岩手県の大規模修繕でよくある相談お問い合わせ&トラブル事例
一時は震災の影響で経済規模が大きく縮小したものの、復興需要などに経済は持ち直しを見せており、直近では生産活動・個人消費とも堅調に推移しています。これに伴い、有効求人倍率も堅調で雇用環境は改善しています。
加えて、仮設住宅の入居期間終了に伴う需要喚起も見込まれることから、住宅に関わる市況環境は良好と言えるでしょう。
このページでは、岩手県内で大規模修繕を考えているマンション・アパートの方へ、ほかのマンションからの大規模修繕に関する相談お問い合せ例と、よくあるトラブル事例をご紹介いたします。
このページの目次
1.岩手県の大規模修繕工事のお問い合わせ例
まず、岩手県の特長について、築10年以内の物件は震災の影響を受けた地域に多く見られる点です。よって、大規模修繕の需要はこれから増加するものと思われます。また、自然災害に関する関心も高く、問い合わせをよくいただく地域でもあります。
ここでは、岩手県の大規模修繕工事に関わる問い合わせの事例をご紹介します。
1-1.問い合わせ1:工事用の足場を使用した空き巣被害とは?
マンションの壁面やバルコニーなどを塗装したり補修したりする際は、マンション全体を覆うように足場を設置します。高所の作業効率化のためなのですが、残念なことに、この足場を利用した空き巣などの犯罪が報告されており、その防犯に関するお問い合わせです。
【お客様の基本情報】
建物種別:分譲マンション(SRC造12階)
建物住所:岩手県盛岡市
相談カテゴリー:外壁、塗装、ベランダ・バルコニー
建物概要:築年数2000年、総戸数84戸
【お客様の悩み】
12階建ての高層マンションですので、作業の都合上、足場を組みます。この足場は、入居者のバルコニーの前に設置するため、空き巣などの被害が気になります。防犯対策について教えてください。
【大規模修繕支援センターからのご返答】
確かに、犯罪の事例が報告されていますので、何らかの対策を講じる必要があり、当事者である居住者と施工業者、両方の協力が必要です。
まず、入居者に対しては戸締りを促しましょう。ベランダのガラス戸の鍵を閉めることや、窓の戸締りをすることを周知徹底することが重要です。
次に、施工業者に対しては、専用のヘルメットや腕章・ベストなどの着用を義務付けましょう。また、夜間が心配ですので、足場の入り口に鍵付きの扉を設置したり、防犯カメラや人感センサータイプ付き照明を設置したりする方法もあります。
さらに付け加えると、施工業者を選定する段階で、工事期間中の防犯対策を講じてくれる会社を選ぶことが大切です。
【お客様の声(対応後のアンケート内容)】
ご意見、参考になりました。
施工業者とも相談しますが、水際で防ぐ意味では、事前と工事期間中の居住者への案内をしっかり行い、防犯の意識を高め、戸締りや施錠の徹底を促します。
1-2.問い合わせ2:修繕委員会を設置する際の手順や注意事項を教えてください
初めての大規模修繕工事を控えて、管理組合の業務負担の軽減から大規模修繕専門の組織として「修繕委員会」を設置したいが、手順や注意事項が分からないので教えて欲しいとの問い合わせをいただきました。
【お客様の基本情報】
建物種別:分譲マンション(SRC造12階)
建物住所:岩手県盛岡市
相談カテゴリー:委員会
建物概要:築年数2008年、総戸数170戸
【お客様の悩み】
築年数が10年を超え、そろそろ大規模修繕工事を予定しています。管理組合の通常業務に加えて大規模修繕の業務をこなすのは、非常に大きな負担になります。現在のメンバーだけで処理可能な仕事量ではなさそうですので、専門のプロジェクトチームとして「修繕委員会」を立ち上げようと考えていますが、手順や注意事項が分かりません。
【大規模修繕支援センターからのご返答】
大規模修繕工事は、マンションを維持していくうえで最も重要な工事です。ご察しのとおり、大規模修繕工事は仕事量も多く内容も濃いので、組合だけで対応するのは負担が大きいと考えます。
そこで検討したいのが修繕委員会の設立です。
