大規模修繕工事の中性化深度テストとは
大規模修繕工事の中性化深度テスト(ちゅうせいかしんどてすと)とは、コンクリートが表面からどの程度まで中性化しているかを測るテストのことです。単位は㎜です。
コンクリートは、初めのうちはアルカリ性ですが、年月がたつうちに中性へと変化していきます。中性化が鉄筋のところまで達すると、鉄筋は腐食したりサビたりしていき、それが原因でコンクリートがひび割れてしまうことがあります。そこで、安全のために、コンクリートが現在どの程度まで中性化しているのかを調べるのが、中性化深度テストなのです。
中性化深度テストでは多くの場合、コンクリートにフェノールフタレインを吹き付け、赤く色が変わった所がアルカリ性、無色の部分が中性、と判断します。
このページの目次
1.中性化深度テストの種類
中性化深度テストには幾通りかの種類があります。簡単に見ていきましょう。
1-1.中性化深度テストの種類1:はつり法
電磁波レーダーなどで鉄筋の位置を確認し、はつる場所を決め、はつり作業(コンクリートを削る)を開始し、フェノールフタレインを吹き付け、中性化深度テストをします。
1-2.中性化深度テストの種類2:コア法
電磁波レーダーで鉄筋の位置を確認した後、コア抜き(穴をあける)をします。採取したコアを割り、フェノールフタレインを吹き付け、中性化深度テストをします。
1-3.中性化深度テストの種類3:ドリル法
はつり法やコア法に比べて建物への負担が少ない工法です。壁面に直角を維持した状態で、ドリルで削孔します。フェノールフタレイン溶液を染み込ませた試験紙を回転させながら、削孔紛をとります。試験紙の色が赤く変わったら削孔をやめ、深さを測ります。
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2.大規模修繕工事における中性化深度テストのまとめ
大規模修繕工事で大切なことのひとつは、建物の不良個所を見極めることです。悪い部分が分からなければ、適切な箇所の修繕を行うことができません。明らかに見た目で分かる不良個所もありますが、コンクリートの中性化がどれだけ進んでいるかは多くの場合、見た目だけでは分からないものです。
ですから、大規模修繕工事で、事前に中性化深度テストを、信頼できる業者にしてもらい、中性化の度合いに応じて適切な処置をするようにしましょう。最近では、非破壊で、コンクリートを再びアルカリ性に戻す工法をとっている業者もあります。どんな方法を取るにしても、年数がたっているマンションでは、大規模修繕工事のタイミングで中性化深度テストを行っておいたほうが良いといえるでしょう。