マンション大規模修繕を失敗しないための進め方!まずはスケジュールを決める!

大規模修繕を失敗しないためにまずはスケジュールを決める!

マンション大規模修繕を失敗しないための進め方!まずはスケジュールを決める!

大規模修繕工事を初めて計画するマンションでは、何から手をつけていいのか、基本的な進め方が分からないのではないでしょうか?

準備段階だけでも、工事内容の検討から予算案の作成・コンサルタントや施工業者の選定などなど・・・。
一言で大規模修繕といってもやることが多く、進め方を間違えてしまうと最終的に失敗してしまう可能性があります。

そこで、大規模修繕の実施にあたって重要になるのが「スケジュール」を決めることです。この記事では、マンション大規模修繕の一般的なスケジュール案や、工事を着工するまでの失敗しない進め方をご紹介していきます。

特に初めて大規模修繕を計画するマンションの関係者の方は、是非参考にご覧ください。

このページの目次

1. まずは大規模修繕のスケジュールを決める!

まずは大規模修繕のスケジュールを決める!

そもそも「大規模修繕工事」とは、月日の経過によって生じる経年劣化や損傷・不具合を修繕して、居住者の生活水準の向上や資産価値の維持向上を図るために行われる、マンション最大のイベントです。

主にマンションの「共用部分」に発生した劣化や損傷に対して修繕工事を行いますが、工事が着工するまでの準備段階からやることが多いため、進め方を間違えてしまうと最終的に失敗してしまう可能性もあります。

そこで、大規模修繕の実施にあたっては、工事が着工するまでのスケジュールを決めることが重要になるのです

1-1. 大規模修繕は早くて2年、遅くても1年前にはスケジュールを決めて準備にとりかかる

マンション大規模修繕は一般的に「12年周期」で計画するマンションは多いですが、早くて2年前、遅くても1年前からスケジュールを決めて準備を進めるのが一般的です。

それは大規模修繕の実施にあたって、準備段階で検討して実施しなければならない内容が多いからです。
後ほど詳しく説明しますが、マンション内の体制を整えることから始まり、コンサルタントの選定・建物劣化診断の実施・工事内容および予算計画の策定・施工業者の選定など、遅くとも1年前からしっかりスケジュールを立てて準備を進めなければなりません。

スケジュールを立てずに行き当たりばったりで準備を進めてしまうと、工事がスムーズに着工できないのはもちろん、最終的に失敗してしまう可能性もあるのです。

1-2. 大規模修繕工事を着工するまでの一般的なスケジュール案

初めて大規模修繕を計画するマンション関係者の中には、スケジュールといってもどんな項目をいつ実施すればいいのか、分からない方もいるのではないでしょうか?

そこで、1年前から準備を始めるマンションを例に、大規模修繕工事を着工するまでの一般的なスケジュール案を、ご紹介いたします。

大規模修繕工事の着工までのスケジュール案

実施項目予定期間
マンション内の体制作り
(総会開催および修繕委員会の立ち上げ
コンサルタント会社の選定)
着工12~11ヶ月前
(2ヶ月)
建物劣化診断の実施着工10~9ヶ月前
(2ヶ月)
診断結果を基に修繕計画・概算資金計画案の作成着工8~7ヶ月前
(1ヶ月)
施工業者の選定着工6~5ヶ月前
(2ヶ月)
最終資金計画の作成および臨時総会の開催着工4ヶ月前
(1ヶ月)
施工業者と工事請負契約書の締結着工3ヶ月前
(1ヶ月)
施工業者による着工準備着工2ヶ月前
(1ヶ月)
施工業者主催の工事説明会の開催
(マンション内の集会場などを利用)
着工1ヶ月前
(1ヶ月)
大規模修繕工事の着工

あくまで案ですが、基本的な進め方は以上のようになり、1年前から準備を進めるマンションは、最初にマンション内の体制作りを始めますが、体制作りの段階でコンサルタント会社を選定すれば、以降の実施項目に対して適切なアドバイスが得られるようになります。

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2. マンション大規模修繕が着工するまでのスケジュール!失敗しないための進め方

マンション大規模修繕が着工するまでのスケジュール!失敗しないための進め方

どんな工事にもいえますが、特にマンション大規模修繕の実施にあたっては、工事が着工するまでの進め方が重要になります。

そこでこの項では、前項でご紹介した大規模修繕工事の着工までの、スケジュール案の実施項目について、それぞれ詳しい実施内容を説明していきます。ただし、あくまで一般的な実施内容なので、マンションの現状に合わせて進めていくことが大切です。

2-1. 進め方➀:管理組合理事会総会の開催

大規模修繕工事の実施予定の遅くても1年前を目安に、マンション管理組合の理事会総会を開催し、工事の実施に対して決議を行います。

計画を進めるタイミングの目安として、大規模修繕の実施時期について業界では「春工事(2月~6月)」「秋工事(8月~12月)」が望ましいと言われています。あくまで目安ですが、理事会総会の中で翌年の何月に着工するのか決めて、それに向けてスケジュールを組めば進めやすくなります。

決議の有無はマンションによって異なりますが、意識を統一する意味でも理事会総会を開催する必要性は高いといえます。

2-2. 進め方➁:修繕委員会の立ち上げとコンサルタント会社の選定

臨時総会で決議が降りたら、マンション内の体制作りとして「修繕委員会」を立ち上げます。
修繕委員会は、マンション管理組合で構成する大規模修繕工事を進めるための専門委員会になり、委員の人数に決まりはありませんが、一般的に5人〜10人程度の委員で構成します。

