大規模修繕工事の断熱とは
大規模修繕工事の断熱(だんねつ)とは、冬は温かく夏は涼しい室内に保つために、熱を断つことです。
熱は移動します。冬場にストーブを切ると室内がどんどん冷えていきます。これは、熱が出ていった、という熱の移動の結果です。
一方、夏場にエアコンを切ると室内が蒸し暑くなっていきます。これは、熱が入ってきた、という熱の移動の結果です。
この、熱の出入りを断つのが、断熱というわけです。
このページの目次
1.断熱の種類
断熱には大きく分けて、内断熱と外断熱とがあります。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
1-1.断熱の種類1:内断熱
内断熱には、乾式断熱と湿式断熱とがあります。
乾式断熱は、水気を使わずに施工するのでこう呼ばれています。コンクリートを下地処理した後、発泡スチロールのような断熱ボードをはめ込んでいきます。材料が入手しやすい、どんなマンションにも施工可能である、などがメリットです。デメリットは隙間ができやすい点です。
他方、湿式断熱は、下地の上に発泡性の断熱材を吹き付けていく工法です。隙間ができにくい、複雑な形状でも施工が可能、などのメリットがありますが、8階以上の部屋には施工ができないなどのデメリットもあります。
1-2.断熱の種類2:外断熱
マンションの外壁をすっぽりくるむイメージで、外壁に断熱材を取り付ける工法です。外断熱の大きなメリットのひとつは、結露ができにくいので、カビやダニの繁殖を抑えることができる点です。
また、外断熱のもう一つの大きなメリットは、光熱費を抑えられることです。暖房の場合、外断熱のおかげで50%ほど電気の使用量を減らせたという結果も出ています。
外断熱のデメリットは、壁が厚くなるので敷地にゆとりのあるマンションにしか施工できないこと、耐震上懸念があることなどが挙げられます。
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2.大規模修繕工事における断熱のまとめ
外断熱は、外壁を守るため、建物の劣化を遅らせる働きがあります。クラックやサビを生じにくくさせるのです。結果として、大規模修繕工事の際に修繕する項目が減り、建物の寿命が延びます。そのようなわけで、内断熱と比べて資産価値が高く評価されますので、売却時に有利になるのです。
外断熱をすれば、マンションの外壁が30年は修繕が不要になるといわれています。年々劣化が進むと修繕費も高くなり、住民の方の同意を得ることが難しくなるのが一般的な傾向です。それが、大きな改修工事が当分要らなくなり、住民の方は快適に暮らせるのですから、大規模修繕工事のタイミングで外断熱を検討するのも、ひとつの手であるといえるでしょう。