大規模修繕工事の階段梁(かいだんはり)とは
大規模修繕工事の階段梁(かいだんはり)とは、階段になっている梁のことです。梁とは、柱と直角に交わり地面に水平な、建物の補強の役割をする棒材のことです。
階段梁は、マンションでは屋外の非常階段で使われています。建物の柱や梁にビスを打ち込み、片側だけが建物に支えられる造りであることから、片持ち梁とも呼ばれます。
階段梁は、デザイン性に優れ、空間を大きく取れるというメリットがあります。一方、固定している部分がひび割れたりすると階段梁はダメージを受け、変形することがあるのがデメリットと言えます。構造上、不安が残る造りなのです。
このページの目次
1.階段梁の種類
階段梁にはいくつかの種類があります。中には、よく見かける身近な階段もあります。階段梁の種類を追っていきましょう。
1-1.階段梁の種類1:片持ち階段
片持ち階段は、片側の壁との接点だけで踏み板を支える形の階段です。壁の奥に支持部が埋め込まれており、ここで踏み板とがっちり接合されています。 とはいえ、支持部材や踏み板の厚さなど、きちんと設計されていないと不具合の生じやすい造りですので、片持ち階段にする場合は、信頼できる業者に頼みましょう。
1-2.階段梁の種類2:吊り階段
片持ち階段に吊り材を追加した造りの階段です。吊り材と2点で支えられていることと、吊りの部分が手すりになることで歩きやすくなることがメリットです。
1-3.階段梁の種類3:らせん階段
中央の柱をぐるりと囲むように、らせん状に踏み板を配置した階段で、避難階段によく使われます。歩きづらいので住宅用には向きません。
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2.大規模修繕工事における階段梁のまとめ
通常の大規模修繕工事では、建物診断士か調査士が、建物のいたるところをチェックします。その際、取合い部と呼ばれる部材同士の接続箇所の劣化も調べます。階段梁においては、取合い部の劣化はとても危険ですので、きちんとチェックしてもらう必要があります。階段梁の取合い部の調査は、足場を組んでからでないとできません。ですから、大規模修繕工事の初期段階で足場を組んだ後に階段梁を調べてもらい、劣化箇所を管理組合の方々に報告し、危険なところはきちんと修繕することが大切です。
階段梁である非常階段が、逃げているときに破損して、結局一番危険な場所だった、ということのないよう、ぜひとも安全性には気を配りたいものです。大規模修繕工事において、階段梁のチェックはしっかりしておきましょう。