まず、修繕委員会の位置づけですが、この組織は管理組合の下部に位置し、専門的な項目を検討する組織になります。つまり、検討材料を提示して助言する、管理組合の補佐という立場です。
ここで注意したいのが、この組織には決定権がない点です。最終判断は管理組合が行うのです。この点は間違わないように認識を周知徹底する必要があります。
何故なら、修繕委員会は専門的に検討を行うためこの分野に精通するようになります。精通したがために、時として組合運営に過分に干渉するケースが見られます。規約でも管理組合の権限は明確にされていますので、この立場を間違うと組合の運営が回らなくなります。
管理組合で修繕委員会の設置が決議されると、委員会メンバーの募集に移ります。
委員会のメンバーは公募するのが一般的ですが、募集に際しては下記に注意してください。
・募集にいたる背景や理由、目的を明確にする。
・委員会の役割、権限を明確にする
・委員会の活動期間
募集の対象者は管理組合に懇意の方でもいない限り初めて内容を知りますので、募集にいたる背景や理由、目的をはっきり伝えましょう。
次に、修繕委員会の重要性と役割・権限について説明しましょう。モチベーションに関わるところですので、非常に重要です。また、管理組合の補佐としての位置づけで検討材料を集めることが仕事である点は、活動が始まってから重要になりますのでしっかり説明しましょう。そして、期間の提示ですが、これは月日と作業内容と両方の提示が理想です。月日は凡その目安とし作業途中では解散できませんので、その点を明記しましょう。
【お客様の声(対応後のアンケート内容)】
修繕委員会の設立に関するアドバイスをいただき、大変参考になりました。特に、単にメンバーを集めるだけでなく、後々の委員会のコントロールも考慮したポイントは、是非取り入れたいと思います。
1-3.問い合わせ3:長期修繕計画の変更や見直しはどのような場合に起こるのでしょうか?
管理会社より修繕積立金の増額の提案がありました。5年前に増額したにも関わらず、再び提案があったことに不信感を持っています。長期修繕計画の変更や見直しは、頻繁に行わるものなのか、どのような場合に行われるのかとの問い合わせがありました。
【お客様の基本情報】
建物種別:分譲マンション(SRC造9階)
建物住所:岩手県大船渡市
相談カテゴリー:トラブル、費用、時期、周期、改修工事、修繕費、修繕積立金
建物概要:築年数1993年、総戸数38戸
【お客様の悩み】
今回、管理会社より修繕積立金の増額の提案がありました。老朽化に早めに対応するために長期修繕計画を変更し、それに伴い修繕積立金が増額になるとのことでした。しかし、5年前にも今回同様、老朽化に対応するために入居者の同意のもと増額しています。つい最近上げたばかりなのに・・・と、今後もこのようなペースで増額になるのか心配の声が上がっています。長期修繕計画の変更や見直しは、どのような場合に、どの程度の頻度で行われるのか気になります。
【大規模修繕支援センターからのご返答】
大規模修繕工事は大きな出費を伴います。この費用を工事のタイミングで一度にまとめて回収すると、入居者に大きな負担を強いることになります。そこで、事前に計画的に積み立てることで負担を分散・軽減するのが「修繕積立金」です。
そして、この「修繕積立金」を算出する根拠になるのが「長期修繕計画」です。ビル・マンション・アパートは年々劣化しますので、いずれは修繕・リニューアル工事が必要になります。
過去の実績や製品の寿命から、工事のタイミングを逆算して「長期修繕計画」を策定し、それに基づいて算出される概算の金額が「長期修繕積立金」です。
よって、劣化の状況がひどくなると修繕積立金も増えることになります。つまり、築年数と修繕積立金は、概ね比例する傾向にあります。
次に、修繕計画を見直す必要性についてご説明いたします。計画の見直しには大きく内的要因と外的要因に分かれます。内的要因とは、物件の状況や立地など起因する固有の要因です。外的要因とは、自然災害の被災や法律・安全基準の改正、技術工法の革新など外部の要因になります。
