大規模修繕工事の出隅(でずみ)とは
大規模修繕工事の出隅(でずみ)とは、壁と壁とが向き合う部分の、凸部になった角のことです。それに対し、入隅(いりずみ)とは、壁と壁とが向き合う部分の、凹部になった角のことを指します。
分かりやすくするために、まず、正方形をイメージしましょう。正方形の外側に自分が立っていると仮定して、正方形の頂点を外からぐるりと一周見て回ると、出っ張った角が4個あります。この状態の角を出隅というのです。逆に、入隅は、正方形の中に自分がいると仮定して、内側から見たときの4つの凹んだ角のことをいいます。
マンションには、共用部分の廊下の壁に凹凸がいくつもあります。ですから、出隅と入隅が数多く存在するのです。また、マンションの屋上やベランダ部分にも、床と立ち上がり面との境に、出隅と入隅があります。
室内の出隅には、居住者の安全性や出隅の保護を考えて、カバーを付けることができます。木目調や白といった、ナチュラルテイストのカバーがあります。
玄関口など外壁の出隅に、レンガ調や石材調の飾りとして、カバー出隅を付けることもありますが、これは主に戸建て住宅で施工され、マンションではあまり見られません。
出隅は、鉄筋コンクリートの強度に影響を与えます。屋根スラブ(マンションの屋根の板のこと)には、出隅と入隅の影響で、引張、圧縮が生じます。コンクリートの温度が変化すると、コンクリートの体積も変化しますが、この時に出隅と入隅にとくに負荷がかかり、ひび割れしてしまう可能性があるのです。そこで、屋根スラブには、出隅と入隅の付近に補強材を入れ、コンクリートを強化します。
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1.大規模修繕工事における出隅のまとめ
屋上の出隅の部分は、太陽光による劣化のため、防水シートの収縮が起きてしまうことがあります。結果として、防水シートが破れ、出隅から雨水が入り込み、雨漏りがするのです。入隅がシーリングの亀裂によって雨漏りの原因となるように、出隅もその引っ張る力によって雨漏りの原因になってしまうケースが見られる、というわけです。
入隅と同じく出隅もひび割れしやすい箇所です。大規模修繕工事の際は、入隅のシーリングのチェックとともに、出隅のひび割れのチェックも欠かせません。大規模修繕工事では、なるべく費用を抑えたいものですが、肝心なところを割愛して建物の劣化を進ませてしまっては、大きな損害になります。雨漏りはコンクリート内部の鉄骨をサビさせ、致命的なダメージを与える可能性もありますから、大規模修繕工事でしっかり対処しておきましょう。
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