ラスカット工法(らすかっとこうほう)

大規模修繕工事のラスカット工法(らすかっとこうほう)とは

大規模修繕工事のラスカット工法(らすかっとこうほう)とは、建物内部の既存給水管の改修工法のひとつです。
ラスカット工法は、大規模修繕工事で劣化した給水管をすべて更新(取替え)するのではなく、給水管そのものを延命させる工法です。
具体的には、既存給水管内に防食電流を流し、給水管内の水を経由して防食回路を形成することで給水管内を防食します。
工事の内容は、防食電流用の電源装置ユニットを新たに設けるほか、共用部と専用部の既存配管の一部を切断し、そこに割り込ませる形で給水管内に陽極を設置するものです。

このページの目次

1. ラスカット工法の特徴

ラスカット工法は、既存給水管を更新(取替え)することなく既存給水管を延命させることができるため、費用面・施工面においてメリットの大きい工法といえます。
ここでは、ラスカット工法の特徴について説明します。

1-1. ラスカット工法の特徴1:ライニング更生工法後でも配管を延命できる

給水管を延命させる工法として既存配管の内部をライニングする「ライニング更生工法」もありますが、耐用年数は約10年程度であり、耐用年数が経過してしまうと上塗りできないといったデメリットがあります。
ラスカット工法は、ライニング更生工法の耐用年数を経過した後でも施工可能であり、更に配管を延命することが可能です。

1-2. ラスカット工法の特徴2:更新(取替え)よりメリットが大きい

建物内部の給水管は天井や壁の内部に隠ぺいされていることが多く、給水管を更新(取替え)する場合、天井や内装の仕上げを撤去しなければ施工できないことがほとんどです。
ラスカット工法は既存給水管の内部から施工可能なため、このような「道づれ工事」が発生せず、費用面・施工面においてメリットが大きい工法です。
また、更新(取替え)の場合は一定量の既存給水管を廃材として処分する必要があり、環境面においてもメリットがある工法といえます。

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2. 大規模修繕工事におけるラスカット工法のまとめ

ラスカット工法は、既存給水管を更新(取替え)することなく、給水管自体を延命する工法のひとつとして、費用面・施工面でメリットが大きい工法です。
工事の内容も、更新(取替え)のように大規模なものにならないため、マンションなどの大規模修繕工事で「居ながら工事」が前提となる場合は、よりそのメリットが大きくなるでしょう。

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