大規模修繕工事の嵩上げ(かさあげ)とは
大規模修繕工事の嵩上げ(かさあげ)とは、建築物を、今建っているところより上に持ち上げて据えることです。ダム、堤防、戸建て住宅、そしてマンションでも使われる技術です。
ダムは需要が高くなっているのに対し、新設するには反対意見が多いのが現状です。そこで、ダムの再開発手段として、嵩上げ工事が増えているのです。
また、東日本大震災の後、堤防は十分な高さにすることが見直され、護岸のために嵩上げする必要が高まっています。
そして、近年、昔は安全だと思われていた地域にも豪雨が襲い、水害に発展することが多くなりました。床上、床下浸水に備えて、建物の土台を高くする嵩上げ工事を望む声が増加しているのです。
マンションでは基礎部分の補強や、構造の改造のために嵩上げがされる場合もあります。
このページの目次
1.嵩上げのメリット・デメリット
嵩上げはメリットのたくさんある工法です。しかし、デメリットがないわけではありません。メリット・デメリットの両方をよく考えた上で、実施するか否かを決める必要があるでしょう。
1-1.嵩上げのメリット
まず、建物を移動するのではなくそのまま持ち上げて工事をするので、一般の増改築に比べてコストがかかりません。
また、嵩上げしてできた一階部分を駐車場にもできるので、有効な土地活用です。
さらに、耐震補強や浸水対策になり、災害に対してある程度の安心感が得られます。
1-2.嵩上げのデメリット
嵩上げした分、建物が高くなるので、自分の部屋に行く際に、以前と比べて階段を余計に昇り降りしなければならないかもしれません。これはシニア世代にとっては生活のしづらさにつながりますから、マンションの住人の年齢層によっては、バリアフリーにするためになんらかの工夫をする必要があるでしょう。
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2.大規模修繕工事における嵩上げのまとめ
マンションの大規模修繕工事において、嵩上げの工事をする人気の場所は、屋上です。屋上緑化と言って、屋上に土を敷き、植物を植えることがはやっています。土や植物のおかげで断熱効果が期待できるだけでなく、二酸化炭素の削減になるからです。軽量の発泡スチロール製の袋やブロックを敷いて嵩上げし、上に土を盛って植物を植えます。軽ければ建物にかかる負荷を減らせるので、軽い素材を使うのです。
建物が古いケースでの大規模修繕工事においては、基礎部分の強化のために嵩上げをすることも、もちろんあります。
何の目的で嵩上げするにせよ、メリットの多いこの工法は、大規模修繕工事でも取り入れられる機会が増えていくことでしょう。