修繕委員会の立ち上げ方などは「大規模修繕の修繕委員会とは?修繕委員会の立ち上げ方」こちらで詳しく紹介しているので、立ち上げ方が分からない方は合わせてご覧ください。

また、修繕委員会の立ち上げとともに、コンサルタント会社に設計および監理を依頼します。
一般的に「設計監理方式」と呼ばれる発注方式になりますが、工事の実施にあたっては、建築的な知識がある程度求められるため、大規模修繕ではコンサルタントが欠かせない存在になります。

コンサルタントを選定するメリットや選び方などは「マンション大規模修繕のコンサルタント選定方法を詳しく解説!」こちらで紹介しているので、コンサルタントとは何か知りたい方は合わせてご覧ください。

2-3. 進め方➂:建物・劣化診断の実施

大規模修繕の実施に合わせて、事前に建物劣化診断を行います。
建物劣化診断は、建物診断会社や設計事務所・建設会社などに依頼しますが、現状で発生している劣化や損傷・不具合を把握するために行われます。

また建物劣化診断と合わせて、実際に生活している居住者を対象にした「居住者アンケート」を実施して、建物劣化診断で発見できないような損傷や不具合も把握していきます。

建物劣化診断の必要性や費用については「大規模修繕の建物診断・劣化診断とは?実施する目的や費用を解説」こちらで紹介しているので詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。

2-4. 進め方➃:修繕計画および概算予算案の作成

建物劣化診断および居住者アンケートの結果を基に、修繕計画および概算予算計画を策定していきます。

その際、コンサルタント会社が修繕工事の必要性を判断して、部分別に優先順位や先送りできる部分などを決めてくれるので、一度の工事で無駄なく修繕工事ができるようになります。その結果、工事費用を抑えることも可能になるのです。

2-5. 進め方➄:特に重要なのが施工業者の選定

大規模修繕を行うのは施工業者であり、準備段階の進め方の中で特に重要になるのが、施工業者の選定です。
施工業者の選定についても、コンサルタント会社に設計監理を依頼していれば、的確にサポートしてくれます。

「どうやって施工業者の選定を行うのか?」について、一般的に以下のような流れで施工業者を選定していきます。

マンション大規模修繕工事に伴う施工業者選定の流れ

➀住人推薦もしくは、一般公募で施工業者を広く募集する
➁見積もり参加業者の決定
➂現地説明会および見積もり依頼
➃見積書の徴収から見積もり内容の比較検討
➄施工業者とのヒアリング、およびプレゼンテーションの実施
➅施工業者へ内定通知書の送付

施工業者選定において技術面はもちろん重要ですが、居住者への配慮や安全対策など、工事以外の部分でのサービスをしっかり行ってくれる施工業者の選定が重要になります。

施工業者の選定については「マンション大規模修繕の施工業者の探し方と選ぶときのポイント」こちらで選定方法や注意点を紹介しているので、施工業者選定でお困りの方は参考にご覧ください。

2-6. 進め方➅:最終工事予算の決定および臨時総会の開催

工事を依頼する施工業者が選定できた段階で、コンサルタントの助言を仰ぎながら最終工事予算の策定を行います。

最終的な工事予算が確定したら、マンション理事会で臨時総会を開催して最終決議を行います。
その際、修繕委員会は総会資料として施工業者が決定するまでの経緯を資料としてまとめます。

特に施工業者の選定方法や最終的に選定した理由は、総会の出席者に納得してもらえるように、選定した施工業者の優れている点など詳細にまとめておくようにします。

2-7. 進め方➆:施工業者との工事請負契約の締結

臨時総会で最終決議がおりたら、施工業者と工事請負契約の締結を行います。

工事請負契約書は施工業者側で作成しますが、工事名・工事場所・工期・請負金額といった一般的な内容のほかに以下のような項目も記載されています。

大規模修繕工事の工事請負契約書の内容

・支払い条件(出来高と引き渡し時)
・工事完成保証(瑕疵保証期間)
・瑕疵保険への加入の有無

工事請負契約書は作成する施工業者によって多少異なりますが、支払い条件や瑕疵保証期間などの確認は忘れずに行いましょう。

2-8. 進め方➇:施工業者主催の工事説明会の開催

工事着工の1ヶ月前を目安に、施工業者がマンション居住者全員を対象にした、工事説明会を開催します。
説明会では、施工業者の現場代理人が工事内容や工程を説明するほか、工事中の安全・防犯対策などの注意事項も説明されるため、各家庭で一人は出席しておく必要があります。

開催場所はマンション内の集会場や、そのような施設がないマンションでは、近くの会議場などが使われます。

施工業者の工事説明会が終われば、無事工事の準備は完了ですが、まずはスケジュールを決めることが重要です。
そして工事着工の1年前を目安に、マンション内の体制を整えて準備を始めることができれば、工事がスムーズに着工できるようになります。

3. まとめ

マンション大規模修繕は、準備段階から実施しなければならない項目が多いので、遅くても1年前にはスケジュールを決めて準備を進める必要があります。

今回は大規模修繕工事を着工するまでの、一般的なスケジュールをご紹介しましたが、進め方を間違えてしまうと工事がスムーズに着工できない恐れがあります。まずはマンション内の体制を整えたうえで、コンサルタント会社に設計監理を依頼すれば、パートナーとして的確なアドバイスが得られるようになります。

ただしご紹介した進め方は、あくまで一般的な大規模修繕の進め方なので、マンションの実情に即したスケジュール調整が重要だといえます。

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