大規模修繕工事の塩ビシート(えんびしーと)とは
大規模修繕工事の塩ビシート(えんびしーと)とは、正式名称を「ポリ塩化ビニル」といい、おもに屋上やベランダなどで使われる防水材です。
塩ビシートは、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶解性に優れており、屋根の防水材としてだけでなく、水道管や電線の被覆などさまざまな用途に使用されています。
このページの目次
1. 塩ビシートのメリット・デメリット
さまざま用途に使われる塩ビシートですが、ここでは「防水材」としてのメリット・デメリットについて説明します。
防水材としての塩ビシートは、屋根の形状がシンプルで、技術力のある施工業者による工事が可能であれば、メリットが大きい防水材といえます。
1-1.塩ビシートのメリット
塩ビシートのメリットとして、耐用年数の長さが挙げられます。
塩ビシートは、素材であるポリ塩化ビニル自体の耐久性が高いだけでなく、紫外線や熱などに対しても優れた耐候性があり、ウレタン系の塗膜防水に比べて耐用年数が長いといったメリットがあります。
既存の下地の状況に応じた工法があるのもメリットのひとつです。
既存の屋根材の劣化状態が良ければ、既存の屋根材を撤去せず上から塩ビシートを貼り付ける「機械式固定」、劣化が著しければ一旦屋根材を撤去して新たに塩ビシートを貼り付ける「密着工法」があり、状況に応じた工法を選択できます。
そのほかにも、塗膜防水より工期が短縮できることや、アスファルト防水のように施工時に「臭い」がでないといった施工上のメリットもあります。
1-2.塩ビシートのデメリット
塩ビシートのデメリットとして、成型されたシートを貼り付けていくため、複雑な屋根形状には向かないことが挙げられます。(屋根形状が複雑な場合は塗るタイプの防水がベストです)
施工上のデメリットとして、シートのつなぎ目部の防水処理を適切行わないと漏水に直結する可能性があるため、技術力のある施工業者にて確実に施工する必要があります。
また、既存の屋根の劣化状況に応じて工法を選ぶことができますが、「機械式固定」で行う場合、塩ビシートをアンカーで固定する際の音が大きいといったデメリットがあり、居住者への事前周知が必要です。
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2. 大規模修繕工事における塩ビシートのまとめ
防水材としての塩ビシートは、耐久性・施候性が高く施工性も良いため大規模修繕工事で採用されやすい防水材です。
その一方で屋根形状な場合に向かないことや、シートのつなぎ目からの漏水の可能性といったリスクもあるため、実際の施工にあたっては実績のある優良な施工業者に依頼するのがよいでしょう。