マンション大規模修繕に伴う、その他(セキュリティ・バリアフリー・耐震対策)を解説

その他(セキュリティ・バリアフリー・耐震対策)を解説

マンション大規模修繕に伴う、その他(セキュリティ・バリアフリー・耐震対策)を解説

マンション大規模修繕工事は建物外部・内部、設備関係、外構施設が工事範囲になり、劣化状況に合わせて補修や修繕工事を行います。

そこで今回ご紹介するのが、大規模修繕に伴う「その他」の工事です。
その他といわれても何のことだか分からないと思いますが、ここでは通常の修繕工事以外の「耐震補強」と「バリアフリー化」についてご説明します。

また、工事自体には関係ありませんが、大規模修繕工事の期間中はセキュリティ上のトラブルが数多く発生しています。
その工事期間中のセキュリティ対策も合わせてご紹介いたします。

1.大規模修繕に伴うセキュリティ対策とは?

大規模修繕に伴うセキュリティ対策とは

一般的な分譲マンションでは管理組合によって長期修繕計画が立てられ、一般的に12年周期で大規模修繕工事が行われています。主に建物に生じた経年劣化や損傷を修繕するとともに、現在の住環境の水準に合わせて改修を行います。

その大規模修繕工事は施工業者が行いますが、マンション側はセキュリティ面の配慮が必要になります。
ここからは、大規模修繕に伴うセキュリティ対策についてお話していきます。

1-1.大規模修繕の施工中はセキュリティ対策を厳重に!

マンション大規模修繕では外壁を中心に建物外部の修繕を行うことから、建物周囲に足場を設置し、その周囲を養生ネットで覆います。

そのため、足場を設置している期間中の「空き巣」による被害リスクが高くなるのです。
基本的に施工業者である程度の防犯対策は施されていますが、足場が養生シートで覆われているので、仮に第三者が足場を伝って部屋に侵入しても誰も気付きません。また、作業員に成りすまして犯行を行うケースもあります。

そこで、マンション大規模修繕の施工期間中、特に足場を設置する期間のセキュリティ対策は厳重に行う必要があるのです。
ここからは、現在のマンション大規模修繕で実際にどんなセキュリティ対策が行われているのかご紹介いたします。

1-1-1.大規模修繕に伴うセキュリティ対策

マンション大規模修繕では、足場を設置するとともに養生シートで全面を覆うので外から見えない状態になります。
そのような状態を考慮して、施工業者で実施する内容は多少異なりますが、一般的に以下のセキャリティ対策は行われています。

防犯補助ロックの配布
足場に面した各部屋のサッシや、廊下に面した窓の面格子を外して作業を行うことがあります。そうした窓の内側に補助ロックを取り付けることで、第三者の侵入を防ぐ効果があるのです。

補助ロックの配布は、事前にアンケートを行い必要な家庭に施工業者から配布されます。

足場1階に鍵付き開閉ドアおよび侵入防止金網の設置
足場1階の出入口には鍵付き開閉ドアを設置するほか、最近は関係者しか中に入れないようにするための防犯対策(オートロックなど)を施した開閉ドアも採用されています。

また、足場の1階部分には外部から第三者が侵入しないための金網を設置します。

人感センサーライトの設置
夜間など暗くなって足場に侵入しようとする人を威嚇するために、人が近付くとライトが点灯する人感センサーライトを設置します。
足場1階の開閉ドア付近だけでなく、第三者が侵入しそうな部分に設置することで侵入を防ぐことができます。

作業員と分かるような腕章やベストの装着
作業員への成りすましを防止するため、施工業者の作業員は腕章やベストを装着して作業員ということを明確にします。
その腕章やベストにはナンバーが割り振られ、施工業者で厳重に管理しています。

警備員の巡回
警備会社と連携して、工事期間中は現場に警備員が配置されます。
また、工期がゴールデンなどの大型連休に重なれば、その連休期間中の巡回も行います。

マンション大規模修繕の足場設置期間中、ほとんどの施工業者は以上のセキュリティ対策を行いますが、依頼する施工業者との打ち合わせの際、どんなセキュリティ対策を行うのか確認が必要です。

1-2.居住者の防犯意識の意識統一も重要!

