マンション大規模修繕は、建物に生じた経年劣化や自然環境などが起因する損傷を補修・修繕するとともに、現在の住環境の水準に合わせて建物性能をグレードアップさせるための改修を行う工事です。建物自体はもちろん敷地内に設置している設備も含めてマンション全体が工事範囲になります。建物外、建物内、金物部分、設備関係の工事範囲でどんな工事が行われるのかある程度知ったうえで、失敗のないように大規模修繕計画を進めていきましょう。
マンションなどの建物の外部は、太陽の紫外線や雨風といった気候の変化、さらに季節ごとの気温変化などの影響を受け続けています。
そのため、鉄筋コンクリートや鉄骨で建設された頑丈な建物でも経年劣化や損傷は避けられず、とくに外部は症状が顕著に表れてきます。
そこで大規模修繕では、建物外の「躯体」、「屋根(屋上)」、「外壁」、「外構」といったエリアを中心に補修・修繕工事を施していきます。
工事は施工業者に依頼しますが、建物外でどんな工事が行われるのか、管理組合側もある程度理解したうえで予算などの修繕計画を立てましょう
マンションの「躯体(くたい)」は建物のどの部分なのか知っていますか?大規模修繕工事の中でも躯体に関係する部分の修繕工事を行います。
躯体が建物のどの部分を指し、どんな工事を行うのか事前に知っておきましょう。
マンションの屋根(屋上)も劣化しやすいエリアの一つです。主に屋上の防水材、アスファルトシングル屋根材の劣化に防水工事を施していきます。
その防水工事の必要性や工事の内容と流れはある程度知っておきましょう。
大規模修繕ではマンションの顔ともいえる「外壁」も重要な工事エリアの一つです。修繕することで美観が回復するので、資産価値を高めてくれるメリットがあります。外壁修繕の必要性や工事内容はある程度理解しておきましょう。
外壁のタイル補修は、大規模修繕の中でも必須といってもいいくらい、必ず検討しなくてはいけません。タイルの破損状況によっては、部分補修では収まらず、タイル製品を作りなおす必要がある場合があります。
大規模修繕は建物だけではなく外回りの「外構」の工事も行います。外構とはマンション敷地内の舗装やフェンス、植栽、排水溝などの設備を指します。
その外構でどんな工事が行わられるのかある程度知っておきましょう。
大規模修繕工事でかかせないのが、外壁や格種設備の塗装工事となります。塗装工事は塗装する塗料によって、耐用年数と単価が違う為塗料選びはしっかりと検討する必要があります。
マンション建物内も外回りと同じように経年劣化は避けられません。
大規模修繕工事では、主に共用部の開放廊下と階段、各ご家庭の専有部にあたるベランダ・バルコニーのそれぞれ床面と天井面に対して防水工事や塗装工事を施していきます。
建物内の工事は居住者が普段の生活をしている中で工事を進めなければならないので、事前の周知は徹底しなければなりません。
建物内の「天井」、「床」、「ベランダ・バルコニー」それぞれの工事内容や進め方、注意点は事前にある程度知っておきましょう。
大規模修繕では「天井」も工事範囲に含まれます。
「軒天(のきてん)」と呼ばれ、開放廊下や階段、バルコニーの天井を指します。
その天井が劣化する原因や、どんな修繕工事が行われるのかある程度知っておきましょう。
大規模修繕での「床」はマンション内の開放廊下、階段、バルコニーの床面を指します。主に防水工事を行いますが、「塩ビ防滑シート貼り工法」が主流です。その工事の特徴や流れとともに注意点はある程度知っておきましょう。
大規模修繕では各ご家庭のベランダ・バルコニー床面の防水工事を行います。その際、置かれている私物はすべて片付けなければなりません。
事前に注意点や工事の流れを知って、工事がスムーズに進められるようにしましょう。
大規模修繕工事の玄関ドアについては、ドアの内側と外側で所有権が異なる為、改修する際には共用部分を理解した上で検討をしましょう。
