大規模修繕工事の入隅(いりずみ)とは
大規模修繕工事の入隅(いりずみ)とは、壁と壁とが向き合う部分の、凹になっている角のことです。マンションの共用の廊下の壁は、凹凸がいくつもあり、入隅も多くあります。ちなみに、壁と壁とが向き合う凸部の角のことは、出隅(でずみ)といいます。
物件の内覧で、プロがチェックのために最初に見る個所が、入隅です。入隅にはそのマンションを建築した職人の丁寧さが表れるからです。入隅に大きく隙間が空いていたら、技術のない職人か、雑な職人が造った可能性が高いのです。
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1.大規模修繕工事における入隅のまとめ
入隅は、地震などのマンションの揺れで、ひび割れができやすいところです。直線部分に比べて、劣化が早いところなのです。ですから、大規模修繕工事の際には、きちんとチェックしておきたい箇所のひとつであると言えるでしょう。
入隅にできたひびは、ある程度の大きさになると雨漏りの原因になり、建物の内部から傷めてしまう結果につながりかねません。ですから、入隅の防水処理は要(かなめ)なのです。
とくに、屋上やベランダの、平面と立ち上げの部分との入隅には、入念に防水加工を施す必要があるでしょう。一般的には入隅にシーリングをしたうえで、ウレタン防水加工をします。シーリングとは、マヨネーズ状の液体を隙間に埋め、固まるとゴム状になる、継ぎ目の防水加工のことです。シーリングで、揺れに弱い入隅を守るのです。
下地処理であるシーリングを怠ると、ウレタン防水加工をしても破断してしまい、入隅に隙間ができ、せっかくの防水工事が台無しになってしまいます。シーリングの分、工賃は上がるかもしれませんが、きちんとした防水加工の効果を発揮させるためには、抜かしてはいけない工程であると言えます。
マンションなどの鉄筋コンクリート造の建物は、雨水が浸透して内部の鉄筋がサビてきてしまうのが怖いところです。鉄筋がサビてくると、爆裂現象といって、コンクリートが破裂する可能性があります。建物の著しい劣化になるのです。
建物を長持ちさせるためには、入隅の隙間のチェックが欠かせないことが、お分かりいただけたことでしょう。
入隅に加工処理するシーリングの寿命は、5~10年と言われています。ですから、12年周期が目安の大規模修繕工事は、入隅のメンテナンスを考えるのにちょうどよい機会です。大規模修繕工事の事前診断で入隅もきちんと診てもらい、適切な防水処理を施すことをおすすめします。
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