マンション大規模修繕工事期間中、予算は必要になりますが施工業者はご紹介した内容のセキュリティ対策を行います。
ただし、いくら厳重にセキュリティ対策を行っていてもマンション居住者の防犯意識が低いと、被害に遭うリスクが高くなってしまいます。

建物外周に設置される足場はもちろん、工事中は作業員などの出入りが多くなるので、第三者が作業員に紛れ込んでいても分からないケースがあります。そのため、マンション側も管理組合や修繕委員会が中心となって、セキュリティ対策の重要性を周知するなど行い、防犯意識を統一しておかなければなりません。

具体的には、「玄関扉は常に施錠しておく」、「外出時は配布された補助ロックで必ず施錠する」などの対策は居住者間で統一しておく必要があります。

特別難しいことではないので、周知徹底して工事期間中は確実に実施しましょう。

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2.大規模修繕に伴うその他工事(耐震対策、バリアフリー化)

大規模修繕に伴うその他工事(耐震対策、バリアフリー化)

マンション大規模修繕では、外壁や屋上、廊下や階段などに生じた劣化や損傷の修繕を行いますが、ここではその他工事についてご説明します。基本的に大規模修繕工事の予算は修繕積立金で賄うため、予算の範囲に収まるなら実施をおすすめする工事を2つご紹介します。

その工事は「耐震補強工事」「バリアフリー化工事」です。
ここからは、この2つの工事を詳しくご説明いたします。

2-1.築年数が古い(1981年5月以前)マンションは耐震補強工事の検討を!

日本は地震大国と呼ばれる通り、東日本大震災をはじめ、熊本地震、最近では北海道胆振東部地震と、数年間隔で甚大な被害を出している大地震が発生しています。

そこで、1981年5月以前に建設されたマンションには旧耐震基準で建てられている建物があるため、耐震診断を行い新耐震基準に満たない場合は耐震補強工事を検討しなければなりません。

耐震基準とは、建物が地震に耐え得る性能を定めるものです。
1978年に発生した宮城県沖地震をきっかけに1981年に大幅に改正され、現在の建物は新耐震基準で建設されています。
新耐震基準で建てられた建物は、震度5程度の地震では建物の機能を保持でき、震度7クラスの地震でも倒壊することなく人命を保護できるように設計されています。

耐震診断の結果は、構造耐震指標「Is値」で算出され、Is値が0.6未満のマンションは耐震補強を検討しなければなりません。

耐震補強の費用はマンションの状態や条件で異なるため見積もりを出してもらわないと一概に言えませんが、おおよその目安として「一戸あたり300万円~1,000万円」となっています。大規模修繕の費用相場が「一戸あたり75万円~100万円」なので、耐震補強工事を合わせて行えばかなりの予算が必要になります。

ここで朗報として、全国各地の自治体では耐震補強に関係する耐震診断や耐震設計、耐震補強工事を行う際に利用できる補助金・助成金制度が実施されています。

耐震補強を検討する際、まずはお住まいの自治体で実施されている助成金・補助金制度を確認して、利用できるようなら有効に活用しましょう。

2-2.急がれる共用部(エントランスなど)のバリアフリー化!

マンション大規模修繕では、劣化や損所の修繕とともに、現在の住環境に合わせてマンション性能をグレードアップする改良も行いますが、その中にマンションの「バリアフリー化」も検討する必要があります。

高齢化社会となった現代において、マンションの専有部はもちろん共用部のバリアフリー化も急がれます。
居住者が安心して快適に生活できるようになるほか、訪問者に対しても優しいマンションとして認識されれば、資産価値の向上にも繋がっていきます。

マンション共用部のバリアフリー化工事で一般的に行われる部分は以下の通りになります。

マンションにおけるバリアフリー化工事

・公道と敷地の段差解消
・点字ブロックの設置
・玄関段差にスロープ新設
・エントランスに自動ドアの採用
・手すり設置(廊下、階段、エレベーター内など)
・床のノンスリップ化
・エレベーターのリフォーム
・駐車場の整備(車椅子昇降用車両の駐車スペース)

以上のバリアフリー化工事をマンション内のニーズに合わせ行いますが、もちろん費用は発生します。

大規模修繕に合わせてバリアフリー化を実施すればその分費用は高額になります。そこで、耐震補強と同じように全国の自治体でマンションのバリアフリー化に関係する助成金・補助金制度が実施されているのです。

大規模修繕に合わせて共用部のバリアフリー化を検討しているマンションは、まずは自治体の助成金・補助金制度を確認して、申し込み条件に合うときは上手に活用しましよう。

3.まとめ

今回はマンション大規模修繕工事に関して、施工中のセキュリティ対策と従来の修繕とは別の2つのその他工事をご紹介しました。

大規模修繕では、外部足場を設置しその周囲を養生シートで覆うため、空き巣などの犯罪に遭うリスクが高くなります。
施工業者で厳重なセキュリティ対策は施されますが、マンション側も居住者の防犯意識の統一が必要になります。

また、その他工事にあたる耐震補強やバリアフリー化も現在のマンションには欠かせない工事です。いずれの工事も費用は高額になりますが、自治体の助成金・補助金制度を上手に活用しましょう。

大規模修繕と合わせて工事を行うことで、足場の設置費などの費用が削減できるメリットもあります。
特にバリアフリー化については、大規模修繕の計画を見直してできる範囲で実施する方向で検討しましょう。

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