大規模修繕工事のアルコープ(あるこーぷ)とは
大規模修繕工事のマンションのアルコープ(あるこーぷ)とは、玄関を共用廊下の壁面よりへこませて造った、くぼみの空間のことを指します。もともとヨーロッパで用いられていた構造で、部屋や廊下の壁面に造ったくぼみをアルコープと呼んでいましたが、日本ではマンションの玄関前のくぼみを指すようになりました。
玄関ポーチとの違いですが、玄関ポーチのあるマンションは、玄関前のくぼみのスペースに門扉などで仕切りを設け、門の内側は自由に私物を置けるようになっており、比較的広いスペースを専有できます。
一方、アルコープは玄関前の小さなくぼみのことであり、共有部分ですので、本来私物は置けません。
このページの目次
1.アルコープのメリット・デメリット
アルコープにはたくさんのメリットがあり、デメリットが少ないのが特徴です。だからこそ、アルコープを設けるマンションが多いのです。まず、メリットから見ていきましょう。
1-1.アルコープのメリット
アルコープのメリットは、第一にプライバシーが守られることです。凹凸のない一直線の壁面の廊下ですと、ドアを開けたときに、通りがかりの人に室内が見えてしまう可能性が高くなります。しかし、アルコープがありますと、視野が遮られるため、プライバシー保護につながるのです。
また、突然ドアを開けても、通行人にぶつかる心配がないのもメリットです。
さらに、ドアを開け放して作業したいときに、通行人の迷惑にならないことも魅力と言えるでしょう。
1-2.アルコープのデメリット
アルコープのデメリットは、玄関前が暗くなることですが、一般的にアルコープの上の天井には照明が付いていますので、デメリットというほどのことではありません。
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2.大規模修繕工事におけるアルコープのまとめ
アルコープは共有部分ですから、原則として私物を置いてはいけませんが、専有部分に感じられる造りのため、自転車や植木などの物を置く居住者も少なくありません。その結果、アルコープに物を置いてあるところと置いてないところとで、劣化の仕方に差が出てきます。そうしますと、大規模修繕工事の計画を立てる際に、区分所有者によって、「アルコープの修繕をぜひしたい」という意見と、「アルコープの修繕は必要ない」という意見とに分かれる場合があるのです。
こうしたケースでは、大規模修繕工事の業者による客観的な診断が役に立つでしょう。アルコープを業者にチェックしてもらい、本当に修繕が必要かどうかを見極めてから、大規模修繕工事に取り掛かるのが得策です。