階段は共有部分となり、大規模修繕工事の検討対象となります。階段の種類によって工事内容が違う為、施工方法を理解した上で検討できるようにしましょう。
マンションの外部・内部には「鉄」でできた外部金物や外部金具が設置されています。
鉄の劣化といえば「錆(さび)」のほかにも、塗装の剥がれやチョーキング(チョークの粉のようなものが付着する劣化)などがあり、大規模修繕の機会などで塗装工事や取替を行います。
金物部分の劣化をそのままにしているとマンションの美観が損なわれ資産価値の低下にも繋がります。
金物部分がマンションのどの部分を指すのか知ったうえで、塗装工事や取替の計画を立てるようしましょう。
外部金物は大規模修繕で「鉄部」と呼ばれています。
経年劣化によって錆(さび)などの劣化が生じた部分に塗装工事を施していきます。
外部金物がどの部分を指すのか知ったうえで、工事の流れや注意点は理解しておきましょう。
外部金具は「建具・金物」を指し大規模修繕では塗装や取替を行います。代表的な建具は「玄関扉」ですが、ほかにもマンション内の色々な場所に設置されています。外部金具の種類や修繕・取替目安はある程度知っておきましょう。
マンションの設備関係といえば「電気設備」をはじめ、「給水設備」、「汚水(排水)設備」、「TV受信設備」、「ガス設備」といった設備は生活に欠かせません。
その他にも、防火対策としての「消火設備」や「エレベーター」は今やマンションになくてはならない設備の一つになっています。
このような設備関係も建物と同じように経年劣化は進んでいくので、修繕もしくは取替を行わなければなりません。
設備関係の修繕・取替目安を知ったうえで、大規模修繕工事の計画を立てていきましょう。
マンション中で最も利用する設備関係の一つが「電気設備」です。照明器具や基盤などの機器が設置され、設置年数に応じて修繕・取替が必要になります。
電気設備の耐用年数や修繕目安は理解して計画を立てていきましょう。
マンションのTV受信設備は「TV共聴設備」と呼ばれています。TV共聴設備も耐用年数はあるので、年数に応じて取替が必要になります。
TV共聴設備の仕組みをある程度知ったうえで、大規模修繕計画を立てていきましょう。
2回目以降の大規模修繕工事では、配管(給水管・排水管)の補修・交換を検討する必要があります。それぞれの配管の耐用年数を調べて洗い出したりなどが必要となりますので、計画をきちんと立てていきましょう。
日々の生活の中で欠かせない設備の一つが「給水設備」です。マンションには2種類の給水方式があり、耐用年数を基に給水管などの取替を行わなければなりません。修繕目安を知ったうえで、大規模修繕計画を立てていきましょう。
使った水を外部に排出する役割を果たすのが「汚水(排水)設備」です。排水管は経年劣化によって詰まりが発生し、漏水や悪臭の原因になります。
耐用年数を知ったうえで、汚水(排水)設備の修繕計画を立てましょう。
「ガス設備」を利用しているマンションは多いのでは?
ガス機器やガス管も耐用年数を基に取替が必要になります。マンションのガス設費が何を指すのか知ったうえで、大規模修繕に合わせて取替計画を立てておきましょう。
「エレベーター」といえば今やマンションに欠かせない設備の一つです。点検が義務付けられ、耐用年数に沿ってリニューアル工事をしなければなりません。
その目安を知ったうえで大規模修繕計画を立てていきましょう。
マンションなどの共同住宅で特に注意したいのが火災です。マンションでは各種の消火設備が設置され、万一の火災に備えています。
消火設備の耐用年数を知ったうえで、大規模修繕で取替などの計画を立てておきましょう。
マンションには実に様々な設備が設置されています。 日々の生活に関連する以外の設備についても設置年数に応じて修繕や取替が必要になります。 また、大規模修繕工事期間中のセキュリティ対策も意識しておきましょう。