一般的に、大規模修繕の周期は12~15年が適当と言われていますが、上記の要因を踏まえると計画の見直しは3~5年程度が妥当と考えます。特に「技術工法の革新」はコストダウンの可能性がありますので、修繕工事に関連しそうな情報は普段からアンテナを張るようにしましょう。
最後に見直しの際は、管理会社任せにするのではなく積極的に参加してください。特に、施工会社の選定の際は、管理会社にも理解のうえ相見積もりを取得するようにしましょう。
【お客様の声(対応後のアンケート内容)】
今回の問題にあたっては、再度、管理会社から説明を聴き、相見積もりを取得するようにしました。また、後手に回ることがないように、普段から物件管理に関わる情報を取得することに気を配ります。また、何か発見した際は、こちらから逆提案するなど積極的に関わることが重要であることが分かりました。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
- 優良コンサルタントや施工会社を無料紹介している
- 専門相談員による無料相談ができる
- 大規模修繕工事についての情報を集約している
大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.岩手県の大規模修繕工事で多く見られるトラブル事例
大規模修繕では様々なトラブルが起こります。工事中は勿論、工事前後に渡ります。今回は、当センターに寄せられた岩手県内でのトラブルの中から3例をご紹介いたします。
2-1.トラブル事例1:修繕積立金の変更で紛糾!
【トラブルカテゴリー】:トラブル、修繕積立金
【建物概要】:岩手県宮古市、築年数1995年、総戸数28戸
【トラブル内容】:今回、2度目の大規模修繕工事を実施し、工事自体は無事に完了しました。施工業社から実施報告の後、管理会社から今後の計画案の提示があり、そこで場内が騒然となりました。今回の修繕工事で想定より躯体の老朽化が進んでいることが判明したとのこと。修繕積立金を増額する必要があり、入居者の負担が増えることに場内が紛糾しました。入居者それぞれに事情があるので、個人負担が増える内容については、より慎重を期すべきでした。
2-2.トラブル事例2:大規模修繕で工事車輌を止める場所が!
【トラブルカテゴリー】:トラブル、近隣
【建物概要】:岩手県盛岡市、築年数1998年、総戸数84戸
【トラブル内容】:工事現場には建築資材や機材などを運ぶ車輌が出入りします。大規模修繕工事での車両台数は通常の工事現場の比ではありません。そこで問題になるのが駐車スペースです。今回のケースでは、当初予定していた車輌分は確保していたのですが、追加工事が発生したため急遽手配を依頼しました。そして、建築資材を運搬するトラックが到着したのですが、駐車スペースがないためマンションの前道に駐車しました。一時的な駐車だったのですが、トラックが大型であったことと交通量の多い道路であったこともあり、近隣住民からクレームが入りました。想定外の事態に備えて、緊急車輌用の駐車スペースまで確保すべきだったと反省しました。
2-3.トラブル事例3:壁面から白い液体が浸み出した跡が!
【トラブルカテゴリー】:躯体、外壁、塗装、不具合、老化
【建物概要】:岩手県北上市、築年数2001年、総戸数36戸
【トラブル内容】:マンション北側壁面から白い液体が浸み出した跡が見られるようになりました。1年前の大規模修繕工事の際に同様の現象が確認されており、対策したものと思っていたところの再発でした。施工業者に確認したところ、浸み出した汚れはコンクリートの成分「エフロレッセンス」であるとのこと。外壁塗装の際は、前処理をしてから塗装するところ、この処理が抜けていたことが判明。業者の責任で対応していただきました。
4.大規模修繕支援センターの4つのお約束
5.大規模修繕支援センターのご利用の流れ
5.岩手県の大規模修繕対応エリアについて
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