秋田県の大規模修繕でよくある相談お問い合わせ&トラブル事例
直近の秋田県の経済活動は、良好な状態で推移しています。
個人消費・設備投資・公共投資・住宅投資どの指標を見ても、緩やかに回復もしくは高水準で横ばいしています。
このような環境の元、県全体の有効求人倍率が上昇に向かっていることが注目されます。製造業や観光業がけん引するように全体を底上げしています。
秋田県内に求人があることから労働人口が集まることになり、不動産業界にはプラスに働きます。
また、2018年の統計によると、都道府県別の地価は秋田県が最も安く、不動産を取得しやすい環境にもなっています。
このページでは、秋田県内で大規模修繕を考えているマンション・アパートの管理担当者の方へ、大規模修繕に関する相談お問い合せ例と、よくあるトラブル事例をご紹介いたします。
このページの目次
1.秋田県の大規模修繕工事のお問い合わせ例
秋田県でのビル・マンションの需要は、大都市圏ほどではないにしても、秋田市・横手市などの都市部を中心に一定のニーズがあります。築年数も数十年の古いものから最近のものまで幅広いです。ここでは、大規模修繕支援センターに寄せられた問い合わせの事例をご紹介しますので参考にしてください。
1-1.問い合わせ1:責任施工or設計監理どちらが良いのでしょうか?
初めてマンションの大規模修繕工事をされる管理組合から、発注方式に関する問い合わせをいただきました。今後の維持管理のこともあるため、最適な方法を選びたいとの事でした。
【お客様の基本情報】
建物種別:分譲マンション(SRC造15階)
建物住所:秋田県横手市
相談カテゴリー:外壁、仮設工事、工事の流れ
建物概要:築年数2002年、総戸数90戸
【お客様の悩み】
今回、初めて大規模修繕工事を行うのですが、発注方式が大きく2種類あると伺いました。今後の維持管理にも影響すると思いますので、違いやそれぞれのメリット・デメリットが知りたいです。
【大規模修繕支援センターからのご返答】
10~15年周期で実施するケースが多い大規模修繕工事ですが、多額の費用が発生しますので慎重に実施したいものです。
工事については、「責任施工」と「設計監理」の2つの発注方式があり、いずれかを選択することになります。以下に、この2つの方式について、メリット・デメリットも含めてご紹介させていただきます。
<設計監理>
コンサルタント会社(建築士などの専門家の在籍する会社)と打ち合わせで施工範囲などを決定した後に、施工会社を募る方法です。
多くの場合は、大規模修繕工事からその後の維持管理に関わる一切をコンサルタント会社に相談しながら進めます。
● メリット
・工事見積の透明性が確保されやすくなる。
・施工会社を選定する経緯が分りやすくなり、組合員からの理解が得られやすくなる。
・管理組合の要望を要求仕様として取りまとめ、施工会社に依頼できる。
・施工会社からの提案や大規模修繕工事の際は、専門的な目線でチェックできる。
管理組合員は専門的な知識を有していないことが多いため、専門知識のある第三者にチェックを依頼できる点は大きなサポートになり、安心につながります。
● デメリット
・コンサルタント会社の費用が大規模修繕工事とは別に発生する。
コンサルタント費用は数百万円単位から、規模の大きいところでは1千万以上の費用が発生しますので、この費用の捉え方が課題になります。
<責任施工>
管理組合が大規模修繕に関する一切を、施工会社と直接打合せしながら決定していく方法です。発注も管理組合が施工会社に直接発注します。
● メリット
・費用を安価に抑えることができる。
修繕項目や依頼先が明確であれば、最も効率良く運営できるのでコストメリットが出ます。
● デメリット
・施工会社の選定が難しい。
・工事見積の透明性の確保が難しい。
・施工会社からの提案内容の精査が難しい。
・工事の進捗管理や状況把握が難しい。
大規模修繕工事は専門的な知識を必要とするため、全てのプロセスにおいてチェックに不安がある。
<補足説明>
大規模マンションの場合は、設計監理方式がおすすめです。
大規模になるほど施工範囲が広くなり、その分様々な確認事項が増えます。課題に対して複数業者と協業しながら進めることもあります。つまり、大規模になるほど専門的な知識が必要になります。
また、組合員の人数も多く合意形成するには、透明性と根拠を持って説明するためのスキルやノウハウが必要です。
一方、小規模マンションであれば、責任施工が良い可能性があります。
まず、組合員が少ないので合意形成しやすいことが挙げられます。また、工事の範囲・規模も小さいため問題点を明確にしやすく、対応できる業者がすぐに分かれば、効率よく進めることができます。
大筋では以上の傾向が見られますが、組合員のスキルによっては上記のとおりにならない可能性があることをご承知おきください。
【お客様の声(対応後のアンケート内容)】
いただいたアドバイスを参考に、再度組合の中で議論します。当組合のスキルのレベルも確認しながら、どの方式・どの業者が良いか、検討したいと思います。また、単に価格が安いとの理由で、安易に選定しない方が良いことも分かりましたので注意いたします。
1-2.問い合わせ2:マンションの外断熱化の効果は?
