大規模修繕工事のエキスパンジョイントとは
大規模修繕工事のエキスパンジョイント(えきすぱんじょいんと)とは、ひとつの建物において、地震や不動沈下によって異なる動き方をする構造体を切り離し、揺れや不動沈下を互いに伝えないようにするために設ける「継ぎ目」のことです。
エキスパンジョイントの「継ぎ目」には、地震や不動沈下が起きる際に生じる「建物を破壊する力」を他の構造体に伝わりにくくするため、継ぎ目となる箇所にクリアランス(隙間)を設けます。
このページの目次
1. エキスパンジョイントの基礎知識
継ぎ目のクリアランス(隙間)を塞ぐカバーは「エキスパンジョイントカバー」と呼ばれ、地震や不動沈下の際の「動き」に追従するだけでなく、降雨時に隙間からの漏水を防ぐ役割もあります。
大規模修繕工事にあたっては、こうした基礎知識を理解した上で修繕の内容を検討することが必要でしょう。
1-1. クリアランス(隙間)の確保が必要
エキスパンジョイントで一番重要なのは、クリアランス(隙間)の確保です。クリアランスのサイズは、地震で構造体が揺れた際に「隣り合う構造体がぶつからないこと」を条件に、建物の形状や高さに応じて構造計算で決めています。
エキスパンジョイントは、建物の高さが高いほどクリアランス(隙間)が大きくなり、「複雑な形状の建物」や「細長い建物」の場合は設置箇所が多くなる傾向があります。
クリアランス(隙間)が大きいほど、想定される変形が大きく漏水のリスクも高いため、状況に合ったエキスパンジョイントカバーを使うことが重要です。
1-2. エキスパンジョイントの種類
エキスパンジョイントカバーには、アルミ製とステンレス製が主流になっており、価格や重量の軽さ重視するのであればアルミ製、耐久性を重視するのであればステンレス製を使うといいでしょう。
近年では、クリアランス(隙間)をジャバラ状のカバーで塞ぐタイプもでています。
ジャバラ式は、地震などで力を受けた際に「動き」に追従しやすいだけでなく、サイズの大きいクリアランス(隙間)にも対応しやすく、カバーが落下しにくいといったメリットがあります。
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2. 大規模修繕工事におけるエキスパンジョイントのまとめ
エキスパンジョイントは建物の構造を成立させる上で必要な「継ぎ目」であり、大規模修繕工事の際も、必要なクリアランス(隙間)を小さくできません。
ただし、クリアランス(隙間)を覆うカバーに関しては、既存と種類を変えることが可能なため、大規模修繕工事の際は予算や状況に応じて仕様を見直すとよいでしょう。