大規模修繕工事のライニング配管とは
大規模修繕工事のライニング配管(らいにんぐはいかん)とは、鋼管のサビや摩耗、汚染などを防ぐために、金属部分に他の材料を張り付けた建築配管のことです。張り付ける材料としましては、塩化ビニールが一般的ですが、他にタールエポキシ、テフロン、モルタル、ゴムなどが挙げられます。
給水管がサビてきますと、赤水や白濁といった、汚染水がでてきて、住民にとってとても危険です。これが高度成長期に建てられたマンションなどで問題になり、対策としてライニング配管が登場したのです。配管の内側に塩化ビニールなどを張り付けることで、水にサビが入るのを防げるからです。
このページの目次
1.ライニング配管の種類
ライニング配管には材料の違いによっていくつかの種類があります。ここでは、2種類のライニング配管について、その特徴をご説明します。
1-1.ライニング配管の種類1:塩化ビニールライニング鋼管
塩化ビニールライニング鋼管は、管端防食継手との併用により、サビに強く、とても長持ちするという特徴があります。
また、表面が滑らかで、水垢が付きにくく、スムーズに水が流れる状態を保ちます。
そして、ピンホールと呼ばれる針でつついたような穴が開いてしまうといった心配もいりません。
さらに、加工性に優れているので、そのまま切断、ねじ切りが可能です。外面被覆継手を併用すれば、接続後のテープ補修も不要です。
1-2.ライニング配管の種類2:ポリエチレン粉体ライニング鋼管
ポリエチレン粉体ライニング鋼管は、水道給水だけでなく、空調冷却水の配管にも使われます。使用温度がマイナス30度からと寒さに強いのが特徴です。
また、リサイクルが可能でエコな素材です。
ただ、耐熱温度が40度までと低いので、給湯管には使用できません。
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2.大規模修繕工事におけるライニング配管のまとめ
マンションなど鉄筋コンクリートの建物は耐用年数が47年とされており、実際には60年近くもつものもあります。しかし、給排水管の寿命はそれより短く、およそ30年です。ですから、大規模修繕工事の際には、配管の点検は必須なのです。
配管の修繕が必要な場合、全く新しい配管と取り換えるのか、既存の配管を補強して使い続けるのかという選択肢が出てきます。これが「更新」と「更生」の違いです。
配管そのものを取り換える「更新」であれ、配管の延命措置の「更生」であれ、傷み具合をチェックしてメンテナンスするなら、建物の老朽化を緩やかにし、資産価値の維持にもつながることでしょう。