大規模修繕工事の段裏(だんうら)とは
大規模修繕工事の段裏(だんうら)とは、マンションの階段の裏側部分のことです。階段を下っていく最中には、頭上に上の階までの段が見えますが、これを段裏と呼びます。上 裏(あげうら)の一種です。
階段は、とくに北側や西側に設置されている場合、風雨や紫外線や排ガス、湿気などの影響をもろに受けます。結果として、腐食してゆきやすいところなのです。
鉄骨、鉄板の接合部はケレン(サビ取り)が難しく、塗装し直してもサビ汁が出やすくなってしまいます。
また、モルタルやタイルが浮いてしまうと、そこから雨水が浸透し、段裏のサビ汁につながります。
このページの目次
1. 段裏の修繕の方法
段裏の修繕の方法には、塗装と、塩ビシートを貼る方法とがあります。それぞれについて見ていきましょう。
1—1.段裏の修繕の方法1:塗装
腐食の進んだ階段の修繕では、塗装よりもケレンが重要です。
階段の鉄骨に穴が開くなどして強度に問題がある場合は、予算の範囲内で溶接します。
そして、よくケレンした後、下塗り、中塗り、上塗りと、塗装を重ねます。場合によっては、ケレンも塗装も2回以上重ねることもあります。
1—2.段裏の修繕の方法2:塩ビシート
塗装ですとコスト的には良いのですが、雨や雪の日に滑りやすくなる、天気の悪い日が続く季節には乾きづらい、というデメリットが存在します。
そこで、側溝はウレタン塗膜防水加工にし、踏面、蹴上、踊り場には塩ビシートを貼る、という工法もあるのです。
滑り止めの付いたノンスリップ一体型の塩ビシートを貼れば、美観もアップしますし、雨や雪でも滑りづらく、シートを貼った直後から通行が可能です。
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2. 大規模修繕工事における段裏のまとめ
階段は、日常的に住民の方々が使用する場所ですから安全性が大事ですし、それが非常階段ならなおさら安全性が求められます。10年間塗装していなかったマンションの鉄骨の階段の中には、穴が開くほどサビてしまうものもあります。これではいつ壊れるか分からず、美観も損ない、マンションの資産価値を大いに低め、空室が増えてしまう可能性も否めません。階段のサビは放っておかず、なんとかしたいものです。
ですから、大規模修繕工事は、段裏も含む階段の修繕を行う良いチャンスなのです。
大規模修繕工事では、塗装がメインの工事ですから、段裏もしっかり修繕してもらいましょう。その際、必要に応じて、雨水を側溝に流すための勾配もきちんとつけてもらえるか、業者に聞いておくのも良いでしょう。