大規模修繕工事の樹脂モルタル(じゅしもるたる)とは
大規模修繕工事の樹脂モルタル(じゅしもるたる)とは、おもに外壁面の補修に用いられる、モルタルに樹脂性の混和材を混入した材料です。
樹脂性の混和材による化学反応で硬化させるため、通常のモルタルに比べて硬化時間を短縮できるほか、一定の柔軟性がありひび割れ等に追従しやすいといった特徴があります。
このページの目次
1. 普通モルタルと樹脂モルタルの違い
普通モルタルと樹脂モルタルの違いは、モルタルの強度を決定する「結合材」の種類によるものです。
通常使用する普通モルタルは、いわゆる「セメントモルタル」と呼ばれるもので、「セメント」が結合材の役割を持っています。
それに対し樹脂モルタルは、「樹脂」が結合材の役割を担っており、樹脂モルタルの種類には、混和材としてエポキシ樹脂を使用した「エポキシ樹脂モルタル」などがあります。
ここでは、普通モルタルと樹脂モルタルの違いについて説明します。
1-1.樹脂モルタルは硬化が早い
樹脂モルタルの特徴として、硬化時間(モルタルが固まるまでの時間)が普通モルタルに比べて短いといったことが挙げられます。
普通モルタルが水和反応で硬化に時間を要することに対し、樹脂モルタルは樹脂を化学反応で硬化させるため、短い時間で硬化できます。
また、外気温によって硬化速度が大きく影響される水和反応に比べ、化学反応は硬化速度が安定しやすいといったメリットもあります。
1-2.樹脂モルタルは追従性が高い
樹脂モルタルは、混和材としてエポキシ樹脂などを用いており、エポキシ樹脂自体の持つ柔軟性の高さから、乾燥収縮やひび割れなどの「動き」に追従しやすい材料といえます。
普通モルタルは表面強度が高く、乾燥収縮や地震などで生じるひび割れに追従できないといったデメリットがあります。
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2. 大規模修繕工事における樹脂モルタルのまとめ
樹脂モルタルは普通モルタルに比べ硬化する時間が短く、トータルの工事期間も短縮できるため、マンションなどの「居ながら工事」が前提になるような大規模修繕工事に適した材料といえます。
また、エポキシ樹脂の特徴である柔軟性も持ち合わせており、施工直後の乾燥収縮や地震などの「揺れ」によるひび割れに対し、一定の追従性が期待できます。
このほかにも、樹脂モルタルは普通モルタルに比べて重量が軽く、建物への負担が少ないといったメリットもあるため、大規模修繕工事の際にはおすすめできる材料といえます。