初めての大規模修繕工事を控え、入居者から断熱効果を上げて欲しいとの要望があり、検討事項としてマンションの外断熱化が上がっています。この外断熱化の工事について知りたいとの問い合わせです。
【お客様の基本情報】
建物種別:分譲マンション(SRC造18階)
建物住所:秋田県秋田市
相談カテゴリー:工事方式、躯体、屋根(屋上)、外壁、天井、床
建物概要:築年数2007年、総戸数96戸
【お客様の悩み】
築10年を経過し、そろそろ大規模修繕を行うタイミングになってきました。地域的に朝夕の寒暖差が大きいことから結露に苦労している入居者が多く、対策として断熱効果を上げて欲しいとの要望が上がっています。外断熱を検討してはとの意見もありますが、修繕予定が複数箇所あるので予算的な面で悩んでいます。まずは外断熱について知識がないため教えてください。
【大規模修繕支援センターからのご返答】
外断熱とは躯体の外側を断熱材で覆うことを言います。日本の殆どは内断熱ですが、ここ最近、外断熱が取り入れられるようになってきました。ということで、外断熱化の効果を見て行きましょう。
1.室温の変動の抑えることができる
元々コンクリートは蓄熱する性質を持っています。外断熱化することで、このコンクリートの性質を最大限に活かせるようになります。
躯体の外側を断熱材で覆うので、エアコンを切ってもコンクリートに蓄えた熱が保たれることになります。内断熱のマンションでは開口部(扉や窓)と外壁で7割程度の熱損失があると言われていますので、これを効率化できるのが外断熱です。
2.結露対策ができる
結露は部屋の温かい空気が、外の冷たい空気に冷やされて発生ます。外断熱化すると、外側の躯体が断熱材で守られ、内側(部屋側)のコンクリートが熱を蓄え冷えにくくなります。その結果、外気で冷やされなくなり結露が防げる形になります。
3.省エネ効果が見込まれる
外断熱により室温を一定に保てるようになります。エアコンの効きもよくなることから省エネの効果が上がります。以上のことから、国は外断熱化を推進しており助成金があります。温暖化対策の側面もあり、国を挙げてサポートしています。
4.外断熱化すると耐久性がアップする
内断熱の仕様ではコンクリートは外気にさらされており、夏の暑さと冬の寒さで膨張・収縮を繰り返します。これがひび割れを発生させる原因です。しかし、外断熱化すると断熱材がコンクリートを守るため、耐久性が大幅にアップします。(一説では、寿命が内断熱の2倍以上になると言われています。)
※費用について
耐久性がアップすることにより、長い目で見るとコスト削減になる可能性があります。また、国から助成金も出るため、こちらの活用も検討しましょう。
【お客様の声(対応後のアンケート内容)】
外断熱とことが理解できました。内断熱との違いや外断熱の特長も分かり参考になりました。また、助成金の情報をいただけたのは、非常に有益でした。長期修繕計画とも照らし合わせながら、どのように修繕するか検討したいと思います。
1-3.問い合わせ3:IH対応クッキングヒーターや床暖房対応にして欲しい
最近頻発する地震に入居者の安全意識が高まり、IHクッキングヒーターなど大型家電のニーズがあるのですが、大きな電力を消費するため、電力設備の改修が必要になります。この場合、どのような工事になるのかとの問い合わせでした。
【お客様の基本情報】
建物種別:分譲マンション(RC造9階)
建物住所:秋田県大館市
相談カテゴリー:公示方式、電気設備、改修工事
建物概要:築年数1994年、総戸数45戸
【お客様の悩み】
最近の地震の影響から入居者の安全指向が強まり、IHクッキングヒーターや電気式の床暖房の導入を希望する意見寄せられました。消費電力を考慮すると供給側が不足しているため、改修が必要になります。電気設備の改修は全居室に渡るため、大がかりになると想像するのですが、どのような工事になるのか教えてください。
【大規模修繕支援センターからのご返答】
昨今の地震の影響で設備の電化を求める声は増えています。しかしながら、使用できる電気容量には上限がありますので、電気に関わる設備その他の改修・変更が必要になります。
全ての住戸でIHクッキングヒーターなどの大型電化製品を使用するには、各住戸の電気容量を上げる必要があります。そのためには、マンション全体の電力幹線設備の改修が必要です。そこで、以下のとおり電力幹線設備の改修フローをご紹介します。
電力幹線設備の改修のフロー
・住戸の電気容量を新たに設定する
・電力幹線設備の計画・設計を行う
・改修方法・計画の立案
・電力会社との事前協議
・改修方法の決定
改修の箇所および方法
・既存幹線の再利用
既存の電力幹線ケーブルを再利用して、全体の電気容量の増加を図る。既存ケーブルを利用するため、工期やコストに優位性がある。ただ、既存ケーブルが劣化している可能性があるので注意が必要。
・電力幹線 全ての交換
既存の電力幹線ケーブルは撤去して、全て新しいケーブルに交換。電力幹線設備の信頼性は高くなるがコストがかかる。
設備の電化はニーズが高まっており、電力幹線設備の改修はマンションの資産価値の向上にもなります。
【お客様の声(対応後のアンケート内容)】
電力幹線設備の改修の流れが理解できました。最後の資産価値向上の観点は勉強になりましたが、予算との兼ね合いもありますので、見積もりを確認しながら検討したいと思います。
大規模修繕支援センターって何をやってるところ?
