大規模修繕工事の主要構造部とは
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1.大規模修繕工事の主要構造部とは
大規模修繕工事の主要構造部(しゅようこうぞうぶ)とは、壁、柱、床、はり、屋根、階段などです。構造上重要でない最下階の床、基礎、間仕切り用の壁、間柱、つけ柱、局所的な小階段なども主要構造部から除外されています。主要構造部とは消防や防火の観点から定められたものです。
主要構造部は火災での延焼、類焼を防ぐことを目的に規定されたものです。この主要構造部とは安全、防火及び衛生に関わる最も重要な構成部分といえます。主要構造部は防火のため必要な個所、と考えると理解が進みます。例えば、基礎は建物の構造上はとても重要な部分です。ところが防火や避難の観点からは重要とはいえません。このため、基礎部分は主要構造部には含まれていないのです。間仕切り用の壁が含まれていないのも同様の理由になります。
主要構造部は防火の観点から多くの規定が定められています。例えば多くのマンションは耐火構造という、火災に強い構造です。これは火災になっても一定時間以上炎に耐えるように要求されています。また、似たような言葉に防火構造があり、これは火にさらされても燃えにくい構造のことです。主要構造部についての厳しい防火、耐火規定をクリアしているため、多くのマンションは火災に強い構造となっています。
主要構造部と似た言葉に構造耐力上主要な部分があります。主要構造部が消防の観点からの分類であるのに対し、構造耐力上主要な部分は力学的な観点からの分類です。このため、構造耐力上主要な部分が木材で構成されていれば木造、鉄筋コンクリートでできているならば鉄筋コンクリート造という具合になります。木造、鉄筋コンクリート造以外には鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造が一般的です。一般感覚でいう構造はこちらの構造耐力上主要な部分になります。この点は法律の読み方に注意が必要です。
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2.大規模修繕工事における主要構造部のまとめ
居住者や利用者が主要構造部について深い知識は特に必要ありません。ただ、マンションが火災にあっても倒れたりしないのは、主要構造部が火災に強いつくりとなっているから、ということは覚えておきましょう。一方、管理組合などで大規模修繕工事に関わる場合は、工事の内容を理解するためにもこうした知識が必要となります。主要構造部と構造耐力上主要な部分は専門家でも間違うような複雑な部分です。建築士並みでなくとも基本的な用語と知識は押さえておきましょう。