大規模修繕工事の避難設備(ひなんせつび)とは
大規模修繕工事の避難設備(ひなんせつび)とは、火災などの災害が起きた際に、施設の利用者が建物の外部に避難するために使用する避難専用の器具や設備のことです。
設置すべき避難設備は、建物の用途や規模に応じて消防法で細かく決められているほか、建物の形状や用途によっては所管消防署からの指導により設置が必要になるケースもあります。
そのため、大規模修繕工事において確実に修繕を実施するとともに、施工者独自の解釈で避難設備の位置や仕様を変えないよう注意が必要です。
このページの目次
1. 避難設備の種類
避難設備には、大きく「避難器具」と「誘導灯・標識」の2種類に分けられます。
避難器具においては「利用者が簡単に操作でき確実に機能する」こと、誘導灯・標識においては「どこからでも、どんな状況でも目視で確認できること」が求められます。
ここでは、各避難設備について説明します。
1-1. 避難設備の種類1:避難器具
避難器具は、災害時に階段が使えない場合において、別のルートから避難する際に使用する器具で、主なものとしてはマンションのベランダにある「避難はしご」や、福祉施設に設置される「避難用すべり台」などがあります。
避難器具は日常的に使用することが無い設備のため、消防訓練と合わせて劣化状況や動作確認を行うことが重要です。
長期間使用していないと、避難はしごのハッチが錆びついて開かない場合や、避難用すべり台が腐食して使いものにならないといったケースもあるため、日ごろから点検する必要があるでしょう。
1-2. 避難設備の種類2:誘導灯・標識
誘導灯・標識は、災害が起きた際に利用者を避難口の場所に誘導するための設備で、避難口を示す記号、避難方向を示す矢印、非常口とう文字などで構成されます。
誘導灯・標識は、利用者が避難する際の「案内表示」であるため、どこからでも、どんな状況でも目視で確認できることが求められます。
そのため、誘導灯・標識のサイズ・色などの規格は消防法で細かく決められており、法に則り仕様を選定する必要があります。
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2. 大規模修繕工事における避難設備のまとめ
避難設備は日ごろの点検が重要であり、災害時においては人の命に関わる設備のため、大規模修繕工事においては優先度が高い設備といえます。
また、避難設備の位置や仕様は、消防法で細かく決められているため原則変更できません。
そのため、仕様を見直す場合は、施工業者の提案を鵜呑みにして独自に判断せず、所管消防署に相談すべきでしょう。