- 優良コンサルタントや施工会社を無料紹介している
- 専門相談員による無料相談ができる
- 大規模修繕工事についての情報を集約している
大規模修繕支援センターで大規模修繕のことに関してお気軽に相談することが可能
2.秋田県の大規模修繕工事で多く見られるトラブル事例
秋田県内で発生した大規模修繕工事にまつわるトラブルの事例を3件紹介させていただきます。工事中から工事完了後のものまでありますが、実際には実に様々なことがあります。特に最近では、地震やゲリラ豪雨などの影響もあり、自然災害によるトラブルも増えています。
2-1.トラブル事例1:修繕工事をした箇所で雨漏りが!
【トラブルカテゴリー】:改修工事、不具合、塗装、ベランダ・バルコニー
【建物概要】:秋田県大仙市、築年数1986年、総戸数24戸
【トラブル内容】:工事完了後、わずか1年でバルコニーから雨漏りが発生しました。防水塗装した箇所にひび割れが発生したといった工事ミスによるトラブルです。原因の一つとして、今回は責任施工方式で実施しましたが、管理組合の中に建築知識をもったメンバーがいないため、コスト重視で施工会社を選定してしまったことです。
をれと、施工についてチェックするポイントが分からず、またその感覚もないため、業者任せの状態で工事を行った点も挙げられます。
事前の知識習得とチェックポイントを押さえるべきであると反省しております。
2-2.トラブル事例2:大規模修繕工事中に業者が倒産した!?
【トラブルカテゴリー】:トラブル
【建物概要】:秋田県大館市、築年数1998年、総戸数32戸
【トラブル内容】:あってはならないことなのですが、マンションの大規模修繕工事中に業者が倒産してしまいました。工事が中止してしまい大変困っています。
全く想定しなかったため、何から手を付けて良いかも分からず、途方に暮れている状態です。先方の事務所に行きましたが、誰もおらず、状況が全く分かりません。事前にリスクの洗い出しをしっかり行い、手を打つべきであったと後悔しています。
2-3.トラブル事例3:契約とは異なる材料、方法で工事をしていた!?
【トラブルカテゴリー】:改修工事、不具合、塗装、ベランダ・バルコニー
【建物概要】:秋田県秋田市、築年数2007年、総戸数40戸
【トラブル内容】:大規模修繕工事後、半年ほどでバルコニーの手すりの塗装面から錆が見つかりました。確認すると図示された塗料とは異なるものを使用していることが判明しました。また、元の塗料の処理が十分できておらず、これが原因で塗料が浮き錆の発生につながっていました。本件については、明らかに施工業者に瑕疵があり手直しをしていただきました。
4.大規模修繕支援センターの4つのお約束
5.大規模修繕支援センターのご利用の流れ
5.秋田県の大規模修繕対応エリアについて
秋田市 / 能代市 / 横手市 / 大館市 / 男鹿市 / 湯沢市 / 鹿角市 / 由利本荘市 / 潟上市 / 大仙市 / 北秋田市 / にかほ市 / 仙北市 / 小坂町 / 上小阿仁村 / 藤里町 / 三種町 / 八峰町 / 五城目町 / 八郎潟町 / 井川町 / 大潟村 / 美郷町 / 羽後町 / 東成瀬村 /