大規模修繕工事の浄化槽とは
大規模修繕工事の浄化槽(じょうかそう)とは、トイレ、キッチン、風呂、洗面所などから出た汚水を、浄化して川や海へ流すための設備のことです。下水道が整備されていない区域のマンションや、下水道はひいてあっても地域の汚水処理施設の規模が小さくてマンションの規模の汚水を処理しきれない場合などに、設置することが義務付けられている浄化設備です。
生活雑排水と呼ばれる、一般的な生活をしている際に出てしまう汚水を全て、何も処理せずに川へ流してしまうと、不衛生であるばかりでなく、環境破壊にもつながります。ですから、微生物によって汚水をきれいにする浄化槽は、大切な役割を果たしているといえます。
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1.浄化槽の種類
浄化槽には、今のところ2種類ありますが、1種類はもう新設してはいけないことになっています。政府としては1本化したいけれども、以前の型のものを使っている住民からの要請で、経過措置として古い型のものの使用も許している、といった事情があります。
1—1.浄化槽の種類1:単独浄化槽
トイレだけの汚水を処理するのが単独浄化槽です。昔はこちらが一般的でしたが、法改正により、2001年4月1日以降、新設してはいけないことになっています。単独浄化槽にすると、台所などから出る他の生活雑排水が川を汚染してしまうために、この法改正がなされました。
1—2.浄化槽の種類2:合併浄化槽
トイレだけでなく、キッチン、風呂、洗面所、洗濯機から出た生活雑排水を全て処理するのが、合併浄化槽です。2019年現在、正式に浄化槽と認められているのは合併浄化槽のみで、単独浄化槽は浄化槽と「みなす」という位置づけになっています。
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2.大規模修繕工事における浄化槽のまとめ
浄化槽の寿命は20年~30年なので、毎回の大規模修繕工事で浄化槽を取り換える必要はないでしょう。しかし、政府の指針として、単独浄化槽は合併浄化槽に切り替えるように、という要望があります。もし、今マンションに設置されている浄化槽が単独浄化槽であれば、合併浄化槽に入れ替える必要があるのです。
浄化槽のメンテナンスとしましては、年に一度は、有資格者による点検をするよう法律で定められています。また、管理者には、ポンプ機の調整や消毒薬の充填などが義務付けられており、浄化槽の清掃もメンテナンスの重要な部分として、おろそかにはできません。
定期的なメンテナンスをしっかりしていれば、大規模修繕工事で浄化槽に関して行なうべきことはとくにないかもしれませんが、年数がたっている浄化槽の場合には、亀裂が入っていないかなどのチェックは欠かさないようにしましょう。