大規模修繕工事の笠木(かさぎ)とは
大規模修繕工事の笠木とは、マンションの場合、屋上の立ち上がりやベランダの手すり、共用部分の廊下の手すりの上部などに使われている、仕上げ材のことです。プラスチック製や金属製のもの、室内の階段の手すりの上部に使われる木製のものや、戸建ての家の周囲の塀に使われるコンクリートや石材でできたものまで、豊富な種類があります。
役目としましては、主に雨水から躯体を守る働きをします。屋上の立ち上がり部に付ける笠木には、屋上の内側に向けて傾斜が付いており、雨水が外壁側には流れていかないような造りになっています。
このページの目次
1.笠木の種類
現在の笠木には、デザイン性の高いものだけでなく、さまざまな機能性を備えたものがラインアップされています。雨水から建物を守るだけではないのです。数ある製品の中から、ここでは3種類だけ取り上げます。
1-1.笠木の種類1:オープンジョイント方式
オープンジョイント方式では、シーリング(つなぎ目に注入するゴム材のこと)を使用しないので、結露や熱伸びの影響を大幅に削減します。また、ワンタッチ施工なので、 職人の方のスキルの差による施工精度のばらつきがなくなります。さらに、凹凸の付いた水道(みずみち)を通って雨水が流れるため、笠木の裏に水が回ってしまうのを防ぎます。
1-2.笠木の種類2:雷保護システム
落雷による災害を防ぎ、従来の突針方式にとらわれず、受雷部システムとして使用可能な笠木も開発されています。突針の代替が可能で、建物の美観を損ねません。
1-3.笠木の種類3:融雪笠木
マンションなどで、雪庇(せっぴ)と呼ばれる雪の塊が屋上からせり出し、下にいる人や物の上に落ちて損害を与えることがあります。笠木の中には、ヒーターを内蔵し雪を解かすことで、この危険を回避する造りの製品があります。
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2.大規模修繕工事における笠木のまとめ
笠木は劣化すると、風に煽られ剥がれて飛散してしまうこともあります。とくに軽い素材であるアルミの笠木は劣化に気をつける必要があります。もし笠木が飛んで行って誰かにケガをさせたりすれば、大変な問題です。
また、古い笠木ですと、笠木の隙間から雨水が入り込み腐食して建物の劣化を早める原因にもなります。
鉄筋コンクリートは内部に水がたまったら命とりですから、防水効果のある笠木の役割はとても重要です。大規模修繕工事を機に、チェックとメンテナンスをするようにしましょう。