大規模修繕工事の遮光性塗料(しゃこうせいとりょう)とは
大規模修繕工事の遮光性塗料(しゃこうせいとりょう)とは、太陽光を遮蔽する機能を持つ塗料です。
似たような名前の塗料に「遮熱塗料」がありますが、遮熱塗料は「熱」を遮蔽するものであり、「光」を遮断する機能をもつ遮光性塗料とその機能は全く異なります。
遮光性塗料は、おもにマンションなどにあるFRP受水槽(繊維強化プラスチック製の貯水槽)に使われています。
このページの目次
1. 遮光性塗料の特徴
遮光性塗料は、その優れた遮光性の高さから「光を透過させたくない箇所」に使用するものであり、FRP受水槽もそのひとつです。
FRP受水槽は水道水を貯水するものですが、その水の中には殺菌しきれない微量な藻(も)類が含まれています。
藻類は光合成を行うことで繁殖する生態のため、FRP受水槽内に太陽光が入ると繁殖を助長してしまう可能性があります。
遮光性塗料は、太陽光を遮断することで藻類の繁殖を防ぐ役割があり、ここではその特徴を具体的に説明します。
1-1. 遮光性塗料の特徴1:FRP受水槽の藻類の繁殖を防ぐ
比較的大きな建物に設置されることが多い受水槽ですが、その種類はいくつかあり、FRP受水槽もそのひとつです。
FRP受水槽は、ステンレス製の受水槽に比べて設置費用が安く済むメリットがあり、集合住宅や公共施設の多くで見かけることがあります。
しかしFRP受水槽は設置費用が安い一方で、種類や厚みによっては光を透過しやすい構造となっており、光合成により藻類が繁殖してしまう可能性があります。
そのため、FRP受水槽内に透過する光を遮断し藻類の繁殖を防ぐため、遮光性塗料が使われやすくなっています。
1-2. 遮光性塗料の特徴2:FRP受水槽の修繕に適している
FRP受水槽が経年劣化により痛みが進むと、いずれ更新が必要です。
劣化の進行が早く更新周期が想定より短くなると、結果的に耐久性に優れるステンレス製の受水槽を設置したほうが良かったという話になりかねません。
そうした事態を防ぐためにも、計画的に一定周期で遮光性塗料を塗布することで結果的にトータルコストを抑えることが合理的です。
また、遮光性塗料はFRP受水槽の外側から塗布できるため、施工性に優れるだけでなく、上塗りが可能な仕様もあるため修繕に適した塗料といえます。
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2. 大規模修繕工事における遮光性塗料のまとめ
遮光性塗料は太陽光を遮断するという特性から、光の透過を嫌うFRP受水槽の塗布する際に使われやすい塗料です。
また、受水槽の外側からの塗布や将来的に上塗りが可能など、施工面のしやすさからも修繕に適した塗料といえるでしょう。