大規模修繕工事の丸環(まるかん)とは
大規模修繕工事の丸環(まるかん)とは、マンションやオフィスなどの屋上に取り付けられている円形(輪っか状)の金具のことで、「吊環」と呼ばれることもあります。
丸環は、窓の掃除や外壁のメンテナンスの際に作業員の命綱を固定するために、ロープを結びつける金具として使用します。
作業の状況によっては、ゴンドラ等の器具を吊ることもあるため、大きな重量に耐え得る構造になっています。
このページの目次
1. 丸環の注意点と適切な維持管理
丸環は、建物外観の美観を維持していく上で重量な役割があるだけでなく、作業員の命を守るという「安全性の確保」が特に要求される部位です。
ここでは、大規模修繕工事における丸環と注意点と適切な維持管理について説明します。
1-1.丸環の注意点
丸環の構造は、標準的なもので直径100ミリほどの「輪っか状」の金具を、フラットバーやアンカーボルトなどで外壁に固定する構造になっています。
また、材質は一定の強度を要するためステンレス製のものが標準的に使われます。
丸環の取り付けは、確実に安全な構造とするために「後施工アンカー」で後から施工するのではなく、「埋込みアンカー」で施工する方が安全性が高いといえます。
そのため、大規模修繕工事などで安易に「後施工アンカー」を使って更新するのではなく、安全性を確認した上で可能な限り「埋込みアンカー」の状態で修繕することも検討する必要があるでしょう。
1-2.丸環の適切な維持
丸環は、作業員の命綱のロープの固定という安全上重要な役割を持つため、大規模修繕工事などで適正に維持することが重要です。
丸環は、構造上「埋込みアンカー」で固定されていることがほとんどのため、
固定部が腐食して更新となる場合、一度外壁を取り壊す必要があるため、同じ間所に再度埋込みアンカーを施工することは現実的ではありません。
そのため、別の場所に新たに後施工アンカーで施工することになってしまうため、将来的に安全性に対してリスクを抱えることになってしまいます。
そうした状況を避けるためにも、丸環の取り付け部の錆や腐食は早い段階で修繕を行うことが効果的です。
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2. 大規模修繕工事における丸環のまとめ
丸環は日常生活を送る上であまり意識しないため、劣化を放置してしまいがちですが、作業員の人命に関わる重要性の高い部位です。
丸環は埋込みアンカーで固定されていることが多いため、腐食させて使えない状態になる前に、定期的に錆をケレンしたり、保護塗料を塗って適正に維持する必要があるでしょう。