してみましょう。
5.トラブルを未然に防ぐポイントを解説
ここまでマンション大規模修繕工事に伴うトラブルと、生活上で発生するトラブルをご紹介してきましたが、トラブルを未然に防ぐための対策は、ある程度しておくことが重要になります。
そこでここからは、それぞれの立場でトラブルを防ぐポイントをご紹介していきます。
5-1.トラブルの発生を想定して計画する
マンション大規模修繕だけに限らず、どんな工事でもトラブルが1件も発生しないということは無いと考えておきましょう。
マンション大規模修繕は居住者の方が、普段の生活をしている中で行う工事なので、トラブルが発生することを想定して計画を進める必要があります。
ここまで、工事の施工前・施工中・施工後で発生するトラブルをご紹介しましたが、予測されるトラブルに対して、マンション側と施工業者側である程度の対策方法を用意しておくと、突発的に発生するトラブルに柔軟に対応できるようになります。
特に施工中については、騒音・振動・臭い・ホコリが発生することを想定して準備するなど、トラブルの原因を想定した計画が重要であり、施工業者を含めてしっかりした計画を立てておくことが重要になります。
5-2.居住者側で実施するトラブルを防ぐポイント
居住者側で実施するトラブルを防ぐポイントとして、まずは安心して任せられる施工業者を選定することが最も重要になります。
施工前の着工説明会から施工中も、マンション居住者や近隣住宅とのコミュニケーションを密に行うなど、施工業者の技術力だけでなく、対応力もしっかりチェックしなければなりません。
また、生活上のトラブルに関しては、マンション管理組合または管理会社に相談して、すべての住人に注意喚起してもらうことが一番の予防になります。
施工業者の選定方法については「大規模修繕の施工業者の探し方と選ぶときのポイントを解説」
https://large-scale-repair.com/list/vendor/
こちらで詳しく解説しているので、施工業者の選定でお困りのマンションの方は合わせてご覧ください。
5-3.施工業者側で実施するトラブルを防ぐポイント
施工業者側で実施するトラブルを防ぐポイントは、トラブルが発生する可能性がある工事を行うときは必ず周知徹底を行うことです。
騒音・振動・臭いが発生する工事を行うときは、対象エリアのご家庭に案内を配布するほか、洗濯物に関しても、作業掲示板に「洗濯物が干せる日・干せない日」を掲示するなど、徹底して行うことでトラブルを最小限に防ぐことができます。
また、出入する作業員に対しても、部屋の中を覗かない、タバコは所定の場所で吸う、ゴミは所定の場所に捨てるなどの教育も徹底して行い、居住者とのトラブルを未然に防ぐ必要があります。
5-4.近隣住宅とのトラブルを防ぐポイント
近隣住宅とのトラブルを防ぐ一番のポイントは、とにかく密にコミュニケーションを取ることです。
着工前の近隣挨拶はもちろん、施工中も大きな騒音・振動が発生する工事を行うときは、事前に挨拶に伺うなど苦情が来ることを想定した対応が重要になります。
またマンション側も、近隣住宅からの苦情に対して、知らないという態度を取ってしまえば問題が大きくなってしまうので、苦情に対しての対応マニュアルや緊急連絡体制などの準備はしておきましょう。
以上のように、大規模修繕工事でのトラブルを防ぐためには、施工業者がしっかり対応しなければならないので、まずは安心して任せられる施工業者の選定が最も重要になります。
6.まとめ
マンションの大規模修繕では、しっかり対策していても施工前なら施工後までトラブルはつきものです。
今回は大規模修繕の施工前、施工中、施工後に分けてよくあるトラブルとその対策についてご紹介しましたが、万一トラブルが発生したときも慌てずに対応することが大切です。
また、生活上のトラブルのQ&Aも合わせてご紹介しましたが、多くのトラブルはマンション内のコミュニケーション不足が一番の要因です。管理組合や管理会社とともにマンション内のコミュニケーションを図っていきましょう。
ほかにも、管理会社や施工会社、設計コンサルタントなど業者と施主間でのトラブルもあり、お困りの方からの問い合わせもございます。どのような事例があるのか4つのポイントにまとめましたので、 「まずは確認!大規模修繕の代表的な4つの危険ポイント」 をよければご参照ください。