大規模修繕に伴う外部金具（建具・金物）の種類と修繕・交換目安

外部金具（建具・金物）の種類と修繕・交換目安を解説

マンション大規模修繕は建物に生じた劣化や損傷を修繕するとともに、住環境をより向上するために行う工事です。
建物の様々な部分に対して工事を行いますが、外部金具、いわゆる「建具・金物」の修繕もしくは取替も行います。

代表的な建具として「玄関扉」が挙げられますが、マンションでは色々な外部金具（建具・金物）が設置されています。その設置された建具や金物も経年劣化は避けられないので、設置年数に応じて修繕もしくは取替が必要になるのです。

ここからは、マンションの外部金具（建具・金物）の種類と大規模修繕に伴う修繕・取替の目安をご紹介いたします。

1.大規模修繕に伴う外部金具（建具・金物）の種類と修繕・交換目安

マンション大規模修繕では外部金具（建具・金物）の修繕や取替を行いますが、建物のどの部分なのかご存知ですか？
まずは、マンションに一般的に設置されている建具や金物の種類を共用部と専有部に分けてご紹介しておきます。

マンションの建具・金物

【共用部】
・正面玄関（自動ドア）
・屋外鉄骨階段
・集合郵便受けおよび宅配ロッカー
・掲示板
・階数表示板
・手摺（開放廊下・階段など）　など

【専有部】
・玄関扉
・メーターボックス（MB）扉およびパイプスペース（PS）扉
・住戸名札
・窓サッシおよび網戸
・面格子
・バルコニー　物干し金物
・バルコニー　手摺　　など

以上、一般的なマンションでは、これだけの建具・金物が設置されているのです。

1-1.大規模修繕に伴う外部金具（建具・金物）の修繕・取替目安

マンションで設置される外部金具（建具・金物）をご紹介しましたが、設置年数に応じて修繕や取替が必要になってきます。

その修繕・交換目安について、「公益財団法人　マンション管理センター」で公開されている「長期修繕計画と修繕積立金」の中で設けられている修繕周期の目安をご紹介いたします。

建具・金物等

修繕工事項目	対象部位	工事区分	修繕周期（参考）
建具関係	住戸玄関ドア、共用部分ドア、自動ドア	点検・調整	12年
		取替	36年
	窓サッシ、面格子、網戸、シャッター	点検・調整	12年
		取替	36年
手摺	開放廊下・階段、バルコニー、防風スクリーン	取替	36年
屋外鉄骨階段	屋外鉄骨階段	補修	12年
		取替	36年
金物類 （集合郵便受け等）	集合郵便受け、掲示板、宅配ロッカー等	取替	24年
	各所金物	取替	24年
	屋上フェンス等	取替	36年
金物類 （メーターボックス扉等）	メーターボックスの扉、パイプスペースの扉等	取替	36年

（参照：公益財団法人　マンション管理センター｜長期修繕計画と修繕積立金）
https://www.mankan.or.jp/07_skillsupport/skillsupport.html

以上はあくまで目安ですが、一般的な12年周期で大規模修繕を計画しているマンションを想定して考えてみます。

1回目（12年目）の大規模修繕で、専有部の玄関扉や窓サッシの点検を実施して、扉に付帯するドアクローザーや蝶番などの部品に不具合があれば交換が必要。また、各部の建具や金物に塗装の剥がれや錆が発生しているときは塗装修繕を行います。

そして、2回目（24年目）と3回目（36年目）の大規模修繕で、共用部・専有部の建具・金物の取替を計画しておく必要があります。

基本的に外部金具（建具・金物）は25年～30年は使い続けられるものですが、錆などが発生しているときは塗装などのメンテナンスを行うことが大切です。

2.まとめ

長期修繕計画で大規模修繕の計画を立てるときは、外部金具（建具・金物）の修繕・取替計画も入れる必要があります。

共用部・専有部に設置している建具や金物は、ご紹介した通り12年で修繕および部品の取替を行い、36年を目安に取替を行います。あくまで目安ですが、36年も使い続ければ劣化が進むのは当然です。

また、大規模修繕の機会に限らず、建具や金物に錆などが発生しているときは、マンションの美観を維持するために、塗装などのメンテナンスは行いましょう。