大規模修繕工事のピロティ(ぴろてぃ)とは
大規模修繕工事のピロティ(ぴろてぃ)とは、2階以上の階を有する建物の地上部分で、構造体である「柱」のみを残した外部空間を持つ建築形式です。
ピロティは、フランスで活躍した世界的な建築家であるル・コルビュジェが提唱した近代建築の5原則のひとつであり、ピロティがつくりだす軽やかな外観は近代建築を象徴する建築形式といえます。
もともとは近代建築を象徴するものとして提唱されたピロティですが、現在では駐車スペースやエントランスアプローチなど、機能的に「屋根」があることが望ましい用途に使われることが多くなっています。
このページの目次
1. ピロティのメリット・デメリット
近代建築を象徴する建築形式として発展してきたピロティですが、現在では地上で「外部空間」を確保するための方法のひとつとなっています。
敷地に余裕がない場合はメリットがある方法ですが、敷地に余裕があり駐車場などを確保できる場合はデメリットのほうが大きくなることもあります。
1-1. ピロティのメリット
ピロティの最大のメリットは、敷地を有効活用できることです。
主に都市部や市街地で敷地の広さに余裕がない場合に、地上の外部空間を駐車場やエントランスアプローチにすることで、雨天時にも使いやすいだけでなく、2階以上の階を居住空間やオフィスなどにして敷地を有効活用できます。
このほかにも、地上部分が外部空間として開放されているため、建物の外観が「軽やか」に見えるというデザイン上のメリットもあります。
この「軽やか」さは、近代建築を象徴するデザイン表現としてさまざまな建物で見ることができます。
1-2. ピロティのデメリット
ピロティは、機能上の理由(屋根付きの駐車場やアプローチ空間がほしいなど)がない場合、デメリットが大きくなるケースがあります。
ピロティを設けることにより、建物形状が複雑になり外装面積も増えることや、直上階の床下断熱が必要になることから、想定した費用対効果が得にくいだけでなく、柱だけが残るため体感的に建物の振動に敏感になることもあります。
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2. 大規模修繕工事におけるピロティのまとめ
ピロティは近代建築を象徴する建築形式として生まれたものですが、現在では限られた敷地の有効活用や屋根付き駐車場の確保といった機能上の理由のほか、建物外観のデザイン上の理由から採用されるケースがほとんどです。
大規模修繕工事においては、こうした機能面の要望とその費用対効果を見極めた上で採用する必要があるでしょう。