大規模修繕工事の高架水槽とは
大規模修繕工事の高架水槽(こうかすいそう)とは、4階以上のマンションなどで屋上に設置されている、受水槽からくみ上げた水をためておくための水槽のことです。配水管からいったん受水槽に水をため、ポンプで受水槽から屋上の高架水槽に水をくみ上げ、重力を利用して高架水槽から各階に給水する仕組みです。4階以上のマンションでは、直結方式ですと各階に水を送るための水圧を確保できないことから、この受水槽方式が採用されています。
高置水槽(こうちすいそう)と呼ばれることもありますが、とくに脚の付いた水槽を高架水槽と呼びます。
このページの目次
1.高架水槽のメリット・デメリット
高架水槽は災害時にメリットが、維持・管理時にデメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
1—1.高架水槽のメリット
まず、一時にたくさんの水を使用できるのがメリットといえます。 また、停電時でも断水時でも、高架水槽にたまっている分の水は使えますので、災害時にしばらくは水の心配をしなくてもよいのが、最大のメリットといえるでしょう。
1—2.高架水槽のデメリット
高架水槽のデメリットは、受水槽・高架水槽の設置時にコストがかかること、また、維持・管理にコストや手間がかかることが挙げられます。
受水槽までの水質の問題は水道局の管轄ですが、受水槽から先はマンションの水道管理者の責任です。受水槽にためられる水の量が10立方メートルを超える高架水槽には、1年に1回以上の定期清掃と、登録検査機関による検査の受検などが義務付けられています。10立方メートル以下の高架水槽でも、衛生面を考えますと、定期的な清掃は必要でしょう。
何かの拍子に高架水槽のふたが開いてしまいますと、雨や鳥、ごみなどが入る可能性がありますし、藻が生えることも考えられます。高架水槽が屋上にある以上、メンテナンスのコストと手間は欠かせないのです。
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2.大規模修繕工事における高架水槽のまとめ
高架水槽は屋上にあるため、紫外線や風雨の影響で劣化が進みやすいところです。美観を保つために塗料のはがれなどを修繕する、ということにとどまらず、内部の点検も欠かさないようにしたいところです。水質汚染は住民の健康にかかわりますから、問題にならないうちに、点検、修繕にのぞむのがベストでしょう。
大規模修繕工事では、受水槽、高架水槽を含め、給水設備をひととおり専門業者に見てもらうことをおすすめいたします。