大規模修繕工事の打替え(うちかえ)とは
大規模修繕工事の打替え(うちかえ)とは、建築用語では、既存の古いシーリング材を撤去して、新しいシーリング材を充填することです。
しかし、そもそも、シーリングとは何かを知る必要があります。シーリングとは、コーチングあるいはシールともいわれる加工方法で、外壁の目地や、キッチンの流し台と壁の間、風呂場の浴槽と壁の間などに埋める、ペースト状のゴム材のことです。シーリングとコーチングは厳密には違うものとされていますが、互換が可能な言葉としてよく使われています。
シーリングは、水密性、気密性を保つための建築材です。とくに、外壁では、目地の隙間から雨水が浸入するのを防いでくれます。また、クッションのように建物の揺れを吸収してくれる働きもしています。
このシーリング材が硬くなって劣化したときに、古いものを取り除いて、全く新しいものを打ち込むのが、打替えである、というわけです。
これに対し、古いシーリング材をそのままに、上から新しいシーリング材を打ち込むことを、増し打ち、といいます。
このページの目次
1.打ち替えのメリット・デメリット
打替えには、先打ちと後打ちがあります。先打ちは、外壁を塗装する前に打替えること、後打ちは外壁塗装の後に打替えることです。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
1-1.先打ちと後打ちのメリット
先打ちのメリットは、シーリング材の上に塗装剤が塗られるので、塗装剤によって紫外線や風雨から保護され、シーリングの劣化が遅くなる、という点です。
後打ちのメリットは、塗装の上からシーリングを注入するので、塗装表面の割れがないため、きれいな状態を保てることです。
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2.大規模修繕工事における打替えのまとめ
打替えの手順ですが、まずカッターなどで既存のシーリング材を全て撤去します。
次に、プライマーと呼ばれる下塗り材を、ムラなく塗布します。
そして、新しいシーリング材をたっぷり多めに注入します。多めに注入して厚みを出すことで、次の打替えの時期までの持ちがよくなります。
ヘラで余分なシーリング材を取り、ならします。
最後に養生テープを外して完成です。
大規模修繕工事の周期とシーリング材の寿命とはほぼ同じであるため、一般的に大規模修繕工事の際に打替えをすることが多いでしょう。
増し打ちに比べて、打替えは撤去作業が入る分、コストがかかりますが、増し打ちでは充分な防水性を保証できません。大規模修繕工事の機会に、打替えをするのがベストと言えるのです。